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チームビルディング その中で生まれる相乗効果とは

掲載日:2019年12月18日人材戦略

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「チームビルディング」とは、単にチームを結成するという行為を指すのではなく、チームとして、個人が他者と協力して目標を達成していく中で、チーム自体が成長していくプロセス、すなわち、「組織進化」を指します。
チームとは、共通の目的・目標を持った集団を意味し、一般的な人の集合を指す場合の「グループ」とは異なります。また、チームでは一人ひとりが自分の能力を最大限に発揮しながら、チームとしての目標や進捗を共有し、連帯責任を負っています。例えば、団体スポーツの集合体はチームであってグループとは呼びません。そして共有する戦い方の中で、個人プレーと連携プレーを繰り出しながら、勝利という共通の目標をめざします。
会社の中の集団は「部」「課」などで組織されていますが、社内で「チーム」という呼称は「プロジェクトチーム」というように、何か特定の目的のために、部署横断的に集められた集団、に使われるケースが多く、具体的には、「社内のコミュニケーションが不足している」「新しい企画やアイデアが出てこない」という課題が出てきたときに、その課題解決のためにチームが組織されます。

本稿では、チームビルディングの効果について説明します。

チームビルディングの効果

ポイントは以下の通りです。

  1. 1.一体感を共有することでモチベーションアップにつながる
  2. 2.仲間との親近感やリスペクト(敬意を払う、尊敬するなどの意味)が生まれ、コミュニケーションが円滑になる
  3. 3.1人でなかなか浮かばない多彩なアイデアが浮かぶ

相乗効果を生むチームビルディングモデル

ここでは、最も一般的なチームビルディングモデルを紹介します。米国の心理学者タックマンは、チーム成長の過程を4つの段階に分けました。これを「タックマンモデル」と言います。

【第1段階:形成期(フォーミング:Forming)】

チームができたばかりでメンバーはお互いのことを知りません。目的や目標も共有していない段階です。ここでは、まず互いを知ることが肝心です。キックオフミーティングの中でゲームやスポーツを取り入れることも、チーム意識の形成として有効です。続いて、それまでの部署や上長に配慮することなく、本音で物が言える状況を作っていきます。

【第2段階:混乱期(ストーミング:Storming)】

仕事を始めたばかりの時期で、各自の意見や主義・主張が嵐(ストーム)のように激しくぶつかりあう段階です。ここでは、合宿を行って本音をぶつけあったり、1人ずつ、意見や思いを書き出してみたりして、「互いが違っていること」を理解できるようにします。対立を避けて取り繕おうとすると、不満がいつまでも残ってしまいます。互いを理解し、さらに目標を深掘りし、達成意欲を醸成します。

【第3段階:統一期(ノーミング:Norming)】

normとは標準・規範の意味です。目標が共有され、行動規範が確立する中で、役割分担ができ、各自が自走する段階です。ここでは、目標達成に対する貢献意欲を各自が持てるようにします。改善提案やアイデアがどんどん出る状況が望ましいでしょう。「誰かがやってくれる」ではなく、「自分がやる」という当事者意識を醸成します。

【第4段階:機能期(パフォーミング:Performing)】

メンバーがお互いを尊敬したり助けあったりして一体感が生まれ、チームとしてのパフォーマンスが最大になる段階です。この段階は、達成期(トランスフォーミング:Transforming)、すなわちチーム機能が一変する(transform)段階でもあります。リーダーシップは一人ひとりが持つという意識が生まれ、各自が自律的に動くようになります。

【第5段階:散会期(アジャーニング:Adjourning)】

adjournは会議の一時休止、延会の意味です。目標達成によって相互関係が終結する段階です。散会にあたって、ノウハウや反省点を整理する「振り返り」を行います。また、自分やメンバーといった個人の成長についても振り返りとフィードバックを行います。

以上のように、チームビルディングは問題を解決するだけでなく、自主性の増進、他人に対する尊敬と思いやり、チームでやることの相乗効果、達成感から生まれる自信、といったビジネスパフォーマンス向上の点でも効果的といえます。

既存の組織をこの理論で作り替えるのは難しいですが、プロジェクトチームを編成する際には、丸ごとチームビルディングの理論に基づいた組織化をめざすことが可能です。チームビルディングは容易ではありませんが、強力な組織を生み出すチャンスにもなりますので、積極的に取り組む価値はあるのではないでしょうか。

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–Net21」(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)内の記事「経営ハンドブック」(https://j-net21.smrj.go.jp/handbook/org/teambuilding.html)を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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