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これからは経理もデジタル化!ニューノーマル時代の経理業務のあり方とは

掲載日:2021年2月17日生産性向上

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「業務のデジタル化」は以前にも増して注目されています。2020年は、新型コロナウイルスの猛威によりリモートワークへの移行も急増し、新しい働き方が定着し始めた過渡期でもありました。しかし、経理部門は「変わらず出社」するという企業が多かったのも事実です。
多くの業務がアナログからデジタルへシフトしているなか、経理業務はデジタル化することはできないのでしょうか。また、経理業務のデジタル化を実現するためには、どうすればよいのでしょうか。
本稿では、「デジタル経理」という視点で、これからの時代に求められる経理業務のあり方について考えてみます。

「業務をデジタル化する」とは

「業務をデジタル化する」とは、アナログ作業から、データを中心とした業務のやり方に変えることです。経理業務でいえば、様々な取引データを会計システムに取り込み、自動で仕訳したり資料を作成したりできる状態を指します。

コロナ禍で働き方を変えざるを得なくなり、多くの企業が業務のデジタル化に取り組んだことで、「アナログからのデジタル転換」を否定する人は少ないでしょう。
しかし、経理業務では、従来から会計処理や決算業務などの重要作業をアナログで行っている傾向があります。
領収書や請求書、納品書など、紙の書類も多く、それらを整理し仕訳入力するまでがすべて手作業であることが多いです。仕訳を手入力していると、入力ミスがないかチェックする作業が発生します。そのたびに紙に出力することも求められ、手作業が増えることはあっても減ることはないとの声もあります。
また、整理段階でExcelなどの一覧表に整理する場合も、そのデータは「会計システムに入力する際に閲覧する」ために利用する程度で、それ以上にデータを利用することがないケースが多いようです。結局、データのインプット作業に膨大な作業時間を費やすことになってしまい、経理業務の本業である分析・報告に時間を割くことが難しくなっているのが実態でしょう。

業務のやり方を様々なデータを活用する方法に変えると、「情報をインプットする」というアナログ作業がなくなります。手作業が発生しないため取り扱う情報の精度があがり、「適正な帳簿管理」という結果を誰でも簡単に得ることができる効果もあるでしょう。
さらに、デジタル化の範囲が広がれば広がるほどアナログ業務が減っていき、経理業務全体の生産性も上がります。

データをうまく活用しながら、紙やExcelを扱うことで発生するアナログ業務をなくす・・・それが、これから求められる「デジタル経理」の形だといえるかもしれません。

意外と簡単!?デジタル経理の実現方法

経理業務で取り扱う情報には、売上情報や仕入情報のほか、入金・支払情報、経費の情報、従業員の給与や賞与の情報、減価償却費などがあります。これらを手作業で仕訳入力をすると、相当の時間がかかるでしょう。
しかし最近は、こうした情報の多くはデータとして存在しています。支払予定表や経費精算表、売上管理表、小口現金管理表など多くの情報がExcelファイルで管理することができます。ある調査によると、業務で取り扱う情報の約90%が既に「データ」になっていたという結果もあります。
しかし、情報がデータとして存在していても、会計システムに取り込むためにCSV出力や手作業で加工・仕訳入力をしているのであれば、完全に「業務をデジタル化できている」とはいえません。

実は、経理業務のデジタル化が進まない問題は、「活用できるデータがない」ことではなく、このように「データを、データとして活かしきれていない」ことにあるのです。

経理業務でデジタル化を実現するには、「仕組み」と「進め方」が重要になります。
ここでは、それぞれのポイントについて紹介しましょう。

①「仕組み」を変える

デジタル経理には、まず「紙」を廃止し、「データ」で収集し自動で取り込める仕組みに変えることが重要です。といっても、専用のシステムやAI、RPAなど大がかりな設備は必要ありません。クラウドサービスを利用すれば、簡単に「データで収集し取り込める」仕組みに変えることができます。

クラウドサービスはインターネットに繋がりさえすれば利用でき、多様化する働き方、働く場所を問わず、いつでも社内データを取り込んで処理することができることが特徴です。

例えば仕訳入力に必要な金融機関の入出金については、インターネットバンキングからデータを自動で取得し、仕訳入力も自動で行い、振込手数料などの複合仕訳も自動化することがあげられます。
最近は、企業のキャッシュレス決済の利用も進んでおり、明細書を電子データで発行するサービスも定着しています。
このように、クラウドサービスという仕組みを最大限に活用して、社内外に存在するデータを簡単に収集し仕訳業務ができるようにすることが大切です。

②「進め方」を考える

経理業務をデジタル化する上で、「仕組み」と合わせて重要なのが「進め方」です。

デジタル経理のメリットは理解できても、新しい「仕組み」を取り入れるには不安がつきまとうものです。実際には大きく業務が変わることはなくても、急に一気にデジタル化を進めると業務プロセスに何らか影響するのではないか・・・と懸念を抱くこともあるでしょう。

もっとも大切なのは、「これまでの安心」と「これからの対応」の両立です。
円滑にデジタル化を進めるにも、いきなりすべての業務を移行するのではなく、「デジタル化したら効率が上がるかもしれない」と思われる業務から始め、徐々に切り替えることが重要です。
最終的には「人」が業務を行う以上、業務のやり方を従来のまま変えずにできる前提で、新しい業務のやり方を選択して取り入れる方法で、徐々に浸透させていくことが望ましいでしょう。
デジタル化する業務が広がるほど、生産性が向上するともいえ、1つの業務がデジタル化して、その精度や手軽さ、効果を実感することで、他の業務にも導入しやすくなります。
まずは気負わず、どれか1つの業務からでもデジタルシフトしていきましょう。

「1歩ずつ」「なるべく早く」始めた企業から経理が変わる!

2020年は、デジタル化が急速に進んだ1年になりました。省内の手続きや行政手続きにおける押印廃止など、行政自体もデジタル化に向けた「仕組み」の改変を始めています。また、2020年10月には、電子帳簿保存法が改正され、電子取引における要件が緩和されました。電子データの保存やスキャナ保存制度の要件緩和も拡大しており、リモートワークを進める企業にとって「経理担当者を在宅勤務にシフトできる」というメリットも高まっています。

ただし、先行してデジタル化を進めた企業の中には、「緊急事態宣言が発令されたからテレワークに切り替えなければならない」「書類の保管場所が少なくなったのでペーパーレス化したい」「深刻な人手不足解消のために業務を自動化したい」などの理由で始めた企業も少なくありません。デジタル化には、こうした「将来起こりうる不測の事態にも対応できる標準的な仕組み」であることも必要なのです。

世界では既に「デジタル化」が当たり前になっており、世界を相手に企業競争も激化しています。経理業務をデジタル化できれば、経営状況も瞬時に把握することができるようにもなり、激化する企業競争にも対抗できるタイムリーな経営判断が可能になるかもしれません。
対応するタイミングによっては、企業競争力に大きな差が出る可能性は大いにありますが、タイミングよりも「やるか」「やらないか」が一番大きな差となるともいえるでしょう。
本稿を参考に、デジタルシフトに“進化”していってはいかがでしょうか。

本コンテンツは株式会社オービックビジネスコンサルタントが運営するサイト「OBC360°(https://www.obc.co.jp/360)」内の記事「これからは経理もデジタル化!ニューノーマル時代の経理業務のあり方とは(https://www.obc.co.jp/360/list/post147)」を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

当初作成日:2020年12月15日

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