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自社株式の承継にかかる種類株式の活用について

掲載日:2018年5月30日事業承継

キービジュアル
  • 事業承継対策として、普通株式とは異なる権利を持つ「種類株式」を導入する事例がふえています。
  • 「種類株式」とは一定の事項(議決権、取得、剰余金の配当、残余財産の分配等)にかかる株主の権利を制限または強化した株式のことで、自社株式の承継対策で活用されています。

自社株式の承継における代表的な「種類株式」の活用事例

事例1 議決権制限株式の活用

「議決権制限株式」とは、株主総会の決議事項の全部または一部について、議決権を制限できる株式です。

相続財産(自社株式が大半)を相続人間で配分した場合、非後継者も株式を相続して株式分散することが心配な場合に、種類株式を発行すると、遺言書で、普通株式は後継者に、議決権制限株式は非後継者に承継する旨を定めることで、議決権の集中が可能となる。
  • 議決権制限株式を発行する際は、議決権がない代わりに配当優先権を付与する等により、非後継者の理解を得られやすくなります。

事例2 拒否権付株式(黄金株)の活用

「拒否権付株式(黄金株)」とは、株主総会または取締役会での決議事項の全部または一部について、拒否権を持つ株式です。

元気なうちに後継者に株式を生前贈与したいが、完全に経営を任せるのはまだ不安な場合に、種類株式を発行すると、経営者は拒否権付株式を所有し、のこりを後継者に生前贈与することで、影響力をのこしたまま株式承継が可能となる。
  • 拒否権付株式のみでは経営者は積極的な経営の意思決定はできませんが、拒否権を保有することにより特定の重要事項に関して経営のチェックができます。
  • 拒否権付株式が第三者に移転することがないよう、後継者への贈与や、遺言書による後継者への当該株式の相続等、対応が必要です。

留意事項

  • 「種類株式」を発行するには、その内容を定款に定める必要があります。このような定款変更を行う場合には、株主総会の特別決議が必要です。また、一定事項の株主名簿等への記載や登記等の手続きが必要です。
  • 経営の意思決定に関わる「種類株式」が不測の事態で第三者の手に渡ると、会社経営への影響が懸念されます。専門家に相談のうえ、遺言や譲渡制限の付与等による後継者への確実な承継方法の検討が必要です。
  • *本資料のご活用に際しましては、お客さまご自身の判断のもと、必ず弁護士、税理士、公認会計士等の専門家にご相談のうえ、お取り扱いください。また、本資料は2017年8月28日時点の法令等に基づき作成していますが、今後の法令改正等により変更となることがあります。

当初作成:2017年9月

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