退職給付信託とは?メリットや活用方法をご紹介
掲載日:2018年5月30日財務資本戦略
- キャッシュポジションが良好な企業では、本業での活用のみならず、その他有効な活用手法を常に探求
- 一方で、マイナス金利の影響等により退職給付債務に対する積立不足が拡大している企業も増加
この様な状況が同時に発現している企業では、退職給付信託を活用することで解決できる可能性あり
退職給付信託の概要
現金等の資産を信託設定し、会計上の年金資産とすることができる信託スキーム
- 退職給付制度ごとに設定が可能。たとえば、退職一時金に設定の場合、退職金が「内部留保→外部積立」となり、支払原資の保全が可能
- 信託設定した資産から中長期的な運用益を享受しつつ、退職給付信託から退職金を支払うことや企業年金の掛け金を拠出することが可能
- 信託設定時、税法上の影響はなく、退職金として支払う場合や企業年金の掛け金に拠出するときに、損金算入が可能
- 株式等現物拠出と現金拠出の2タイプあり、タイプによって導入メリットに差異がある
導入のメリット
①退職給付会計上の積立不足の圧縮
(株式等現物搬出タイプと現金搬出タイプ共通の効果)
退職給付債務の未積立部分を上限に設定が可能
→ 設定額だけ積立不足が解消
②経営指標の改善(バランスシートのスリム化)
(株式等現物搬出タイプと現金搬出タイプ共通の効果)
設定額だけ資産・負債を相殺可能
→ 自己資本比率、ROA、D/Eレシオ等が改善
③人件費の削減
(現金拠出タイプのみの効果)
「設定額×期待運用収益率」について費用削減
→ 退職給付費用の削減を通じ営業利益を改善
- *本資料のご活用に際しましては、お客さまご自身の判断のもと、必ず弁護士、税理士、公認会計士等の専門家にご相談のうえ、お取り扱いください。また、本資料は2017年11月時点の法令等に基づき作成していますが、今後の法令改正等により変更となることがあります。
当初作成:2017年11月