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クラウド会計システムの比較ポイントとは?自社にあったシステムの見つけ方

掲載日:2020年9月7日生産性向上

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前回、クラウド会計を導入することのメリットをお伝えしました。

ただ、市場にはたくさんのクラウド会計システムが展開されているため、「どれが一番自社に適した製品か分からない」と感じている経営者も多いのではないでしょうか。実際、選び方が分からずコストのみを優先してしまい、せっかく導入したのに「思ったように使えない」「既存のシステムと連携ができない」などの不具合を感じているという声もあります。
本稿では、自社に合ったクラウド会計システム製品を見つけるポイントをお伝えします。

自社に合うシステムを探す際に着目すべき5つの業務

クラウド会計システムを選ぶ際には、「現行の業務のやり方を変えなくていい」というポイントは外してはいけません。

その上で、数社のサービスから1つを絞るには、「業務の効率化がどう実現できるのか」という点について、各社の機能・性能を比較しながら自社にとって必要かどうかを検討すると良いでしょう。
その際、特にどの企業でも非効率になりやすい以下の5つの業務に注目してみましょう。

1 入出金の仕訳業務

入出金の仕訳業務でもっとも時間を取られるのが、金融機関等の入出金情報の起票でしょう。クラウド会計システムであれば、API連携によって金融機関の入出金明細データを自動で取り込めるので、手入力しなくても起票ができます。
とても便利な機能ではありますが、どのサービスでもこの機能が役立つとは限りません。
ベンダーによっては、連携可能な金融機関や対象口座が限定されていることがあるからです。どのベンダーでも、連携可能な金融機関は徐々に拡大されていますが、導入時点で連携されていなければ、これまで通り「通帳記帳などで取引状況を確認して仕訳入力、チェック」という作業はなくなりません。
どのサービスが自社に適しているかを見極めるには、自社の取引金融機関と連携できるかどうか確認することを忘れないようにしましょう。
また、入出金の仕訳作業をしていると、通帳残高とシステム上の残高が不一致になることがあります。クラウド会計システムを選ぶ際には、この「不一致」を早期に発見・対処できるような「仕組み」が備わっていることもチェックしておきましょう。アラート機能や原因追及が簡単に行える機能があると、業務の手間も省けその後の作業も効率アップが図れます。

2 請求書の入力業務・支払い業務

多くの場合、仕入先からの請求書は、通常「支払先」「金額」「支払い方法」「支払期限」などをとりまとめ、Excelで一覧化していることが多いでしょう。一覧表にまとめるだけでも、ミスがないように厳重なチェックが求められる上、できた一覧表を見ながら仕入先ごとに仕訳伝票を入力して、さらに入力ミスがないかチェックして・・・と、時間を要する作業が伴いがちです。
クラウド会計システムを選ぶ際は、そうした手入力の業務がどの程度「減る」または「なくなる」のか確認しましょう。

3 経費精算業務

毎日発生する伝票には、経費精算も多いことでしょう。接待等で発生した伝票であれば、参加人数や取引先の会社名など明細を確認する必要もあります。
クラウド会計システムを選ぶときには、こうした経費精算がどのように効率化できるのかを確認しておくことも大事です。
最近では、電子帳簿保存法を受け、領収書を取り込んで起票ができるクラウドサービスも増えています。取引明細や利用用途は画面上で確認することができるので、紙の領収書でのやり取りが不要になります。
このような電子化による効率化を図りたい場合は、領収書データから起票する方法やタイムスタンプの付与など基本的な機能が備わっているかを確認しておきましょう。

4 専門家との連携業務

クラウドサービスでは、税理士にライセンスを付与すれば、クラウド上にあるデータを同時に閲覧することができるようになります。すべてクラウド上でやり取りできるので、税理士チェックの際にバックアップデータを準備する時間が削減できます。
ただし情報共有するためには、あくまで「税理士にもライセンスを付与する」必要があります。契約時には、税理士分も含めたライセンス数で契約することを忘れないようにしなければなりません。

5 決算・消費税申告

一年の締めくくりとして行われる決算では、日々つけてきた帳簿のデータをもとにさまざまな書類を作成しなければなりません。
しかし、対応可能な範囲はサービスによって異なります。例えば、税務申告書作成ソフトと連携すれば自動で申告書を作成できるものもあれば、単独で申告書を作成するタイプのものもあります。

おわりに

クラウド会計システムは、導入のしやすさから価格重視になりやすく、安価なものを選びがちです。しかし、価格は顧客ニーズに合わせたサービス内容で設定されており、自社の業務に本当に合ったものを選ばないと「安いだけで使いにくい」ということにもなりかねません。
クラウド会計システム選びでは、「何のために」導入するかという目的を忘れてはいけません。現状の「業務のムダ」がどこに出ているのかしっかり把握し、自社の経理業務を効率化するための必要な機能が備わっているかどうかを、「製品の機能」と「得られる結果」で比較検討し、自社に最適なシステムを見つけましょう。

低コストで簡単に導入できるとはいえ、継続して使うシステムである以上、長く使い続けられることは大切な要素です。できるだけ契約前に使い心地を確認して、自社の業務に適したクラウド会計システムを選びましょう。

本コンテンツは株式会社オービックビジネスコンサルタントが運営するサイト「OBC360°(https://www.obc.co.jp/360)」内の記事「クラウド会計システムの比較ポイントとは?導入メリットと自社にあったシステムの見つけ方(2020年版)(https://www.obc.co.jp/360/list/post122)」を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

当初作成日:2020年6月30日

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