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中々定着しない中途入社者・・・早期戦力化するポイントとは

掲載日:2020年3月26日人材戦略

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昨今、人手不足などの影響から中小企業の人材採用は困難さが増していると同時に、ようやく採用できた中途入社者が会社に定着しないといったケースが一定数存在します。
定着しないケースについては様々な理由がありますが、スキルの高い人でも転職直後は不安や悩みを抱えていることが多く、転職先の企業が、中途入社者が抱える不安や悩みを十分にサポートできていないことも原因の一つに挙げられます。
本稿では、中途入社者の不安要素を取り除き、定着化および、早期に戦力化するためのポイントを紹介します。

中途入社者を早期に戦力化する2つのポイント

ポイントは以下の通りです。

  1. 1.中途入社者のステージごとに異なる不安や悩みに対応する
  2. 2.心理的安全性が高い職場環境を整える

1.中途入社者のステージごとに異なる不安や悩みに対応する

中途入社者には大きく分けて3つのステージが存在し、そのステージごとに不安や悩みが異なります。

入社直後

中途入社者は、前職の企業文化や組織風土に適応してきたため、例えば、「朝礼がある」「成果が給料に大きく反映される」などといった、転職先では当たり前のことでも、中途入社者にとっては不安要素になり得ることがあります。
また、転職当初は心を許せる人が少ないことに加え、慣れない環境の中で直ちに適応し結果を出さねばならない、といった思いがプレッシャーとなることで、「孤独感」を感じることも多いようです。

入社3カ月後

転職先の企業文化や組織風土に慣れてきた入社3ヵ月後頃から、今度は仕事のやり方、進め方に悩みを持ち始めます。
例えば、社内の独自用語は社歴の長い社員には当たり前のことでも、中途入社者にとっては初めて聞く言葉で、その意味を理解する必要が生じるでしょう。また、前職と同職種、例えば営業の場合でも、顧客の業種や商品、社内で使われるシステムなどが異なるでしょうから、そのことに慣れなければいけません。
仕事のやり方、進め方に悩みを持っている間は、結果を出せずに苦しむ可能性が高いでしょう。結果を期待されて入社する中途入社者は、この時期から「焦燥感」を持ち始めることになります。

入社半年後

会社文化や組織風土、仕事のやり方や進め方への悩みや、「孤独感」「焦燥感」を解消できないままだと、入社半年後を迎えた頃から「今の仕事が将来につながる感じがしない」「成長の実感がない」ことで将来への不安と現状への不満が生じてくるでしょう。中途入社者は成長意欲が高い人が多いため、なりたい自分と現実の自分との間にギャップを感じ、その状況が続いた場合、短期間で退職するケースが生じてしまうこともあります。

このように、中途入社者の悩みや「孤独感」「焦燥感」を払拭し、中途入社者を早期に戦力化させるためには、入社直後の対応が重要となります。

2.心理的安全性が高い環境を整える

中途入社者が自己開示(自分自身の情報を、ありのままに伝えること)をしやすい環境を整える必要があります。そのためには、心理的安全性が高い職場環境が不可欠です。心理的安全性とは、「組織の中で、メンバーが自分の考えや感情を安心して発信できる状態」のことです。

中途入社者にとって転職先の社長や上司にあたる人は、中途入社者に向き合い、その経験や人生観、人柄を理解し、受け入れる必要があります。そのためには、心理的安全性の高い職場づくりを日頃から心がけなければなりません。いわゆる「飲みニケーション」に限らず、社員との会話の機会を常に持ち続けることが大切となるでしょう。
一方で、中途入社者の中には、社長や上司に対して本音を話しにくいと感じる人もいるでしょう。そこで中途入社者と経歴や担当業務が近い、少し年上で社歴の長い社員をメンター(助言者)として付け、定期的に面談を行う「メンター制度」を実施している会社もあります。

さらに、中途入社者が「自己効力感」を持てるかということも、早期に戦力化できるかどうかを左右します。中途入社者は前職での経験や高いスキルが評価され、採用されていることが多いです。しかし、入社直後は慣れない環境に身を置いているため、すぐには結果が出せず、自己効力感を持ちにくい状況になりがちです。
そのため、前職の経験やスキルを発揮しやすい仕事を提供することや、社内勉強会などを通じて、経験やスキルを伝授する場を作ることが必要になります。中途入社者が実力を発揮できる場を整えることによって、「新しい環境で働けている」「役に立てている」と実感が持てるようになるでしょう。

心理的安全性の高い環境を築き、中途入社者が自己効力感を持てるようにすることは地道な取組になります。中途入社者の不安や悩みを知り、向き合うことにより、中途入社者をスムーズに戦力化し、定着率を高めることにつながるでしょう。

メンター制度とは?

中途入社者や異動などの環境変化があった社員に対し、先輩社員が半年間さまざまなフォローをする制度のことです。メンターに相談することで、業務面の悩みはもちろん、プライベートの悩みも話し合うことができるため、同制度は中途入社者に高評価を得ているといわれています。なお、メンターとなる人は、中途入社者の悩みを傾聴し、伴走しながら解決する姿勢が求められているため、導入している企業では同制度の開始時にメンターへの教育も実施しています。

このように先輩社員が相談に乗ったり、人的ネットワークを形成したりすることによって、中途入社者の「孤独感」や「焦燥感」を払拭し、心理的安全性の高い環境の中で自己効力感を持って働けるようになるようです。社長や上司に当たる人は、中途入社者に近い将来の成果だけを求めず、心から向き合い、本人を「温かく見守っている」「理解しようとしている」姿勢を見せることが重要でしょう。

最後に

中小企業にとって、中途入社者の採用は今後も必要性を増すものと想定されています。その状況下では、「中途入社者を早期に戦力化し、業績を伸ばす」という正のスパイラルを創り出す必要があるでしょう。以上のポイントを中途入社者に向き合う姿勢や仕組み、制度を整えていくための参考としてみてはいかがでしょうか?

本コンテンツは中小企業・小規模事業者ビジネス創造支援ポータルサイト「ミラサポ~未来の企業★応援サイト(https://www.mirasapo.jp/index.html)」内の記事「中途入社者を早期に戦力化させる方法 (https://www.mirasapo.jp/column/00124/20190116_69422.html)」を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

当初作成日:2019年1月16日

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