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社長の忙しさを解消するためには

掲載日:2020年10月12日人材戦略

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「社長となってから毎日忙しく、猫の手も借りたい程だが、何から手をつけたら良いか分からないー」。このような悩みを抱えている中堅・中小企業の社長は多いのではないでしょうか。経営者が営業から製造、販売まで様々な役割を担い、社長業に専念する時間が確保できないという会社もあるようです。
しかし、経営者には本来、企業の進むべき方向を見定め、企業全体を率いていくという大切な役割があります。このような状況を改善するためには、組織体制を見直すことが有効となる場合があります。
本稿では、社長の忙しさを解消するためのコツをお伝えします。

1. 経営者が社長業に専念できないことの問題

そもそも経営者には決まった業務内容や労働時間はなく、忙しいことはあたり前と思う人がいるかもしれません。しかし、一口に忙しいとはいってもその実態は様々です。特に中堅・中小企業では、経営者が実質的に現場の責任者や担当者を兼務しているケースが多いため、日々の業務に追われて経営にまで十分に手が回らないという状況がしばしば見られます。
しかし経営者には本来、企業の未来を見据えて、従業員を率いていくという大切な役割があります。経営者が経営に集中できていないということは、企業が進むべき道を見失ってしまうという大変危険な状態に陥る可能性があります。これは、企業が安定的に継続していくうえで好ましい状況とはいえないのではないでしょうか。
このような状況を回避するために、経営者が経営について十分に考え、行動することができる余裕を、意図的に作り出す必要があります。

2. 経営者が忙しくなる原因

経営者が忙しくなってしまう背景には企業ごとに様々な原因が考えられますが、業務の量に比べ社内の人的資源が不足しており、その穴埋めを経営者が行っているケースがあるようです。
より具体的には、下記のようなケースが考えられます。

  1. (1)業務が非効率で人的資源を浪費している
  2. (2)必要な役割分担が十分になされていない
  3. (3)人的資源を十分に活用できていない

ここでは「(2)必要な役割分担が十分になされていない」に的を絞って対策を考えていきます。
中堅・中小企業では縦割りの組織はあまり馴染まず、状況に応じて柔軟に人的資源を活用するスタイルが一般的で、これは強みでもあります。しかし、裏を返せば、業務に対する役割分担の意識が希薄になってしまいがちで、責任者も育ちにくい、という弱みにも繋がってしまいます。
このような状況では、現場の実務に長けた人物に仕事と責任が自然と集中してしまい、業務量に偏りが生じてしまうのです。

3. 経営者の忙しさを解消する方法

経営者が忙しいという状況を改善するためには、意識的に責任者を育成し基本的な役割分担が整った組織をめざしていく必要があります。
そのためには、次のような手順で対策を行うと良いでしょう。

  1. (1)自社の業務にとって必要な責任者をリストアップします。
    一般的には、営業責任者、製造責任者、会計責任者といったものがあげられます。
  2. (2)現時点で責任者が不足している部門を検討します。
  3. (3)責任者を企業全体で育成します。

これはすぐに効果の出る方法ではありませんが、責任者を育てようという意識がなければいつまでも育ちません。さらに、自分に代わる責任者を育て上げることで、経営者は様々な雑事から解放され、今まで手が回らなかったことを対応できるようになる可能性もあります。
経営者の本来の役割である経営について考える余裕が生まれるだけでなく、責任者が現場で育っていけば、組織には自然と活力が生まれていくでしょう。

4. おわりに

日々の業務に忙殺される経営者も多いかもしれませんが、一度立ち止まって、経営者の本質的な役割について考える事が大切です。
本稿をきっかけに組織体制を見直せば、忙しさが解消され、企業をより良い方向へと導くことができるでしょう。

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–net21(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)」内の記事「社長の忙しさを解消するためにはどうしたらよいですか?(https://j-net21.smrj.go.jp/qa/org/Q1030.html)」を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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