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在宅勤務やテレワーク実現に向けて業務・管理面で取り組むべきこと

掲載日:2020年10月19日 生産性向上

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最近、在宅勤務やテレワークの導入の検討を進める企業が多いようです。
在宅勤務やテレワークは業務効率化に繋がる面もありますが、ただ制度を導入すれば良いという訳ではありません。
実際に導入しても、「業務・管理面においてどのように対応するべきか」という点が課題になるケースがあります。
本稿では、新たな働き方として広がりを見せている在宅勤務やテレワークについて、業務・管理面で取り組むべきポイントを考えていきます。

在宅勤務やテレワークで露見した課題

2020年4月のある調査によると、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として在宅勤務やテレワークを推奨していた企業は過半数を超えていましたが、実際に在宅勤務やテレワークを実施できた人は3割程度で、また、「(実施)意思はあるものの、まだ実施に至っていない」という人も一定数いたようです。
さらに、在宅勤務やテレワークの業務上、課題になっている、もしくは課題になると思う要因については、どうしても出社せざるを得ない業務が多いことが見受けられました。
特に、総務人事部門においては、個人情報を取り扱うことも多いため、実施できる端末に制限があったり機密情報を取り扱う業務があったりして、なかなか在宅勤務やテレワークに適した体制をとることが難しい側面もあるようです。
在宅勤務やテレワークを導入した企業には「取り組み方がわからない」という声もあるようですが、これは改めて従来の業務体制や就業規則を見直す良いきっかけとなるかもしれません。
新たに見えてきた課題を基にして、在宅勤務やテレワークに適したルールを整備する必要があるといえそうです。

在宅勤務やテレワークに合った「業務体制」と「人事労務管理」

在宅勤務やテレワークを効果的に運用するためには、以下の2つのポイントに重点をおいて、働く環境の整備を進めると良いでしょう。

1. 在宅勤務やテレワークを前提にした業務の見直し

在宅勤務やテレワークを導入するには、リモートに適したインターネット環境、強固なセキュリティ、クラウドサービスに代表されるリモート対応のシステムを整備する必要があります。しかし、それだけで「業務が遂行できる」ものではありません。
前述のように、「出社せざるを得ない」といった業務そのものが在宅勤務やテレワークに適していないことが問題となるケースがあるからです。
例えば、「在宅勤務やテレワークを行いたくてもできなかった」要因の一つに、「書類は紙ベースで管理し、印鑑決済型フローのため、出勤を要する」というものがあります。
タイムカードなどでの勤怠管理、給与明細発行から配付、年末調整の手続き、従業員からの各種申告書の手続き対応など、紙の書類で行っている業務は多く存在します。こうした業務を思い切ってペーパーレス化するだけでも、在宅勤務やテレワークが可能になり、業務上のやりとりが簡易かつスピーディーになっていくかもしれません。
また、本当に人がやるべき業務なのか…つまり、システムなどで自動化できないか、ということも検討する事も効果的でしょう。
今や、RPAやAI、IoTといった最新テクノロジーを活かしたクラウドサービスは、市場に多く提供されています。基幹システムをクラウドサービスに切り替えるだけでも、自動化できる業務が増え、わざわざ出社しなくて済むようになり、さらには業務効率化の足がかりにもなります。

2. 在宅勤務/テレワークに即した人事労務管理

在宅勤務やテレワークの実施にあたっては、人事労務管理面においても、これまでの概念では想定もしなかった問題が多く発生しやすくなります。そのため、在宅勤務やテレワークに適した新しい「仕事のルール」や「マネジメント方法」などの設計・運用も必要になってくるでしょう。
これからの人事労務管理については、以下の3つの点についてルールを設定すると良いでしょう。

・勤怠(労働時間)管理

企業には、従業員の労働時間を把握・管理する義務があります。在宅勤務やテレワークにおいても、従来の労働時間制度に基づき適正に把握しなければなりません。

しかし、在宅勤務やテレワークでは、社内勤務のように始業、終業、休憩時間を把握することが難しくなります。中にはカメラで自宅の作業場を常に監視している企業もあるそうですが、監視行為自体が非生産的であり、パワーハラスメントにも抵触する可能性があるうえ、従業員のモチベーション低下につながりかねません。
労働時間制の設定や休憩時間の取り扱い、時間外労働、休日労働といった勤務時間の管理方法を充分検討し、始業・終業時間や勤務申請・承認など在宅勤務やテレワーク下での勤怠ルールを定め、適切な労働時間管理ができるようにしましょう。

・人事評価基準

人事評価の主な項目には「業績評価」(成果やそのプロセス)・「能力評価」(業務に生かせる技術や知識)・「情意評価」(規律性や責任感、モチベーション、態度など)があります。特に業績評価は、職性や業務内容などによって「プロセス重視」「成果重視」というように基準に違いが生じることがあります。
しかし、在宅勤務やテレワークでは出社頻度が下がり、上司と部下が対面し関われる時間がとりにくくなるため、プロセス重視型など従来の評価基準では評価しづらくなります。
適正に評価が行われないと、従業員のモチベーション維持や生産性にも影響が出かねません。
在宅勤務やテレワークにおいても適正かつ公正な人事評価ができるよう、評価基準を見直す必要があるといえます。

・マネジメント

在宅勤務やテレワークでは、マネジメントの方法も見直すと良いでしょう。
「顔を合わせず、集まらず」の在宅勤務やテレワーク環境では、業務の進捗確認、チームでの協業状況、部下の体調管理などが難しくなるという管理者の声もあるようです。
在宅勤務やテレワーク時代のマネジメントは、管理職レベルが工夫して乗り切れるものではありません。管理職とともに、全社課題として「従業員のモチベーションを保つ適度な強制力」と「コミュニケーション頻度とのバランスを取るマネジメント」を検討する必要があるでしょう。

おわりに

在宅勤務やテレワークの導入の際には、従業員が働きやすく、その生活や健康を守るために必要な組織、体制を整える必要があります。
とはいえ、手探りで対応していくことはありません。業務体制にしても人事労務管理のあり方にしても、クラウドサービスを始めとする多くのシステムが在宅勤務やテレワークに適した環境整備のためのソリューションとして役立ちます。このようなサービスをうまく活用して、「在宅勤務やテレワークを主体とする業務スタイルへの切り替え」を進めることが有効だといえるでしょう。また、従来の「出社ありき」の業務スタイルを在宅勤務やテレワークに切り替えることで、企業は有能な人材を確保・維持することが可能になるかもしれません。
本稿を機に、業務や人事労務管理のスタイルを見直し、在宅勤務やテレワークの効果的な運用を実現しましょう。

本コンテンツは株式会社オービックビジネスコンサルタントが運営するサイト「OBC360°(https://www.obc.co.jp/360)」内の記事「在宅勤務/テレワーク実現に向けて、総務人事部門が取り組むべきこと(https://www.obc.co.jp/360/list/post126)」を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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