ページの先頭です
メニュー

メニュー

閉じる
本文の先頭です

管理職必見! 自分を伸ばす「勉強法」

掲載日:2020年7月29日人材戦略

キービジュアル

新型コロナウイルスの拡大・感染防止を契機として、この数カ月で、経済・社会・生活、すべてが大きく変わりました。そして今、各企業は、環境の変化に対応すべく、変革への道を模索しています。
これから企業内では様々なチャレンジが始まるでしょうが、こういった流れの中で、管理職である方々は、変化に適応できる自分を育てていかなければなりません。そのためには、自ら積極的に学ぶことが大切でしょう。
本稿では、管理職のための自分を伸ばす「勉強法」について提言していきます。

「知識」を得るのではなく、「智慧」を磨くための勉強を!

デキる管理職は例外なく、常日頃から勉強をしているといわれています。
管理職は、部下をマネジメントしながら、チームとしての高いパフォーマンスを発揮させ、成果をあげていかなければなりません。そのためには自らが動くだけでなく、部下に対する指導や育成、さらに動機付けなども重要な仕事になってきます。
その職務を遂行するためには、学ぶべきことは山のようにあるのです。

では、具体的にどのような勉強に取り組めば良いのでしょうか。
そもそもビジネスマンにとっては、業務を遂行するために必要となる「知識」を身につけるための勉強と、考え方や判断力を養い、実践していく「智慧」を磨くための勉強があります。

とはいえ、管理職となった方は、実際に、数多くの業務をこなすことによって経験値を蓄え、努力して、実績と成果を出してきたからこそ、その立場にいるはずでず。そういった意味では、既に十分な「知識」を持っているといえるでしょう。

ですから、この変化が大きな時代に、管理職にとって大切なことは、「知識」をベースに、「智慧」を磨いていくための勉強をすることです。
そこで第一にするべきことは、「本を読むこと」だといえます。成果をあげている有能な管理職は、普段から各種の本を読んでいることが多いものです。

ただし、むやみに本を読んでもあまり意味はありません。巷には、管理職向けの本があふれていますが、どの本を読むべきか、しっかりと考える必要があるのです。
選び方のコツは、まず、自らの“問題意識”を明確にすることでしょう。自分の弱い部分はどこかを考え、そこを補填することが、一つの成長につながります。従って、本選びは、自分の見直しから始めるのです。

そこで、例えば、自分の問題が「部下の指導・育成」と明らかになったら、それらについての結果を出した具体的な“事例”が多く掲載されている本を、一冊ではなく、複数冊、読むようにしましょう。

そこで知った事例からは、自分が抱えている問題を解決するヒントが得られる可能性が高いといえます。また、本の著者によって、主張する解決策は多種多様です。複数冊を読むことによって、自分の立場や状況、能力やキャラクターに近い著者の提言や事例が見つかりますので、「智慧」を磨く勉強としては最適でしょう。
また、賛同できない著者の書籍を読んだとしても、それはそれで、反面教師として理解すれば、それもまた「智慧」の刺激になるものです。

「智慧」を磨く本の活用は、これだけではありません。読んでみて「これだ!」と思ったことは、職場ですぐに実践してみることです。これが何より重要で、大きな勉強となっていきます。実践してみると、失敗したり、効果がないこともあるでしょう。しかしながら、「このやり方ではダメだった」ということがわかるだけでも十分な収穫なのです。
トライ&エラーを繰り返すことで、問題解決の糸口が見つかりますし、そんな姿勢によって、部下からの信頼も得られることでしょう。

情報という「知識」を「智慧」に変換していく。これが管理職の成長につながる!

本だけではなく、日々発信される各種メディアからの情報収集も重要な勉強の1つです。なかでも「新聞」は、国内外の広範囲におよぶ分野の情報が整理されていますので、世の中で起こっている出来事や情勢を把握するためには有効です。

管理職ならば、新聞を読んでいる方がほとんどだと思いますが、ここで重要なのは、本と同じく、日々、複数紙を読む習慣をつけることです。新聞には、実はそれぞれに論調がありますので、同じ現象を捉えながらも、その現象の把握の仕方が少しずつ違っています。
ですので、複数紙を読む中で、その違いを理解しながら、自分としての考えを整理していきましょう。これが、情報をかみ砕く、いい勉強になっていきます。

さらに、新聞から得た「情報」という知識を、「智慧」に変換して、仕事で有意義に活用してくことが大切です。そのためには、新聞で掴んだ情報を、取引先との商談の際のアイスブレイクで使うのはもちろん、部下とのミーティングなどで話してみることが、より良い勉強法になります。
話をすることによって、情報が頭の中で自然と昇華され、自身の「智慧」へと昇華していくのです。

また、アウトプットすることを意識しながら、新聞を読むことで、新聞からの情報収集の仕方もさらにわかってきますし、アウトプットを繰り返すことによって、得たものすべてが、自分の血肉となっていきます。
このトレーニングは、管理職が今後の社会の流れを読み、意思決定を行い、仕事をスムーズに遂行する上で必要不可欠だといえます。

体験型の勉強法で、変革に対応できる自分を育てる!

一方、体験型の勉強法も考えてみましょう。
一つは、社内の他部署で同じような立場の管理職から、解決につながるいろいろなアドバイスをしてもらう、という方法があります。それも一度ではなく、繰り返し聞くと効果的で、いい勉強になっていきます。

優れたマネジメントを実践している人物の、理論だけではなく、実践しているテクニックを学ぶことは重要です。そこでは、数多くのヒントが見つかることでしょう。
自分を成長させる勉強のためには、そういった方に、頭を下げてお願いすることを恥じる必要はありません。謙虚でいることは、成長の可能性を阻んでいることでもあるのです。

また、体験型の勉強法としては、新しい「智慧」を得るために、新しい人たちとの人脈を築くことも心掛けていきましょう。
そのためには、普段から社外の管理職と交流を持とうとする姿勢が必要です。

例えば、他業種の人たちが集まる「異業種交流会」などに積極的に参加してもよいでしょう。そこで、ベクトルの違う「知識」を手に入れることによって、自社で実施すべき「智慧」が生まれてきます。これらは、変革に対応するための管理職の勉強法として、とても有意義なものとなっていきます。
さらに、より実戦的な人材系の企業が主催している「管理職向けの研修」や「リベラルアーツ」の勉強会に参加するのもいいかもしれません。

部下とのコミュニケーションの中で、自分の「智慧」を磨いていく!

業務に連動した勉強法としては、部下と積極的に会話をしていくことが大切です。
部下の中には、なかなか成長しない、モチベーションが低い、成果を出せないといったメンバーがいるかもしれません。そんな部下とのコミュニケーションは、実は、部下を成長させるだけでなく、自分自身の勉強と成長につながるのです。

例えば、今どきの若いメンバーに声をかけるとき、「何かあったら相談しなさい」だけでは不十分。まずは、こちらから相手に関心を持って、定期的に「何か困っていることはないか?」とアプローチすることが肝要です。
また、「最近どうだ?」と聞いても、何も有益な答えは得られないでしょう。ゆえに、「こういう面で困ってることはある?」と、具体的に質問することが重要です。

こうした会話のトレーニングは、仮説と検証をしながら正解を見つけ出していくものです。事前に、その部下の仕事内容や最近の業績、課題など基本的なことをしっかりリサーチした上で、性格やキャラクターを慮り、ケース・バイ・ケースで異なった角度から声をかけてみる。その上で、返ってきた困りごとについて親身になって聞き、自分の経験を元に具体的なアドバイスを与えてあげると良いでしょう。
こうしたコミュニケーションの中で、組織の変化をつかみ、考える「智慧」を養うことが、管理職としてのマネジメントの勉強にもなっていくのです。

新型コロナウイルスの影響で、先を見通すことが難しくなっている今だからこそ、会社の存続のために管理職の責務は大きくなってきます。
困難な状況を乗り越え、自分自身が飛躍するためにも、管理職の方はぜひ勉強に取り組んでみてはいかがでしょうか。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)

その他の最新記事

ページの先頭へ