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PDCAサイクルを回すことで生産性を高める

掲載日:2020年11月24日生産性向上

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企業活動において、改善を定着させ、生産性を向上させるにはPDCAが欠かせません。PDCAは言葉としては既によく知られています。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字を集めた言葉で、計画して実行したものについて効果を確認し、より高いレベルで次の行動につなげていく一連の取り組みを指します。ほかにもPDS(Plan、Do、See=観察)などいくつかの概念がありますが、「実行して、検証して、次に生かす」という動きのループが出来上がっている点では共通しています。
仕事におけるPDCAサイクルの重要性について異論のある人はあまりいないでしょう。しかし、特に中小企業ではこうしたサイクルが機能していないケースが多いかもしれません。本稿では、PDCAサイクルを機能させるポイントについて紹介します。

具体的な計画で実行率を高め、次に生かす

PDCAサイクルを回すコツは、次の4点です。

  1. 1.まずは動き出すことが大事です。最初の目標は低くて良いのです。
  2. 2.実行の確認と、中身の評価は別で考えましょう。
  3. 3.実行率を高める施策、負担を軽減する手を打ちましょう。
  4. 4.「悲観的にP、楽観的にD」の意識を持つことです。

1. まずは動き出すことが大事です。最初の目標は低くて良いのです。

全く実行されていない状況からスタートするのであれば、まずは、何かしらの行動が行われることを目標にするべきでしょう。ここではあえて、難易度の低い事例で紹介します。
例えば、特定の書類の未提出が頻発して困っている企業であれば、最初は完全な提出の実現を計画します。ポイントは、提出の方法や時期を具体的に定めることです。例えば、「書類は締切日までに提出する」では曖昧さが残ります。「毎月最終営業日の午後5時までに直属の上司に提出」と、解釈の余地を残さない表現で計画を明文化する必要があるといえます。

2. 実行の確認と、中身の評価は別で考えましょう

計画が定まったら、次は実行段階に移ります。その達成具合を確認するわけですが、ここで大事なのは、実行の有無と内容の評価を分離する姿勢です。
このケースでは、提出タイミングと出す相手が明示されているのみなので、この作業が実行されたかどうかを確認しましょう。書類が提出されていれば、計画は達成といえるかもしれません。
ところが実際は、「出してはいるけれど、書式や内容がおかしい」などと、計画になかった点について指摘し、計画をきちんと実行した点を評価しない、といった事態が起きてしまします。こうした対応を取りたくなる経営者の気持ちは分かるのですが、いったんはこらえて、まずは計画が達成されたかどうかのみを評価するように意識すると良いでしょう。

3. 実行率を高める施策、負担を軽減する手を打ちましょう

計画の達成具合を確認したら、より高い次元をめざして次のAにつなげることが大切です。
ここで初めて提出された書類の内容をチェックして評価するのです。そこから「計画に抜けがあったから、この項目を書類に追加しよう」「そもそも提出書式が複雑で記入に時間がかかっているから、簡素化しよう」といった改善案が出てくるはずです。この際にもPと同様、実行に関する難易度を考慮して設計しなければ、実行率が低下することに留意しましょう。

4. 「悲観的にP、楽観的にD」の意識を持つことです

うまく機能させるコツに、「悲観的にP、楽観的にD」という言葉をあげる経営者がいます。
「悲観的に」という言葉には、複数の捉え方があるでしょう。市場成長性などを過大に評価せず、「よっぽどの想定外の事態が起きなければこの見通しを下回ることはないだろう」と前提条件を低めに想定したり、「指示したらこれくらいはやるだろう」ではなく「ここまで計画に盛り込まないと、解釈に困るかもしれない」と計画に具体性を持たせたりといった具合です。
ここで示した事例でも、そもそも書類の未提出の改善という課題なので、「ただ指示しただけでは提出率はあがらない。提出率を高めるための具体的な計画を立てる」という悲観的な見通しに基づいているといえます。
そして、実際に行動に移ったら、楽観的に考えることが事態を前に進めるコツです。計画段階とは違い、「まずはやってみる」ことを重視し、精度を気にしすぎて実行に移せない状況に陥らないようにすることです。そのためには、楽観的に臨む姿勢が大事になるでしょう。その結果、課題が見つかれば、しっかりと検証して次の行動につなげれば良いのです。

おわりに

PDCAサイクルについては、意味を理解していても、経営に活用できている企業は多くないかもしれません。
しかし、PDCAサイクルをきちんと機能させられれば、社内にノウハウがたまり、スピードは遅くとも着実に改善していくものです。
上記ポイントを踏まえて、PDCAサイクルの活用を行ってみてはいかがでしょうか。

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–net21(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)」内の記事「PDCAサイクルを回すことで生産性を高める(https://j-net21.smrj.go.jp/handbook/productivity/pdca.html)」を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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