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話下手でもOK! ロジカルスピーキングとは?

掲載日:2020年12月21日事業戦略

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論理的に説明し、分かりやすく相手に物事を伝える技術は、ビジネスを円滑に進めるために必須のスキルといえるでしょう。そのために必要なテクニックこそが、「ロジカルスピーキング」です。
「論理的に」と聞くと、やや尻込みをする人もいるかもしれませんが、何も難しいことはありません。これからご紹介する「型」にあてはめて話すことで、誰もが内容を簡潔に伝えることができるはずです。
本稿では、いつの時代も求められる「論理的に話す技術」を身に付けるための方法を解説していきます。

”ロジカルに話す”ための3つのテクニック

「あの人は優秀なんだけど説明が下手だから、プレゼンを任せるのは心配だなあ……」
あなたの周りにも、そして、もしかするとあなた自身も、トーク力に自信がないという人がいるかもしれません。
そんな人は、「ロジカルスピーキング」を身に付けることをおすすめします。これは文字通り、「論理的に話す技術」を指します。この話し方をマスターすれば、多くの人が「分かりやすく相手に物事を伝える」ことが可能になるのです。
そのためには、いくつかのフレームワークを学び、それを使って会話をするのが一番シンプル、かつ効果が大きいと考えられます。ここでは、3つに絞って、ロジカルスピーキングに必須のテクニックをご紹介します。

1.大事なことから先に話す「PREP(プレップ)法」

PREP法とは、「Point:要点(結論)」「Reason:理由(そう主張する理由)」「Example:具体例(理由の裏付け)」「Point :要点(結論)」の頭文字をとって名付けられた手法です。
まず結論から先に話し、次にその理由を述べ、さらにより具体的な事例や証拠を述べて、最後にもう一度要点を述べて結論付けるという流れで話を組み立てます。

PREP法を使った会話の例をあげてみましょう。会議等で意見を求められた場合を想定します。
「B案が良いと思います(P)。理由は費用対効果が非常に高いと考えられるからです(R)。具体的には、コスト面でA案と比べると、約10万円の経費削減になります。その分、広告宣伝費に回せるはずです(E)。そのため、私はB案をおすすめしたいと思います(P)」

これが、PREP法を使わない場合はどうなるでしょうか。

「安い方が良いですよね。浮いたお金で色々とできますし。B案はA案と比べると10万円も安くできます。その分で、宣伝をしましょう」

PREP法を使っている前者のケースの方が、要点を分かりやすく伝えることができているのは明らかです。

ここで大切なことは、“接続詞”の使い方です。「結論→理由→裏付け→結論」という流れの中で、次の内容に移る際に接続詞を有効に使うことが、話を分かりやすくするポイントになります。先程の例でいうと、「具体的には」「そのため」等の言葉が重要になってくるのです。
これらの言葉を効果的に使うと、聞き手は「次は例が示されるんだな」というように準備ができるのです。

2.全体像を先に伝える「ホールパート法」

まず全体(ホール、whole)の大まかな情報を示し、その後、個別の要点や事例等の部分(パート、part)について詳しく述べる方法です。

例えば、会社概要を質問されたとします。ホールパート法を使って、まず全体像を示してから答えると次の通りになります。

「私どもは、ハウスメーカーです。営業部とデザイン部、そして宣伝部と建築部門の4つの部署で構成されています」

これが、「部分」から説明が始まるとどうなるでしょうか?

「私は営業部に所属しております。その他、デザイン部、宣伝部、建築部門と全部で4部門がありまして、住宅をメインに扱っている会社になります」

これでは最後まで聞かないと、どんな会社なのか分かりません。「全体から部分へと話を進める」ということは、ロジカルに物事を伝える“鉄則”ですので、覚えておくと良いでしょう。

この手法は、相手と自分との間で情報量に差がある際に有効な手法です。新しい企画を説明する際や別の部署の人との会議等では、初めに全体像を示してあげると相手に予備知識を与えることができるでしょう。
例えば、会議の冒頭で「本日の議題はAのプロジェクトについてです」と述べてから説明を始めると、相手は全体を見通すことができ、より理解しやすくなります。

3.事実を客観的に伝える「時系列法」

物事を時間軸に沿って客観的に述べる手法になります。順序は未来から過去でも、過去から未来でも構いません。上司にトラブルを報告するケースを例にご説明しましょう。

「2日前に先方から電話がありまして、商品に欠陥があるとのことでした。ついては、昨日、検査に行ってきたのですが原因は不明でした。本日改めて調査、および部品交換に行って参ります」

時系列に沿って、主観を交えずに説明ができています。一方、次のケースはどうでしょうか。

「昨日、検査に行ってきた件ですが、やはり原因は不明でした。2日前に電話があったときから動かないという報告を受けていたので、ひょっとしたら初期不良かなと疑っていたのですが……。ついては、これからもう一度確認して、場合によっては部品交換を行います」

順序がばらばらであり、かつ主観や憶測が混ざっています。これでは、聞き手側は混乱してしまうでしょう。

時系列法は、極力主観的な意見は排除し、事実を淡々と客観的に伝えることが必要になります。事情説明やトラブル連絡、あるいはビジネスにおける“報連相”等の場面で、ロジカルに伝えることができるフレームワークといえるでしょう。

文章は短く、使うテクニックは決めておく

これらの技術を活用することで、“ロジカルに”相手に物事を伝えることができるはずです。最後に、ご紹介したテクニックを使いこなすための2つの基本をお伝えしたいと思います。

1つ目は、極力文章を短くすることです。これを心がけるだけで、簡潔でロジカルな説明にすることができるといえます。そのためには「。」をこまめにつける、「です」「ます」を多く使う等を意識すると良いでしょう。

2つ目は、どのフレームワークを使うかをあらかじめ決めてから、話の構成を考えるということです。

「今日の会議は、先日の商談の報告がメインだから、『時系列法』を使おう」、あるいは「今日のプレゼンは、『PREP法』で相手に納得してもらおう」のように、まず使う技法を決めてしまうのです。
こうすれば、あとは決まった枠組みの中で、話す内容と構成を考えれば良いので、口下手な人でも安心ではないでしょうか。

説明が上手い人は、プレゼンや営業でも有利になることはもちろん、相手に歩み寄れる人、人間関係作りが上手い人という評価を受けやすいものです。
同僚や上司からの信頼を勝ち得るためにも、あなたの「説明力」をアップさせる、ロジカルスピーキングを、ビジネスに取り入れてみませんか?

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)

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