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1月にこそ“キャリアの棚卸”を!

掲載日:2023年1月5日人材戦略

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日々、目の前の仕事をこなすのに精一杯のビジネスパーソンにとって、自分の仕事を振り返り、立ち位置を客観的に測る時間をつくるのは難しいものです。

だからこそ、これから新しい一年を迎えようという1月に時間を工面し、“キャリアの棚卸”にあててみてはいかがでしょうか。
昨年手掛けた業務の整理や分析をすることで、自分の強み・弱みを把握することができ、新年に向けて何に注力すべきかが明確になるはずです。

本稿ではそのステップを紹介しながら、抑えておきたいポイントを解説します。

一年に一度、自分を客観視する絶好の機会

キャリアの棚卸とは、自分のこれまでの仕事における経験や身に付けたスキル、資格、マネジメント力等を時系列的に掘り下げて吟味し、それら“自己資産”の種類やレベルを整理・確認して、価値を評価することとされています。

これまでのキャリアにどんな市場価値があるかを測ることにもなるので、「転職時にするもの」とのイメージがありますが、転職の意思があってもなくても、自身をレベルアップさせ、「なりたい自分」になるため、年に一回は取組んでおきたい作業です。
自身の強みや価値観を明確にすることで、取得したいスキルや目指すべきキャリアプランが明確になり、やりがいをもって仕事に打ち込むことにもつながるでしょう。

また、多くの会社は4月を新年度に設定していますから、1月にキャリアを整理しておくことで、新年度から新しいチャレンジをしようとする場合でも、十分に準備期間を持つことができます。
このことからも、1月にキャリアの棚卸をすることは、タイミング的にも最適だといえるでしょう。

キャリアの棚卸の3ステップ

では、具体的にどのように、キャリアの棚卸を進めていけばいいのでしょうか。
おそらく、ビジネスパーソンなら誰でも「自分は今までこんな仕事をやってきたから、こんなことができる」と漠然とした思いを巡らしているでしょう。
このように頭の中で考えていることを、きちんと明文化していくのがキャリアの棚卸の基本です。
効果的な棚卸をするには、次のステップで進めると良いでしょう。

ステップ1. 昨年行った仕事を洗い出す

昨年一年間の経験業務を軸にして、以下の4点をできるだけ詳細に思い出してみましょう。
成果については、そこまでに至ったプロセスを整理しておくことで、自分なりのノウハウとすることができ、得意分野も明確になっていきます。

  • この一年でやったこと(担当した業務やプロジェクトの目的、規模、期間等も)
  • 成果、および、それを導いた戦略や工夫、大切にしたこと等
  • これらの業務経験で身に付けたスキル
  • できなかったこと

上記を箇条書きで書き出していきます。
毎月、あるいは四半期ごとに思い出しながらまとめていくと良いでしょう。
Excelを使って一覧化するのもおすすめです。

大事なことは、時間を多く割いていない些細な業務もできるだけ思い出して、すべてを洗い出していく点です。
例えば、自分は営業で顧客訪問をするのがメイン業務だとします。
しかし、もし「提案営業のための資料作成」をしていたとしたら、それも書き出しましょう。
「主要業務ではないから」と省いてはいけません。
資料作成という経験を通じて能力が身に付き、スキルアップしたことには間違いないからです。

また、逆に「できなかったこと」を思い出すことによって、自分の「苦手」「不得手」が浮かびあがってきます。
それは、苦手だからと避けて良しとすべきか、それとも克服するために新年度にチャレンジすべきか、といった判断材料になります。

「大切にしたこと」とは、例えば「資料作成のときにポイントを分かりやすく大きく示した」といったことです。
どんな業務にも、その人なりのやり方や思いがあるはずなので、それをまとめていくと良いでしょう。

ステップ2. 洗い出した仕事を分類していく

業務を洗い出したら、次は自分の「感覚」で各業務を分類してみましょう。
各業務に対して「自分自身がどう感じたか」を、改めて客観視するためです。
例えば以下のような分類が考えられます。
Excel上に各分類を色別にしてマーキングすれば一目で分かるのでおすすめです。

  • ワクワク感:自分が楽しく感じた仕事はどれか。逆にワクワクしなかったのはどれか
  • 達成感:成果が出て、達成感を得られた仕事はどれか。他者には負けないと感じた仕事はどれか
  • レア度:他の人がなかなか経験しづらい仕事、希少価値のある仕事はどれか

先の営業担当者の場合、「営業目標の達成」が達成感を得られた仕事になるかもしれませんが、実は「きれいに資料を仕上げることが楽しかった」と考え直すことも考えられます。
仕事はやってみないと「向き不向き」「好き嫌い」が分かりません。細かい業務、あるいは日常業務の中に、今後のキャリアにつながるヒントが隠れている場合もあるのです。

ステップ3. 今後のキャリアにつなげていく

キャリアの棚卸の最後のステップは、ステップ1、2を踏まえて今後のキャリアプランを考える作業になります。
具体的には、以下のことを考えてみましょう。

  • 自分は仕事でどんなことにやりがいを感じるのか
  • 逆にどんなことがストレスになり、苦痛に感じるのか
  • これまでの経験のうち、今後もいかしていきたいことは何か
  • 今後どんなことにチャレンジしていきたいか
  • 仕事をするうえで大切にしていることは何か
  • 5年後、10年後、自分はどうありたいか
  • 自分はどんな人生を過ごしたいか

今後のキャリアにつなげていくための行動としては、資格取得に挑戦したり、社内研修やセミナーに参加したり、上司にキャリアプランを相談したりすると良いでしょう。
特に、資格は客観的な指標となるので、自分の市場価値が把握でき、キャリアを考えるうえでは一つの重要な要素になります。

また、「転職するとしたらどう自分をアピールするかを考える」のもいいでしょう。
転職する気がなくても、「するとしたら」と想像することで、自分のセールスポイントや伸ばしたいことが見えてきますし、社内価値と市場価値がはっきりして、より良いキャリアプランを描けます。

さらに余裕があれば、社会人人生のスタートから見直してみても良いでしょう。
より深く「自分が仕事に対してどう考えてきたか」が見えてきます。
その際には、以下のような資料を集めると、具体性が高まりますので、今すぐに取り掛かれない場合には、資料を収集しておきましょう。

  • これまでの名刺
  • 異動辞令
  • 受賞した賞状類
  • 資格認定証類
  • 社史あるいは社内報
  • 自身の日報や記録類
  • 業界誌への投稿、社内報の執筆記事等

おわりに

毎日全力で仕事に打ち込んでいると、頻繁に自分のキャリアを考える時間がなかなか持てないかもしれません。
定期的に自分を見つめる時間をつくれば、仕事はもちろん、客観的な視点を持てるので、人生をより充実した方向に推進させていくことにもつながるでしょう。

自信と意思を持ってキャリアを築き、「なりたい自分」になるために、ぜひ、昨年一年間を振り返りやすい1月のタイミングを活用し、キャリアの棚卸をしてみてはいかがでしょうか。

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