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“オンライン時代”のプレゼン成功術

掲載日:2022年8月1日生産性向上

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コロナ禍によって、リモート環境下での営業や打ち合わせが、今やあたり前となりました。相手の表情や反応を読み取りづらい中で、いかに製品やサービスの魅力、熱意を伝えられるかが、オンライン時代にビジネスを成功させるカギといえるでしょう。
本稿では、オンライン画面に表示されることを想定した資料作りや話し方など、オンラインでのプレゼンテーション手法について解説します。

対面にはないオンラインの「落とし穴」

リモートワークの普及に伴い、オンライン会議やウェビナーで、プレゼンテーションを行う機会が増えている企業は多いでしょう。

「対面でもオンラインでも話す内容は同じなのだから、大した違いはないだろう」と思う人もいるかもしれませんが、オンラインプレゼンには、対面のときにはなかった「落とし穴」が存在しています。

それは、対面に比べ、聞き手の集中力が持続しにくいということです。

聞き手は自宅やオフィスから参加しているため、基本的に画面に映っている範囲外での行動が自由で、簡単に注意を削がれ兼ねない環境だといえます。スマートフォンを見たり、他の作業を進めたりすることも可能でしょう。

また、オンラインではプレゼンターが一人で話し続け、聞き手はただ視聴するだけという一方通行な構図に陥りがちです。

対面では、プレゼンターが目の前にいる聞き手を意識しながら、身振り手振りを交えて、ときに呼びかけながら進行できるので、聞き手に耳を傾けてもらえるように仕向けることができます。
しかし、オンラインだとプレゼンターは聞き手の表情を確認しづらく、聞き手もプレゼンターの挙動を追いにくいこともあり、意識しないと双方向性が著しく失われてしまうでしょう。

加えて、環境によっては「画面が見づらい」「音が聞こえにくい」「通信が途切れている」など、聞き手が受け取る体験としてのクオリティが下がってしまうという事態が、往々にして見受けられます。
そうなれば当然、聞き手側の集中力が削がれてしまうものです。

以上のことから、オンラインプレゼンではその特性を意識し、対面以上に「どうしたら聞き手を飽きさせずに進行できるか」という点を考慮して、準備を進める必要があるでしょう。

聞き手が食いつく資料作成の5つのポイント

対面とは異なる対策が必要なオンラインプレゼンで、聞き手の集中力を持続させるためには、工程ごとに様々な工夫が必要になります。

まずは、プレゼンの内容と資料作成におけるポイントです。

1. 内容はシンプルに

画面の向こう側にいる聞き手は、注意散漫になりやすい状態にあるため、長々とした話は飽きられてしまいます。
加えて、対面と違い聞き手の手元には資料がなく、自身のペースで読むことができません。
具体例やデータは別途資料として送付するなど、プレゼンの内容はシンプルであるのが望ましいです。
プレゼンで一番伝えたいことを明確にして、それ以外の内容は極力省くようにしましょう。

2. 1スライド1メッセージ

「1スライド1メッセージ」はオンラインだけでなく、対面のプレゼンでも基本的なテクニックです。
メッセージを詰め込みすぎて文字やイラストだらけのスライドは、要点が分かりにくくてあまり読む気になりません。
これがノートパソコンやスマートフォンの画面上では、なおさらでしょう。
画面に情報が並びすぎると、聞き手の処理能力が追い付かず、内容を理解してもらえないこともあるかもしれません

3. 目次と章扉を挿入

プレゼンの冒頭に目次を入れることで、全体像を示すことは大変有効です。
聞き手が頭の中で項目を整理しながら話を聞けるように、全体の構成をまず示してあげてください。

また、章扉とは、章やテーマが変わるときにつけるスライドのことです。
聞き手側の立場になったときに、プレゼンがいつ終わるのかわからず、辛い経験をしたことがある人も少なくないでしょう。
そのような状況を避けるため、章扉スライドを挟み、聞き手に現在地を知らせることも大切です。
目次と同様に、聞き手の理解を助けることにもつながります。

4. 見えやすいフォント選びを

スライドの文字数はできるだけ少なくし、フォントの大きさは最小20ポイント以上で作成しましょう。
聞き手がもしスマートフォンで参加する場合、画質の問題もあり、20ポイント未満の文字は読みにくくなってしまうからです。
また、フォントは小さくても視認性の高いゴシック書体が良いでしょう。

5. 情報を効果的に見える化

文章だけのスライドでは分かりにくいので、数字を用いるときなどはグラフや図表を活用し、メッセージが伝わりやすいように工夫することも大切です。

また、画面に変化をつけるため、パワーポイントに簡単なアニメーションなどを設定し、スライドに動きを付与することも効果的でしょう。「フェード」や「アピール」など、シンプルな効果を加えるだけでも、聞き手を飽きさせない工夫となります。
ただし、やり過ぎると鬱陶しく感じることもありますから、注意しましょう。

内容が確定し、資料を作成できたら、次は配信環境を整えることも重要です。

オンライン環境は、一手間で大幅レベルアップ

オンラインプレゼンで話している間、プレゼンターの顔は常に聞き手に見られており、声は常に聴かれている状態になります。
カメラやマイクの性能は、聞き手が受け取るイメージに大きく影響すると考えてください。

カメラやマイクは、パソコンに内蔵されているものでも問題はありませんが、市販のカメラやマイクを用意すると、より高品質な映像や音声を提供できます。

カメラは一眼レフを使用できれば、格段にクオリティが向上しますが、これは値が張るでしょう。
廉価なウェブカメラでも、画角の自由が利くため、慣れた印象を与えることができます。

また、オンラインで意外と気になるのが、キーボードのタップ音です。
マイクを用意し、キーボードから距離を取ることで、耳障りなタップ音を軽減することにつながります。

可能であれば、照明はリングライトを設置することがベストです。
一灯あるだけで、顔の映りがとても華やかになります。

また、通信環境が悪いと、音声や映像の乱れなどでプレゼンの質が低下しかねません。
Wi–Fiを使うケースも多いと思いますが、可能ならば、インターネットに有線接続すべきでしょう。
高速かつ安定したネット環境を用意することで、通信不具合による大きなストレスを軽減できます。

なお、オンラインプレゼンで画面を表示する場合は、プレゼンに関係のないメールやチャットなどの通知を切っておくべきです。
通知音が鳴るだけならまだしも、内容が一部見えるタイプの通知が画面共有中のデスクトップに表示され、聞き手に見られてしまうと問題でしょう。最悪の場合、社外秘の重要な情報などが、見えてしまう恐れがあります。

プレゼンの質を高める話し方のコツ

さて、準備が完了したらいよいよプレゼン本番です。どのようなことに気を付けるべきでしょうか。

まず、話すときにはカメラ目線を意識しましょう。
気を付けないと、プレゼンターの視線は手元の資料や、画面の隅に表示されている聞き手の顔を向きがちになってしまいます。

もしカメラを見て話すことが不得手な場合、相手や自分の表示されたワイプを、カメラの真下に設定し、ワイプに向かって話す方法も良いでしょう。

聞き手からはほぼカメラを見ているように映りますし、自分は人に向かって話している気持ちになるので、目線が動きづらくなるのです。

また、カメラは目線の高さに置くように、下に台を置くなど調整してみてください。
少し見上げるような角度がベストです。

そして、肝心の話し方についてです。
オンラインプレゼンでは、対面時以上に、聞き手の視線を意識した話し方が重要と考えてください。

例えばスライドを切り替えたとき、聞き手が説明の該当箇所を見つけられず、スライド内を探し回ってしまうようでは、話に集中してもらうことができません。

スライドを切り替えるごとに、重要な項目であるタイトルとキーメッセージは「一字一句違わずに」読みあげることが重要です。
聞こえてくる内容と目で追っているスライドの項目が一致することで、聞き手は安心感を覚え、スムーズにプレゼンを聞くことができます。

同様に、スライド内で強調しているポイントも、口頭でも必ず説明しましょう。
「スライドで強調しているのだから、わざわざ話す必要はないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、画面を見つめる聞き手にとって、プレゼン画面は平面的に感じられるものなので、プレゼンターが意図するように重要性が伝わらないこともあるのです。

また、質問を交える「双方向」な展開も意識したい点です。
冒頭で述べたように、オンラインプレゼンでは一方的に話しかける傾向が強いため、聞き手は集中力を欠きやすいのです。

前述した「章扉」のタイミングで、「ここまでは理解いただけましたか?」「何かご質問はありますか?」などの問いかけをし、常にこちらに意識を集中してもらえるようにします。

最後に、聞き手が話に集中しやすくなるワンポイントアドバイスです。

プレゼン終了後に資料を渡す場合は、プレゼンの冒頭で「終了後に資料をお送りします」と知らせるようにしましょう。
資料をもらえるか、もらえないかによって、聞き手のメモの量が変わってくるからです。

資料がもらえないのであれば、メモの量が増えます。メモが増えるとプレゼンターの話に集中してくれません。
あらかじめ、プレゼン終了後に渡す旨を伝えておくことで、聞き手はメモが減り、プレゼンに集中することができます。

おわりに

対面と比べ、オンラインプレゼンはいわば聞き手全員が最前列に座っているようなものです。
オンラインプレゼン経験が少なければ、不安を覚えることもあるでしょう。

しかし、オンラインならではの特性を理解し、資料作り、機材や環境のセッティング、話し方の準備を入念に行うことで、リラックスした状態でプレゼンに臨むことができるはずです。
ご紹介したポイントを参考に、より質の高いオンラインプレゼンにつなげていただければと思います。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)
※上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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