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ソフトウェア開発業で起業するには

掲載日:2019年7月30日創業関連情報

キービジュアル

事業所数は停滞、売上は増加の傾向

経済産業省「特定サービス産業実態調査」によると、ソフトウェア開発業の事業所数は停滞(2014年は22,331事業所、 2017年は22,612事業所)、売上は増加の傾向にあります(2014年の12兆6,180億円から2017年の14兆1,100億円)。
事業所数が多いのは、資本金1,000万円以上5,000万円未満の規模の企業で、大企業が元請となり、資本金1,000万円クラスの企業が下請けとして受注しているケースが一般的のようです。

「攻めのIT投資」へのシフト

日本企業のIT投資は、業務効率化やコスト削減を主な目的とした、「守りのIT投資」の比率が大きく占めています。しかし、政府の成長戦略や企業競争のグローバル化の影響で、日本企業においても「攻めのIT投資」へのシフトが明白になってきています。この「攻めのIT投資」においては、以下のような先端IT技術の活用が鍵となるでしょう。また、ソフトウェア開発業においても、これら技術の保有がアドバンテージになると見られています。

  • ビッグデータ
  • IoT
  • AI
  • ロボット

深刻さを増す人手不足

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が国勢調査と企業アンケートを基に実施した推計では、IT人材は2019年をピークに供給減少が始まり、 2030年には約59万人が不足するとしています。人材獲得に関し不利な立場にある中小・小規模のソフトウェア開発事業者にとって、今後ますます人手不足が深刻さを増すと予想されます。

ソフトウェア開発業の特徴

中小・小規模のソフトウェア開発業の多くは、継続的な受注を獲得するために、顧客である元請またはユーザー企業との関係性強化に努めています。
一方で、多階層の業界構造の下層に甘んじていては、受注単価は低いままであり、下請けからの脱却や顧客に対する発言力強化につながる取り組みも重要になります。
また、請負契約で受注する場合、入金は成果物の納品後となります。開発期間が長期になればなるほど、入金までの運転資金確保も重要です。

ソフトウェア開発業の起業タイプ

ソフトウェア開発業で起業する場合、ターゲットとする分野の明確化が最も重要といわれています。

  1. (1)先端分野での起業
    これは、今後、IT投資の活発化が予想される先端分野をターゲットに、少数精鋭で起業するタイプです。担い手が少なく、顧客との価格交渉で優位に立てる可能性が高いでしょう。
  2. (2)既存分野での起業
    このタイプは、JavaやC#などの開発言語、会計システムや生産管理システムなどのシステムの種類、ウォーターフォール型やアジャイル型などの開発形態での経験をいかし、実績をもつ分野をターゲットとして起業するタイプになります。競合が多い分野は、価格競争か発生する可能性があります。

開業ステップと手続き

開業のステップ

先端分野での起業の場合、開業に向けてのステップは以下の7段階に分かれます。

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必要な手続き

ソフトウェア開発業を開業する際に、必要となる許認可は特にないようです。
自社のエンジニアが顧客の指揮命令下で働く場合は労働者派遣となり、その場合は一般労働者派遣事業の許可が必要となりますが、認定要件が厳しいため、起業時から一般労働者派遣事業を目指すのはあまり現実的ではないでしょう。
システムエンジニアリングサービス(SES)という、一般労働者派遣事業許可が無くても、技術者が顧客の現場で業務に就く契約形態もありますが、この場合は自社からの指揮命令が必要となります。それをせずに顧客の指揮命令下で技術者が働く場合、偽装請負となるので注意が必要です。

サービス・事業運営の工夫

自社が得意とする分野、実績(前職時代の実績も可)、それらを活かしたサービスメニューを、ウェブサイトや会社案内などで情報発信することは、差別化のために重要なことです。
また、技術者がソフトウェア開発業を起業する場合、営業力が弱い傾向にあります。そのため、前職の人脈は有望な潜在顧客になるでしょう。前職時代の人脈や、そこからの顧客の紹介なども活用して、営業を仕掛けていく工夫も重要です。
ソフトウェア開発は労働集約産業であるため、企業の成長には人材の増員が不可欠になります。昨今では、人手不足が深刻化する中で、優秀な人材を確保するためには、応募者に共感してもらえる企業理念・ビジョンの設定が重要になるでしょう。

有効なスキル

以下のスキルがあると、ソフトウェア開発業で起業するうえで有効といわれています。

  • 差別化できる技術力
    他社と差別化できる技術力を持ち、その強みをいかせるプロジェクトに参画することが、リピート受注には必要になります。
  • 精度の高い見積もり
    ソフトウェア開発は労働集約産業であるため、計画通りの人材投入が利益確保につながるでしょう。そのためには、精度の高い見積もりが重要です。
  • 契約知識
    契約において責任範囲を明確化することも重要です。商法以外にも、著作権法、個人情報保護法など、ソフトウェア開発に関連する法律知識も得ておくと良いでしょう。
  • マネジメント能力
    プロジェクトを計画通り遂行するためには、業務の進捗状況を管理するマネジメント力や、プロジェクトメンバーのやる気を引き出す指導力が求められます。
  • 人材の定着化
    人手不足が続くIT業界では、人材の流動性が高くなっています。そのため有能な人材の定着化を図るための取り組みが重要です。
  • 営業力
    技術には自信があっても、営業力が弱いケースが多く見受けられます。そのため、顧客のニーズを想定して、常に営業を仕掛ける姿勢が大切でしょう。

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–Net21」(http://j-net21.smrj.go.jp/)内の記事「ソフトウェア開発」(https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/it/it03.html)を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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