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再確認! 新入社員「受け入れのキホン」

掲載日:2023年3月1日人材戦略

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4月は新卒・中途ともに新入社員が増えるタイミングです。 人事は様々な業務に追われ多忙を極める時期ですが、受け入れ体制が不十分だと新入社員は不安を抱えてしまい、最悪、早期退職につながってしまいかねません。

本稿では、今一度、チェック項目の方式で人事が確認すべき「受け入れのキホン」を総ざらいしましょう。

必要な備品は揃っているか

新入社員を迎え入れるにあたって大事なことは、「入社を歓迎している」という姿勢です。
その第一歩は、物理的な準備をしっかりしておくこと。
目に見える設備の充実で、新入社員は「受け入れてもらっている」と実感することができます。
スムーズに業務ができるように、改めて以下の備品項目に漏れがないかをチェックしておきましょう。

  • デスク・椅子
  • パソコンおよびネットワーク環境
  • 社内イントラネット、クラウドサービス等のアカウント
  • メールアドレス
  • 業務用の携帯電話
  • 名刺
  • 社員証・社章
  • 個人用ロッカー
  • 文房具等の消耗品
  • 制服(必要な場合)

書類の用意はできているか

次に事務手続き上、欠かせないのが各種資料の用意です。
企業側が用意するもの、新入社員に提出してもらうもの等、業態や企業によって様々なので、自社に必要な書類を確認しておきましょう。

【企業が用意する書類】

トラブルを避けるために必要とされる書類です。
中でも「労働条件通知書」は、法律で交付する義務が定められているので忘れずにご準備ください。
2019年4月からは電子化することが可能になりましたが、いずれにせよ交付されない場合は違法になります。

  • 労働条件通知書
  • 雇用契約書
  • 入社誓約書

【新入社員から受け取る書類等の準備】

「年金手帳」は厚生年金の加入手続きに不可欠です。
その他は、企業により必要なものを用意すると良いでしょう。

  • 年金手帳
  • 給与の振込先を記した書類(企業指定の口座がない場合等)
  • 住民票記載事項証明書(労働者名簿作成のため等)
  • 身元保証書(新入社員本人と連絡が取れなくなった際の、緊急連絡先の確認のため等)
  • 健康診断書(雇入れ直後に企業で健康診断を実施しない場合等)
  • マイナンバーが記載された書類(雇用保険や社会保険、年末調整等の手続きのため等)
  • 通勤手当支給申請書(新入社員に通勤手当を受け取る資格がある場合等)
  • 最終学校卒業証明書(新入社員の学歴確認のため等)
  • 資格免許証(業務の遂行に必要な資格がある場合等)
  • 秘密保持に関する誓約書(自社が持つ秘密の情報を不正に漏洩、利用させないため等)

【企業が用意し、外部に提出する書類】

行政機関等に提出が必要な書類は、提出期限を過ぎると余計な業務が増えるだけでなく、社員の生活にも影響を与えてしまいうので注意が必要です。

  • 健康保険・厚生年金被保険者資格取得届(提出期限は雇用開始から5日以内)
  • 雇用保険被保険者資格取得届(提出期限は雇用した月の翌月10日まで)

「全社で新入社員を歓迎する」心構えを

モノの準備が揃ったら、次は受け入れ体制の準備です。
人事だけでなく、会社全体で歓迎する心構えを持っていることが大切なので、以下のことに留意して、人事側から各部門に広報しておくと良いでしょう。

  • 職場全体で育てる意識を持つ

    会社に新入社員が入ったものの、「自分の部署には新人が配属されない」という場合もあります。
    そこで社員が「自分には関係ない」と思ってしまえば、組織にとってマイナスです。
    部門に関係なく、新人のことを気に掛けるようにして、不安を和らげてあげることが大切といえます。
    仕事面は育成担当者に任せるとしても、例えば新卒が相手ならば社会人生活のイロハをさりげなく伝える等、全社で育てる意識を持っていれば、新入社員は馴染みやすく感じることでしょう。
  • 新入社員の個性や特性を理解する

    一口に新入社員といっても、当然のことながら、それぞれ個性や特性があります。
    一律教育も大切ですが、その人に合った接し方をすることで「自分のことを認めてもらっている」と感じやすくなるのです。
    しかし、すぐに相手の個性を知ることは難しく、一緒に時間を過ごし、会話を増やす等の内に見えてくるものです。
    ランチやコーヒーブレイクに誘う、リモート中心の勤務である場合は業務外にオンラインで雑談を話す機会を設ける等、できるだけ新入社員との接点を増やしましょう。
    人事が事前に社内イントラネット等で、写真付きで新人を紹介しておくことも一案です。
  • 育成スキル・ノウハウを身に付けておく

    実際に教育するにあたり、受け入れ側が育成の基本を身に付けておかないと、新人はとまどうばかりか、先輩社員を信頼しなくなってしまいます。
    そんな事態を避けるためにも、育成スキル・ノウハウを磨いておく必要があるでしょう。

人事側が育成側に向けて研修を行うことが近道ですが、各現場においても意識してもらうよう促します。
以下のポイントは新入社員育成時だけでなく、日常的な業務においても必要なスキルなので、この機会にしっかり身に付けておけば組織全体の成長につながるはずです。

ポイント1. 相手の話をしっかり聴く「傾聴」

ポイント2. 相手を認める「承認」

ポイント3. 相手に考えさせるような「質問」

育成プランを再確認する

新入社員の教育や研修は、人事部サイドで行うものと、現場で行うものとの大きく2種類があります。
それらを自社でプランニングするのか、外部の研修機関に任せるのか、あるいは外部と一緒に作りあげていくのか、やり方も様々です。
どんな研修を、どんなタイミングで、どのくらいの時間を掛けて、どう行うのか、育成ビジョンを明確にして、研修のロードマップを作成しておくと良いでしょう。

人事が全て行うにしても、できるだけ現場の声や昨年度の新人の感想等を取り入れながら、より良い形のプランを用意しておくのがポイントです。

また、既に育成マニュアルが存在する場合は、定期的に見直しをした方が望ましいです。
行きあたりバッタリの育成プログラムになっていないか、以下を確認してみましょう。

  • 育成ビジョン(どんな人材になってほしいか)が明確か
  • 全体的な育成体系ができているか(単発ではなく年間を通して考えているか)
  • 個々の研修の狙い(何のための研修か)が明確か
  • 自分自身が受けたいと思えるものになっているか

教育担当者はここに留意を

組織が大きければ、最初の数ヵ月は人事預かりで、ビジネスマナーやマインドセット、チームビルディング等の初期教育が行われ、その後、各部門に配属されてOJTを含めた現場教育を始める流れが一般的です。 人事主導の初期教育、現場主導のOJT、ともに共通する、教育担当者が留意しておくべき点を以下にまとめます。

  • なるべく対面でこまめに会話をする

    リモートワークが普及した今、対面でのやりとりが少なくなり、メールで済ませることも多くなってきています。
    しかし、それだけでは新入社員は不安になりやすく、社会人になった実感も薄くなってしまいます。
    可能であれば定期的に対面で話をする、オンラインであってもビデオにする等、顔を見ながらこまめに会話するようにして信頼関係を構築しましょう。
  • 新入社員が質問しやすい雰囲気を作る

    「まだ自分は新人だから」と、分からないことがあっても、人事や先輩に質問することを躊躇する新人も少なくありません。
    新人が先輩の立場になったとき「知らなかった」とならないよう、新人が気軽に質問できる雰囲気を作りましょう。
  • 模範を用意する

    いくら言葉で説明しても、初めてのことだと、すぐに理解することが難しい場合があります。
    仕事のやり方等は先輩が模範を示し、丁寧に説明してあげましょう。
    ロールプレイングも効果的です。
  • 教育プログラムを工夫する

    実際の教育プログラムにおいては、講義形式と、ワークショップ形式をバランス良く組み合わせると良いでしょう。
    ワークショップでは、各人が達成感を実感できるような内容をお勧めします。
    現場教育の際も、小さな成功体験を得られる仕組みを整えておくことで、業務に対してやる気が高まるはずです。
    コロナ禍では難しいかもしれませんが、合宿研修をするのも一案です。
    チームビルディングに高い効果があるとされ、会社に対するエンゲージメント向上にも役立ちます。
  • OJTを見直す

    新人教育として多くの企業で行われているのが「OJT(On–the–Job Training)」、つまり、職場で実務を学ぶ形態の研修です。外部での研修と異なり、低コストで行える等のメリットがありますが、場合によっては現場担当者に負荷が掛かってしまうので、しっかり設計しておくことが肝要といえます。
    現場任せにしていないか、指導側の先輩社員のスキルや意識が不足していないか等、人事として今一度確認してみましょう。

おわりに

新入社員は会社の未来を担う貴重な人材です。
将来的に戦力となるように育てるには、時間も手間も要するものですが、そのような苦労を惜しんでいては、人を成長させることは難しいでしょう。

そして、やる気に満ちた新入社員の意欲を削がないようにするには最初が肝心です。
紹介した点に留意しながら、会社全体で快く受け入れてあげましょう。

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