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売れる営業、売れない営業の「違い」は?

掲載日:2021年1月25日事業戦略

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営業は、企業の未来を担う重要な任務のうちの一つです。しかし、当の営業社員が「営業は誰でもできる簡単な仕事」「ガッツがあればなんとかなる」などといった間違ったイメージを持ったまま、仕事をしていることも多いものです。
「それは大きな誤解ですね。このままでは、その会社の未来は厳しいかもしれません」
そう語るのは、かつてリクルート社で「伝説のトップセールスマン」として活躍した高城幸司氏です。では、売れる営業マンと売れない営業マンの差はどこにあるのでしょうか。
本稿では、「営業のよくある誤解」を解き、トップ営業を育てるための考え方をご紹介していきたいと思います。

営業職は誤解されやすい

「強引に商品を売る」「顧客に頭を下げてばかり」「数字に追われていつも多忙」「朝晩問わず営業をし続けなければならない」……。
このように営業というと「大変な仕事」というイメージが先行しやすく新卒中途問わず、人気が無くなりつつあるようです。

たしかに、以前は上記のような側面もありました。しかし、現在は働き方改革の推進もあり、営業のあり方は大きく変わっています。とにかく長く働いてたくさん売上を上げるというスタイルは通用せず、与えられた条件の中でいかに効率よく成果を出すか、「体力ではなく、知力で勝負する」ことが必須となっているといえるでしょう。

では、どうすれば新しい時代に求められる営業マンを育てることができるのでしょうか?そのためには、まず営業にまつわる誤った認識を改める必要があります。

以下にあげるのは、営業職に就いている人が陥りがちな、誤解の例です。
これらの思考に陥ると、ゆくゆくは思考停止してしまいます。すると、モチベーションが下がり、社内に「売れない営業」を増やしてしまうこともあるので管理者として注意をしていきましょう。

誤解1:専門性が低く、簡単である

営業に慣れてくると、本社から与えられた商品を決まった客先に出向いて渡し、担当社員と雑談を重ね、帰社する前に時間をつぶして一日が終わる……というルーティンを重ねる社員が出てきます。そんな人は、「営業なんて誰がやっても同じ仕事」と考え、簡単な職種と見下し、上昇志向を失うかもしれません。

営業社員は目に見える完成品を提示しにくいため、「私のやっていることは創造的な仕事ではない」と考えてしまうことがあります。しかし、これは大きな間違いで、顧客との雑談などはすべてビジネス上の目的が付随した、営業の重要な業務といえます。
世間話の中で顧客のニーズを掴み、問題解決の提案につなげられるか、ただの無駄話に終わるかは、営業マンの腕一つにかかっているといえるでしょう。

また、「専門性が皆無」というのも大きな誤りです。顧客との関係性を作り上げるのは、知識はもちろん、心配りや商品特性を生かした提案などがなければ不可能でしょう。顧客から「○○さんだから任せられる」と言われる営業は、質を保証された“職人”のような高い専門性を有しているといえるかもしれません。

誤解2:運と勘と人脈さえあれば、なんとかなる

これは、偶発的な大口顧客を獲得した経験がある人や自分の周囲への営業で、短期的に大きな売上を上げた人によくある「ギャンブル思考」の営業といえるでしょう。
もちろん大いなる誤解で、運と勘と人脈で一度稼いだからといって、大口の営業先をいつも偶然つかめる人はいませんし、人脈もよほど恵まれた人でなければ限界があります。

ただ、大きな売上をあげた快感と自負だけは残りますので、営業としての能力向上への努力を怠り、「次の偶然」を探してしまうかもしれません。
こうなると営業として売れるロジックが何一つ蓄積されないまま、フラフラと“ラッキー”を求めてさまようことになります。やがて売れなくなり、モチベーションは下がっていくことでしょう。

真に稼げる営業は、売れるパターンを持っているものです。偶然に頼らず、ロジックを持って売れる営業社員を育てることをめざしてください。

誤解3:商品知識さえあれば、数字はついてくる

このような誤解をするのは、売りたい商品についての知識優先で考える「頭でっかちタイプ」の営業社員です。真面目で、熱心に商品のことを勉強しますが、困ったことに「商品の知識があれば営業は上手くいく」と思っている傾向があります。

営業の本質として、お客さまの抱える課題解決法を提案していくことがあげられますが、その考えが、このタイプには抜け落ちています。商品のことを詳しく語ることができても、お客さまの課題に対してソリューションとならない営業は「押し売り」と同じといえるでしょう。
商品知識があるに越したことはありませんが、知識第一主義にならないことが重要なのです。

まずは、このような営業への誤解を知り、偏見を排除させることから始めましょう。意識が変われば行動が変わります。そうなれば、売れる営業へのスタートラインに立たせることができるかもしれません。

自分の「強み」を生かすことからスタート

良い営業社員を育成するために大切なことは、自分の強みを探させることです。営業社員がすぐに売上を計上できなくても落ち込む必要はありません。

「営業はオールラウンダーである必要はない」と高城さんは語ります。
営業の業務内容は、多岐にわたります。ただし、逆にいえば、自分の個性を何かしら有効活用できる業務があるとも考えられます。
例えば、人と会って話すのは苦手でも、テレアポが得意なら積極的に電話をかけていけば良いのです。自分の得意な業務をこなしていくことで、成功法則が見つかることがあるかもしれません。

注意が必要なのは営業として何も挑戦しないうちに「私には長所がない」と思うこと。これは不要な先入観です。まずはいくつかの仕事をやらせてみて、自分に合うと思った業務が見つかったら、“チャンス”と思って取り組ませるようにしましょう。

ただ、営業社員自らが自分の業務内容を決めていくのは難しい場合があります。そこで重要になってくるのは、「上司の目」といえます。
上司が各営業社員の強みを見抜き、適性のある業務に比重を置いて担当させていくと、ゆくゆくは自社の営業能力の向上にもつながることでしょう。

「考えない営業」に未来はない!

売れる営業社員とは、「自分から顧客に提案できる人」といえます。
しかし、お客様への提案というのは一朝一夕にできるものではありません。提案に至るまでは非常に「ロジカル」に物事を組み立てなくてはならないのです。つまり、営業社員自身が“考えて”行動する必要があるといえます。
本稿でご紹介した「営業に関する誤解」を解いたうえで、「売れる営業社員」を育てていき、自社の成長につなげていきましょう。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)

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