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コストが安く入金も早い「キャッシュレス決済」活用術

掲載日:2020年8月24日生産性向上

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「初期費用や維持費が高そう」「入金が遅くなるのは困る」……。そんな心配から、キャッシュレス決済の導入を見送ってきた中小企業や個人事業主も多いのではないでしょうか。しかし状況は大きく変わりつつあり、キャッシュレス決済は、手間もコストも少なく、業務効率化や売上増にも役立つようになっているようです。

本稿では、「キャッシュレス決済」の導入と活用についてお伝えします。

モバイル決済なら導入コストも維持費も安い

新型コロナウイルス感染防止の一環として、手渡しでお金のやり取りをする現金取引対応から、「キャッシュレス決済」へという動きがあります。
しかし、このキャッシュレス決済。まだ、導入していない飲食店や小売店も数多くあり、キャッシュレス対応が十分に進んでいるとはいえないでしょう。

しばらく前まで、キャッシュレス決済といえば、クレジットカードが主流で、導入するにはまとまった初期費用が必要、かつ、維持費もかかっていました。その上、決済手数料も高いので、導入が難しい面があったのです。

しかし、最近ではモバイル決済の普及によって、導入時のハードルがなくなりつつあります。最大の違いは、決済端末にスマートフォンやタブレットが利用できるということです。
これまでは、据え置き型の専用端末を用意しなければならなかったため、初期費用がかさんでいましたが、モバイル決済では、iPhoneやiPadなどに小型の端末を接続するだけで利用できるようになっています。

また、以前は、クレジットカードや電子マネーなど、決済手段ごとに専用端末を操作する必要があったため、従業員が操作方法を覚えるのも負担でしたが、すべてを同じ端末で使えるモバイル決済ならば、その手間を軽減させながら、レジ周りもすっきり整理できるでしょう。

さらに、モバイル決済は、契約開始後にiPhoneやiPadにアプリをダウンロードするだけで利用できますので、ランニングコストも安いといわれています。また、新しい機能が追加された際にも、アプリをアップデートするだけですので、端末を買い替えるといった手間もコストも必要ありません。

ただしモバイル決済も、登場した当初はデメリットがありました。たとえば、レシートが出しにくい点です。専用端末であれば、プリンターが内蔵されているので、その場でレシートを出力できましたが、iPadなどの端末にはプリンターが付属されていないため、レシートを出力するには、プリンターを接続しなければならなかったのです。

しかし、最新のモバイル決済では、レシートをメールで送信することや、Bluetooth対応プリンターで出力することが可能になったので、端末にプリンターを接続する必要もなくなっているようです。

現金の確認や売上集計が不要になるキャッシュレス決済

人手不足が深刻になる中、キャッシュレス決済は、業務効率化にも役立つといわれています。
たとえば、現金決済をしていると、日々、レジの現金残高を確認して売上を集計しなければなりませんが、営業時間終了後に毎日欠かさず作業するのは負担が大きく、ストレスの原因にもなっていたようです。なんと、ある調査結果では、店舗レジの現金残高確認や売上集計作業に、1日平均3時間程度かかっているというデータもあります。

キャッシュレス決済なら、そもそも現金が介在しませんので残高確認は不要、売上はデジタルデータとして保存されていますので、自動的に集計もしてくれます。さらに、売上票のデータを会計ソフトと連携させれば、経理作業など間接的な手間を減らすことも可能です。

また、これまでのクレジットカード決済では、決済端末から出力された売上票を「売上票保管センター」に送付しなければならず、手間がかかっていましたが、モバイル決済の売上票はデジタルで保存されていまので、こういった送付の必要もありません。

キャッシュレス決済には、顧客データの漏洩といったセキュリティ問題が付きまとうと思われていますが、その対策も進みつつあります。
クレジットカードでは、不正にカードを複製する「スキミング」被害が起こりやすかったため、磁気カードから偽造しにくいICチップ対応へと移行していますが、モバイル決済でも、スマートフォンやタブレット端末に接続する決済端末のICチップへの対応が進み、お客さまが安心してキャッシュレス決済が利用できるようになっているようです。

一方で、キャッシュレス決済の導入を躊躇する理由には、入金のタイミングの問題もありました。クレジットカードで決済すると、売上確定処理をした翌月末に入金されるのが一般的ですので、売上と入金に1~2ヵ月のタイムラグが生まれてしまい、資金繰りに影響を及ぼすことになります。これは、日々、仕入れが発生する飲食店や小売店には大きな問題なのです。

ただ、最近のモバイル決済では、この点も改善されているようです。入金サイクルは、モバイル決済ごとに違いますが、最短で翌日、遅くても5日おきに売上金が振り込まれるようになってきていますので、飲食店や小売店にとっても、もはや現金感覚で活用できるといっても過言ではないかもしれません。

売上アップに貢献する“キャッシュレス決済”のメリットとは?

また、キャッシュレス決済の導入は、あらたな顧客を創出していくことにも役立つといわれています。つまり、売上アップにつながるということです。
経済産業省が実施した「キャッシュレス・消費者還元事業」や各社が展開するキャンペーンによって、キャッシュレス決済を志向する生活者が、日々、増えています。これらの生活者を、新しい顧客として取り込めれば、売上アップにつながるでしょう。

もちろん、欧米に比べると日本では、まだまだキャッシュレス決済が浸透していない状態といえます。ただし、現金以外の支払い方法を志向する生活者は、これからも確実に増えていくでしょうし、インバウンド需要が戻れば、外国人観光客もターゲットになります。
お客さまにとっては、希望する方法で支払いができるかということも、飲食店や小売店を選択するポイントになりますので、キャッシュレス決済の導入は、新規顧客獲得はもちろん、リピーターを生んでいくチャンスにもなるかもしれません。

さらには、キャッシュレス決済によって蓄積された売上データは、マーケティングにも利用できそうです。たとえば、曜日や時間帯によって売上に変化があれば、売上が増えるタイミングに在庫を多めに確保することで、機会損失を減らすことができるかもしれません。
従って、キャッシュレス決済の導入は、売上アップのための経営戦略立案にも役立っていくといえるのです。

このように、キャッシュレス決済は、様々な可能性を秘めているといえます。
低コストで導入でき、効率化、売上アップにつながるようになった今こそ、検討のチャンスといえるのではないでしょうか。

(記事提供元/株式会社プレジデント社 企画編集部)

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