Beverich株式会社/異業種への挑戦!創業直後の激動期を支える銀行のリモートサービス

【ウェブサイト】
https://brulo.jp
ノンアルコールクラフトビール「BRULO(ブルーロ)」の輸入販売を手がけるBeverich株式会社は、イギリススコットランドのCoast Beer Co社と契約を結んだ日本で唯一の正規代理店です。ノンアルコールでありながら本格的なビールの風味や味わいを持つと評判の「BRULO」の日本展開を率いるのは、元々お酒が大好きという代表取締役の木下 慶氏。ノンアル事業を通して提供できる価値と「BRULO」の魅力、そして異業種参入の入り口を支えるみずほ銀行とのエピソードをお聞きしました。
Beverich株式会社 代表取締役 木下 慶
2010年筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻修了。
同年株式会社NTTデータにシステムエンジニアとして入社。国内大手クレジットカード会社のウェブシステム開発に従事。2012年ランサーズ株式会社の創業期にソフトウェアエンジニアとして入社。プロダクトマネージャー(PM)に転向後、ランサーズのプロダクトオーナーを務める。2016年株式会社メルカリ入社。US版、UK版のフリマアプリのPMを務めた後に2019年国内フリマ事業のHead of Productとしてプロダクト責任者に就任。2021年メルカリの物流子会社メルロジの設立と同時にメルロジCPOに就任。2022年10月Beverich株式会社を創業。
———御社の事業内容について教えてください。
当社はノンアルコールビールの「BRULO」を輸入して、国内で小売と卸売をしています。小売は、自社サイトはじめ大手ECサイトで行なっており、卸売は、全国の飲食店や小売店に対して、基本的にはオンラインでお問い合わせいただいた店舗に卸しています。
———これまでのキャリアと全く異なる業種への挑戦とお見受けします。起業のきっかけを教えてください。
私自身、スタートアップ企業でのキャリアが長く、所属していた会社が次第に成長し上場するところまで大きくなっていく過程を間近で見ていました。周りに起業する知人が多かったこともあり、自分もいつか起業したいと自然と強く思うようになりました。自分の経験分野で独立、という方も多いと思いますが、私の場合は、起業したい、がまずあって、起業テーマを模索している中で偶然ノンアルコール事業の可能性に気がついた、という流れです。
———新しいビジネスの着想が、どんな流れで生まれたのか気になります。
私は元々すごくお酒が好きで昔からよく飲んでいたのですが、まずは、起業準備として一回コンディションを整えようかなと思い、お酒をやめてみたんです。お酒は美味しいですし、飲みの席で人と話したりする時間は大切にしていたものの、皆さんご経験あるように、翌日ベストな状態でパフォーマンスを発揮できるかというと難しいことも多くて。
そうして、いざアルコールを断ってみると、狙い通り「パフォーマンス」はとても良かったのですが・・・その時期に飲んでいたノンアルコール飲料には物足りなさを感じてしまいました。特に好きだったクラフトビールのジャンルは、国内に流通しているノンアルコールビールと本物の差は大きいなぁと。
そんなとき、この「BRULO」を含めて、海外にはノンアルコールのクラフトビールがあるということを知りました。早速、イギリスに住んでいた友人から送ってもらい試しに飲んでみたら、感動するほど美味しかったんですよ。海外に目を向けると、生産にこだわった本格的な風味の美味しいノンアルコールの飲み物があることを知り、日本に広めたいと思ったのが、この事業を始めるきっかけです。
———大人気商品「BRULO」の特徴はどういったところにありますか?
「BRULO」はノンアルコール飲料に分類されますが、クラフトビールのノンアルコールというのは、まだほとんど国内に流通していないので「クラフトビールでノンアルコール」というのが、ますは大きな特徴です。
原材料と製法がビールと同じ、つまり水と麦芽とホップと酵母しか使っておらず、実際に発酵過程も挟むため、味わいや苦味がビールと変わらずに本格的です。
———ノンアルコールビール自体はスーパーなどでもよく見かけるようになりましたが「BRULO」はどこが違うのでしょうか。

ノンアルコールビールというのは、元々発酵させない製法と、発酵させてアルコールを生成した後にアルコールを抜く製法の2つがあるのですが、前者の場合だと発酵しないので、どうしてもビールっぽさから遠くなってきてしまいます。後者はアルコール抜くフィルタリングのときに、香りと味わいも抜けてしまいます。
「BRULO」は、発酵はしていますが、アルコールがほぼ生成されない酵母を使っているのがポイントです。「発酵の結果ビールに近い味に近づき、脱アルコールをしていないから香りも抜けない」という両者のいいとこどりの部分が特徴になっています。海外から複数のビールを取り寄せて飲み比べをしましたが、こだわりを持って作られている「BRULO」は自信をもっておススメできる商品です。
———「BRULO」はどんな方に飲まれていますか。
翌日のパフォーマンを気にしてお酒を控えている方、健康を理由にお酒を控えている方で、私と同じように、よりビールに近い味を求めていた方に「やっと大好きだったクラフトビールに近いものに出会えた」と喜んでもらえています。
———デザインも素敵なので贈り物にも喜ばれそうですね!
今、オリジナルギフトボックスのセットも販売していますが、プレゼント用に購入される方も増えてきました。私も父親に定期便として毎月送っています。10数年前に体調を崩しお酒を控えるようになりましたが、「BRULO」なら気兼ねせずに飲めるみたいです。
———海外と日本ではノンアルコールや健康意識は違うのでしょうか。
海外だとノンアルコール文化もやはり進んでいて、ヴィーガンもそうですけれど健康意識も日本とは異なる部分があります。ノンアルコールもかなり種類が多いですし、お酒を飲むパブなどでも1割位がノンアルコールになっていますので、日本でもまだまだ浸透余地があると思っています。

———味にこだわる飲食店にも好評そうですね。
シェフの方やオーナーの方って、結構飲み物を探しているんですよね。ご飯にこだわっていくと、それに合う飲み物に行き着くというのをすごく感じています。飲み物は、どうしても市販のものを仕入れることが多くなるので、こだわりの料理に見合う飲み物、ということで気に入って仕入れていただいている先が多いです。

———ここからはみずほ銀行とのお取引についてお伺いします。数ある銀行の中で、なぜみずほ銀行を選ばれたのですか。
元々個人で長く利用していたのもあり、使い慣れていたのと、認知度というか大手ならではの安心感があり、法人口座を開設するときに、まず一番の選択肢として浮かんだ、というのが率直なところです。
———ウェブ面談で法人口座開設ができることをご存知でしたか?
法人口座を作ろう、と決めて自分で改めて調べている中で知りました。個人の口座は学生時代に一度作ったきりでそれ以降銀行を変える機会がなかったので、口座を作るという機会もなくて。口座開設は対面で、という昔からのイメージがあったので、ウェブ面談ができるということで驚きました。
———実際のやりとりはいかがでしたか。
スムーズでしたよ。家に居ながら手続きできたというのは、ものすごくラクでしたね。画面共有もいただきながらお話できたので不便さは全く感じませんでしたし、自分のバックグラウンド的にもオンラインがベースにあり、むしろ書類提出などでどこかに出向くという経験が少なかったので、窓口に行くことなく済んで助かりました。
———みずほ銀行との取引で印象的だったことがあれば教えてください。
口座開設直後の連携の速さ、でしょうか。私は創業と同時に資金調達を予定していたので、法人の口座開設を急いでいました。ウェブ面談をしたときに、事業内容や調達予定の説明をさせていただきましたが、口座開設からすぐのタイミングでエンゲージメントオフィス*の担当者を繋いでくれたのが、とても印象深かったです。
「口座開設が完了したらそれでおしまい。」という形で終わるのではなく、その後もみずほ銀行内で連携していただいたことにまず驚きました。エンゲージメントオフィスの方からも、よくフォローのお電話をいただきましたし、ビジネスマッチングでホテルやゴルフ場を経営されている会社をご紹介いただいたこともあり、ものすごく手厚くありがたいなと感じています。「国をあげてスタートアップ企業を盛り上げていこう!」という政府主導の動きもある中ですが、大きな銀行がスタートアップ企業に向き合っていこうとされているのを感じて頼もしかったです。
事業の本格開始前で口座開設も難しいかな、というタイミングでの申込でしたが、丁寧に話を聞いていただいたからこそ今があると思っています。事業の拡大とともに、相談事項も増えていくと思いますが、引き続き伴走いただけるとうれしいです。
- *エンゲージメントオフィス・・・中小企業のお客さまに伴走するリモート営業組織

———みずほ銀行が、御社の成長のそばにい続けられたらうれしいです。最後に、今後の展望をお聞かせください!
まずは、メイン商品の「BRULO」をもっと普及させていきたいです。足元はオンライン販売が中心ですが、街中の店舗や飲食店などで「BRULO」を目にするのが普通の世界ができ、見かけたり体験をした個人の方が、オンラインで買って日常の一部にしていただく、そんな風にもっと多くの方に商品の魅力を知ってもらいたいです。
会社としては、ノンアルコール飲料の選択肢を今後増やしていきたいというのがあるので、まだ日本では知られていない、別の商品の仕入れにチャレンジすることができたらいいなと思います。
機会があれば、ゼロからノンアルコールビールを作ってみたいという想いもありますが、今は最高に美味しい「BRULO」の魅力をまずは伝えていきたいです。