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企業の生産性アップ?「生産性向上支援訓練」とは

掲載日:2020年1月29日生産性向上

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働き方改革や少子高齢化が進み、今後一層、労働力不足が深刻化することが予想されている状況下、企業が継続的に事業を維持・拡大していくためには労働力不足を補う生産性の向上が必要と考えられています。
そのような中で注目したいのが、厚生労働省所管の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が支援メニューとして提供している「生産性向上支援訓練」です。
本稿では労働生産性が低い日本の状況を打破する一助となることも期待される「生産性向上支援訓練」について紹介します。

生産性向上支援訓練とは?どのような内容なのか?

生産性向上支援訓練とは企業や事業主団体を支援するための職業訓練であり、企業側が受講の申込を行い、従業員が受講するというものです。受講企業に合わせて訓練内容がカスタマイズされ、専門知識を持つ民間企業などが委託される形で訓練を担います。

具体的には、生産管理、品質管理、原価管理、物流、IoT、マーケティングなどを学ぶカリキュラムが用意されているほか、受講対象者の職務階層に合わせてコースを決めることもでき、希望すれば自社の会議室まで講師に来てもらうことも可能です。

また、この訓練を受けている時間に対しても企業は労働者に賃金を支払う必要がありますが、国が賃金の一部を助成することで、企業側の負担が減るよう工夫されています。

「オーダーメイド」の訓練内容、成果が出やすく

この訓練制度を実際に活用している企業は、従業員数が10人規模から700人規模の会社まで様々あり、業種は製造業や小売業、養鶏業、美容業、葬祭業、印刷業、障害者支援事業などと多岐にわたっています。

この制度の活用事例集から、実際に行われた支援訓練を紹介します。

美容院を営む従業員が10人規模のとある企業では、従業員の売上に関する意識が低いことを経営課題と捉え、訓練コースの一つである「マーケティング志向の営業活動の分析と改善」をカスタマイズした内容で訓練を実施しました。
その結果、顧客満足度(顧客定着化)を高める上で重要である、カウンセリングに対する従業員の姿勢が積極的になったり、コスト管理に対する意識が従業員の中で高まったなどといった成果がみられたようです。

また、塗装業などを営む従業員70人規模のとある企業では、世代間格差によって職場の一体感が薄れていることで作業効率が低下していることを経営課題と捉え、「組織力強化のための管理」コースを初任層・中間層・マネージャー層それぞれで実施しました。
その結果、日々の業務の効率化・正確さ、品質向上には、周囲との連携が重要であることを社員一人ひとりが理解し、社員同士のコミュニケーションが活発になり、世代を超えて企業としてのまとまりが出てきたとのことです。

こうした事例からも見てとれるように、「オーダーメイド」の訓練内容を展開することで各企業の課題解決につながりやすく、成果も感じやすいようです。注意点としては、訓練内容がニッチな場合は講師の選定に時間が掛かることがあることが挙げられ、早めの相談が推奨されます。

労働生産性が低い日本、先進7カ国で最下位

経済協力開発機構(OECD)のデータによれば、2017年における日本の労働生産性は加盟36ヵ国中20位となっており、主要先進7ヵ国のなかでは最下位の状況が続いています。

具体的には、日本の就業1時間の労働生産性は47.5ドルで、OECDの平均値である53.5ドルを下回っており、首位のアイルランドの97.5ドルと比べると2倍以上の差をつけられています。
製造業が盛んであり、産業構造で日本と類似性があると言われるドイツは、長時間労働が評価されない意識が日本より高いとされ、労働生産性は1時間あたり69.8ドルと日本を大きく上回っています。

企業は目を背けずに積極的な取り組みを

生産性の向上は様々な課題の解決に結びつきます。また、労働者不足で事業環境の厳しさが増すなか、企業が決して目を背けてはいけないテーマです。
本稿で紹介した生産性向上支援訓練などの活用を通じ、生産性向上に向けた取組を主体的且つ、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。
(記事提供元:株式会社ZUU)

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