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たかが1通。その“メールマナー”が命運を握る!

掲載日:2022年3月1日人材戦略

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近年、テレワークの普及によって、コミュニケーションの非対面化が急速に進んでいます。対面で話すことが難しい状況で仕事を進めていくためには、メールでのコミュニケーションにより円滑な人間関係を構築していく能力が、ますます重要となるでしょう。
また、これから入ってくる新入社員にも正しいビジネスメールのマナーを早めに教えておけば、余計なトラブルを避けることもできるのではないでしょうか。本稿では、文面を作成する際のポイントから、“できるビジネスパーソン”が実践しているワンランク上のテクニックまで、今こそ知っておきたいメールマナーをご紹介します。

「読まれるビジネスメール」3ヵ条を知る

メールを作成する際の基本の「キ」は、「相手に読んでもらえるように書くこと」です。
そのためには、送る相手に対する“気遣い”が何より大切となります。たかが1通、されど1通。今や、メールはビジネスの命運を左右する重要な役割を担っていることを心に刻み、受け取った人に読んでもらうために、押さえておくべき三つのポイントを見ていきましょう。

1. 無駄を省いて簡潔にまとめる

一読しただけで理解できるよう、簡潔にまとめましょう。
回りくどい表現の文章やびっしりと続く長文などは、読み手に負担をかけるため、後回しにされたり、そのまま放置されたりする可能性があります。
そうした事態を避けるためにも、必要な情報を整理し、要点が分かりやすいよう簡潔に書くようにしましょう。

2. 確定事項を正しく書く

正確さも、ビジネスメールにおいては重要です。
社名や個人名などの固有名詞の誤りは、失礼にあたります。日付、時間や場所などが正しくないと、待ち合わせが上手くいかなかったり、相手に迷惑をかけたり、トラブルにつながる可能性もあるかもしれません。
そのため、打ち間違いや変換ミスをしないよう、十分に注意してください。

また、憶測や根拠のない情報を書くと、相手が確認のために余計な時間を割いてしまう恐れもあります。そうした内容を文面に入れるべきではありません。
もし、記載する必要がある場合は、憶測であることがわかるようにしておきましょう。

3. 具体的な表現を使う

曖昧な言い回しやあやふやな書き方は誤解を招きやすく、相手との認識に齟齬が生じる恐れがあります。また、勘違いしたまま話が進んでいくと、業務に支障が生じてしまうかもしれません。

以下のように、数字や固有名詞を使って対象を限定するなど、なるべく具体的に伝えることを心掛けましょう。
「来月の初めに」→「12月1日に」
「お昼頃までに」→「13時までに」

その他にも、メール作成時に気を付けるべきことはたくさんあります。
件名は、ある程度、中身がわかるよう、端的にまとめられているか。添付ファイルは相手が受け取れるサイズにおさまっているか。To・Cc・Bccを適切に運用できているかなどにも、注意した方が良いでしょう。
受信する側の立場で考え、どのようなメールが読みやすいか、配慮することが肝要です。

そして、作成したメールは、必ずチェックするべきです。
「読まれるビジネスメール」3ヵ条は押さえられているか、宛先は正しく設定されているか、添付ファイルの漏れはないか、などをきちんと確認しましょう。
新入社員の方など、始めのうちは先輩や上司にも見てもらうか、ccに必ず入れるようにしても良いです。

メールを作ることに慣れてくると、気が緩んでしまうこともあるかもしれません。急いでいるときは、書いた内容を見返さずに送ってしまうものです。
しかし、ほんの少しのミスが大変な事態を招くことも十分に考えられます。
特に宛先を間違えてしまい、個人情報や社外秘のファイルが流出してしまった場合、会社自体が信用を落としたり、賠償問題に発展したりするなど、重大な問題となる可能性もあることを肝に銘じておきましょう。

ここまでは基礎的な内容ですが、次からは一歩進んだテクニックを紹介します。
上記のポイントに加えてマスターしておけば、仕事をよりスムーズに進めることができるはずです。

気持ちが伝わる「クッション言葉」で良い関係を!

次は、ビジネスにおいて良好な人間関係を作るためのメール術について見ていきましょう。
文字が主体のメールでは、顔や声などの情報がなく、対面や電話と比べてそっけない印象を相手に与えてしまいがちです。だからこそ、言葉を尽くすことが大切になってきます。そこで、積極的に使っていきたいのが「クッション言葉」です。

クッション言葉とは、伝える内容をソフトな印象にしてくれる“前置き”のこと。
依頼をする際の「お忙しいところ恐縮ですが~」、意見を述べるときの「僭越ながら~」、質問をする場合は「差し支えなければ~」などのようなフレーズが、その代表例です。

実際にクッション言葉があるパターンと、ないパターンの表現を比較してみると、その差が分かりやすいでしょう。
相手からの誘いを断るというシチュエーションにおいて、良好な関係を築けるのは①と②のどちらでしょうか。

  1. 先約がございます。
  2. あいにくですが、先約がございます。

おそらく、多くの方が②を選ぶのではないでしょうか。

誘いを断っているのはどちらも同じですが、「先約がございます」というストレートな表現には、拒絶しているような印象を受けます。
その前に「あいにくですが」とクッション言葉を挟むことで、「誘いを断らざるを得ない残念な気持ち」が伝わるのです。相手から再び誘ってもらえる可能性が高いのは、②といえるでしょう。

ときにビジネスライクで冷淡な印象を相手に与えてしまうことがあるビジネスメールですが、クッション言葉には、そうしたイメージを和らげ、自分の気持ちや気遣いを伝える効果があるのです。

そして、文面から感じる雰囲気は、そのまま送信者の心証につながります。実際に顔を合わせたときの対応にも、影響があるかもしれません。
次は、できるだけ好意を持ってもらえるような内容にするための「伝え方」について、考えてみましょう。

「ポジティブライティング」で印象が変わる

内容は同じでも、伝え方次第で相手が受け取る印象が180度変わることもあります。そこで、ぜひ知っておきたいのが相手に良い印象を与える伝え方、いわゆる「ポジティブライティング」です。

ポジティブライティングとは、物事の良い面に着目して肯定的な表現を使用する、文章の書き方のこと。
ネガティブな事実をポジティブな言い回しにしたり、否定的な単語を肯定的に言い換えたりすることで、相手が受け取るイメージは大きく変化します。

実際に伝え方を変えて比較してみましょう。例えば、期限を示したい場合、以下のように2通りの文章が考えられます。

  1. 「10月1日以降は、受付することができません」
  2. 「9月30日までは、受付を承っております」

どちらも同じ締切を表していますが、①は否定、②は肯定の表現を用いたものです。そのため、①よりも②のほうが「相手に寄り添おうとする気持ち」を感じ取れるのではないでしょうか。
また、性質や性格を指す言葉も、置き換えることで印象が変わります。

「古臭い」→「趣のある」
「無口」→「思慮深い」

「古臭い」「無口」にはネガティブなイメージがありますが、「趣のある」「思慮深い」だと良いイメージになるでしょう。あるいは、受動的の表現ではなく能動的な表現を心掛けることでも、前向きに感じさせることができます。

  1. 「当社では、小売業界からの撤退が決定された」
  2. 「当社は、小売業界からの撤退を決定した」

どちらも「小売業界から撤退した」こと書いていますが、受け身の①よりも、自発的な②の方がプラスな印象を与えられます。

物事をどのように解釈するかは、言葉一つで変わるのです。
特別な理由がなければ、ネガティブな表現は極力避け、ポジティブに伝えてみましょう。こうした言い換えの力は、日々の積み重ねによって磨かれていきます。今回紹介したポイントを意識して、日々のメールでポジティブライティングを実践してみてください。

おわりに

マナーを意識し、円滑なコミュニケーションを図る力は、ビジネスにおいて大きな推進力につながります。
特に文字だけでやり取りを行うメールでは、マナーを守って相手に伝わりやすいよう心掛けることが重要でしょう。
今回ご紹介したような“小さな配慮”の積み重ねによって、人間関係が円滑になれば、スムーズに業務が進むようになり、効率良く生産性を高めていくことにもつながるのです。

そして、社員全員がメールを送る際の気配りを身につければ、会社の信頼性や競争力も向上するかもしれません。本稿を参考に、メールマナーについて、見直してみてはいかがでしょうか。

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