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共働き世帯増加によりニーズが高まる、ベビーシッター・サービスの開業方法とは

掲載日:2020年3月5日創業関連情報

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保育所・託児所の市場規模は、少子高齢化時代にあっても核家族化、共働き世帯の増加などを背景として年々増大しております。2009年度の市場規模は1兆9,100億円でしたが、2017年度には3兆1,600億円(矢野経済研究所調べ)まで拡大しており、保育所・託児所と補完的な関係にあるベビーシッター・サービスも、堅調に推移している公算が大きいとみられています。
ベビーシッター・サービスは国内では、もともと家政婦、子守、お手伝いさんといったサービスに端を発してきました。こうした経緯もあり、地元に密着した中小零細業者、個人シッターが口コミや紹介ベースで、安定的に利用客を確保しているようです。一方、大都市圏を中心に展開する業界大手はネット予約による利便性、保育士・幼稚園教諭免許などの資格保有者を多く抱える信頼感、リーズナブルな価格設定などを前面に打ち出しシェア拡大を図っています。
2016年以後、公的保育施設の絶対数不足を背景とした待機児童問題の解消に向け、官公庁や自治体によって様々な対応策が講じられています。ベビーシッター・サービスも「保育所」ほどではありませんが、その恩恵を一部受けており、得られる各種助成金を活用しつつ、価格面のハードルを下げ、利用者を取り込み、固定客にすることが重要でしょう。
本稿では、ベビーシッター・サービスのビジネスモデル・開業方法について紹介します。

ビジネスの特徴

ベビーシッター・サービスは、保護者が不在の際、1~2名の個別保育を請負うもので利用者宅に訪問して行うケースが太宗です。複数の保育士のもと集団保育がなされる「保育所」と異なり、マンツーマンゆえにキメ細かい対応が可能である分、料金はやや割高に設定されています。
アルバイト、パートが主となるベビーシッターに対する時給は、経験や技能、資格保有有無などに応じて1,000~1,400円で変動しているようです。一方、利用客には支払時給の20%程度を手数料として上乗せして請求する仕組みが一般的です。したがって、案件多寡が手数料収入の増減にほぼ直結するビジネスモデルであり、いかに効率よく安定して業務をこなすかが重要です。

開業のタイプ

開業タイプは次の3タイプが挙げられます。

  • 派遣型
    既存客の紹介やチラシ広告などで集客し、指名なども考慮しつつ調整した上で、個別にベビーシッターを派遣する形態です。
  • マッチング型
    専用サイト、アプリなどを通じて利用客とベビーシッターを紐づけする形態をとっており、当日利用にも対応するなど、利用客の利便性が高いことが特徴です。
  • 他のサービス業者の参入型
    家事代行サービス、介護サービスなどを運営する業者が行っており、既存サービスの顧客基盤を擁している点に強みがあります。

開業のステップ

開業のステップ

必要な手続き

ベビーシッター・サービスを行う際は、2015年以後、全業者に対して都道府県に認可外の居宅訪問型保育事業として届出することが義務づけられています。その際、以下の資料の提出が必要です。

従業員等保育従事者が複数いる事業者の場合

  • 認可外保育施設設置届
  • 事業調書
  • 保育従事者に有資格者がいる場合は保育士証等の写し
  • 損害賠償責任保険に加入している場合は保険会社との契約書類
  • 事業パンフレット、しおり等

なお、万が一の事故に備え、ベビーシッター専門保険、業界団体(公社)全国保育サービス協会による総合保障制度といった賠償責任保険への法人加盟が望ましいでしょう。

メニュー・商品・スキルなど

通常業務に加え、近時は付加価値を与える様々なサービスが展開されています。具体的には、シッティングサービスに並行し家事代行も行うケースなどです。他にも、ベビーシッターが家庭教師的な側面を備え、英語にてサービスを行う業者もあるようです。また、託児する部屋にWebカメラを設置し、利用者が外からスマホでリアルタイムに状況確認ができるサービスなども人気を集めているようです。

ベビーシッター・サービスを行うにあたり、特別な資格保有の必要はありません。ただし、保育士、幼稚園教諭、看護師、助産婦などの資格を保有するベビーシッターは利用者から人気が高く、信頼感も高いのが実態のようです。また、(公社)全国保育サービス協会が付与する「認定ベビーシッター資格」は民間資格ですが、一定の技能、知識を裏付けるものであり、抱えるベビーシッターにその取得を勧める業者も多いようです。

収益化の視点

ベビーシッター・サービスは労働集約型の業種となるため、収益率はさほど高くはないでしょう。粗利益から経営者給与、事務所経費、保険負担、教育費用などを賄いますが、システム投資が嵩むマッチング型の開業でない限り、初期投下資本は比較的抑えられるでしょう。
増収が粗利益増に直結する手数料ビジネスである以上、売上拡大がまず求められるところであり、人脈、ネットワークなどを駆使し、いかに効率的に集客できるかが鍵となってくるといえるでしょう。

(本レポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–Net21」(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)内の記事「ベビーシッター・サービス」(https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/service43.html)を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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