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チームを変える!目標達成のための3ステップ

掲載日:2020年11月30日事業戦略

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「モチベーションが上がらない」「売上が達成できない」「予定通りに進まない」・・・・・・。組織においては、様々な問題が日常的に発生します。その理由は、そもそもの目標設定が妥当でなかったり、やり方が適切でなかったりするからではないでしょうか。
千葉ロッテマリーンズを始めとする多くのスポーツチームや企業のコーチング実績を持つ石井大貴氏(LOCON株式会社代表取締役)は、「目標を達成するためには3つのステップがある」といいます。
本稿では、石井氏が提唱する、組織として身につけておきたい目標設定の方法と、それをやり抜くためのノウハウをお伝えします。

時間の使い方を変える

まずは、一番手軽にできることから始めましょう。それは、「時間の使い方を変える」ということです。
「時間がない」と言う人は多いですが、実は工夫をすれば、時間を作り出すことは可能です。そのためには、まず「ムダな時間」、つまり「目的のない時間」を明らかにする必要があります。

例えば、情報収集としてSNSを使うのは“目的がある”といえますが、だらだらとTwitterを見てしまい、気づいたら1時間経っていたとなれば、これは「ムダな時間」です。
組織においては、目的のない会議や趣旨があいまいな資料を作成しなければならないときなどが、ムダな時間といえるかもしれません。

これを確かめるために、まずは、自分が1日にどの位、こうした「ムダな時間」を過ごしているのかを明らかにしてみましょう。
1時間刻み程度で「昨日の自分の行動」を振り返り、それを書き出してみます。余裕があれば、過去1週間分を書き出してみても良いかもしれません。
そして、そこから「何がムダな時間」であり、「何が重要な時間」かを検証・判断してみます。それを確かめたうえで、明日から、ムダな行動を極力少なくするように意識しましょう。

そして同時に、「重要な時間」と考えたものについては、明日からの行動の中で、それを重要視していきます。また、「重要な時間」と位置付けたものには優先順位をつけ、今後は、優先順位の高いものから順に取り組むようにします。

ただ、「重要な時間」と判断したものも、一気に、すべてを終わらせようと考える必要はありません。優先順位が1位のものから、それを満足いくまで取り組むことが、とても重要になります。それは、優先順位が高いと決め、それを取り組んだ時間の2割が、成果の8割につながるともいわれているためです。
こうして、個人やチームの時間の使い方を変えることが、目標達成の第一歩となるでしょう。

個人や組織の「行動哲学」を見直す

「行動哲学」とは、価値観や社会的使命、何かを考えたり行動したりする際の基準といえるものです。
したがって、個人における行動の指針が明確になれば、そこから外れたことは控えるようになりますので、自分が行うべきタスクが明らかになり、目標に向けてシンプルに考えられるようになります。
このことはチームにおいても同様で、ビジネスにおける“行動哲学”があることで、ブレずに本質的な事業を推進できるはずです。

ここで難しいのは、何を「行動哲学」の指針とするかです。
まず、指針を見つける手法ですが、個人の場合は、これまでの人生の中で「一番許せないと感じたこと」「一番嬉しく感じたこと」は何か、と振り返ってみます。
そしてさらに、それらに対して「なぜ許せないと感じたか」「なぜうれしいと感じたか」を深掘りしていきます。すると、自然といくつかのキーワードが出てくるようになり、自分の本質的、潜在的な価値観にたどりつきます。
そのキーワードとして出てきた言葉をつないだり、さらに言葉を加えたりしたものを、「行動哲学」として立体化していくのです。

組織の場合も同様に、自社の創業時やプロジェクト発足時から振り返ってみると、そもそもの狙いや役割、存在意義などが見えてきます。 例えば、エポックメイキングだった事柄、潮目となった出来事(ヒット商品が出た、社長賞を獲ったなど)、あるいはチームとして忘れられないほど悔しかったことなどを中心に、「なぜそうなったのか」について深掘りして、指針を明確にしていくのです。

こうして、ビジネスにおける指針を確立しておかないと、「そもそも、なぜ自分たちはこの仕事をしているのか」「このタスクに意味があるのか」と、モチベーションを維持することが難しくなってしまいます。 組織の「行動哲学」づくりに、ぜひ取り組んでおきましょう。

「なりたい姿」というゴールからスタートを見る

最後のステップは、目標をつくることです。これについては、企業であれば事業計画が、個人においてはキャリアプランが相当するかもしれませんが、加えてチーム単位でも目標をつくることをおすすめします。

まずは、「なりたい姿」「あるべき姿」をイメージします。それを実現するのは10年後でも15年後でも20年後でもかまいません。とにかく「こんなことをめざしたい!」「こうなっていたら楽しそうだな」という「ゴール」を設定します。

そして、「なりたい姿」に対して、「現在」のチームの姿について客観的な「事実」を書き出します。例えば、ゴールは「世界1位のシェア」だけれども、「現在は国内シェア2位」、といった感じです。こうして「ゴール」と「現実」のギャップを明らかにしていきます。
多くの組織では、ゴールは意識するが、現在を客観視するというアプローチを忘れがちであるように思います。まずは、自分たちの現在地や実力を分析して、やるべきことを明らかにしていきましょう。

その後、ゴールを目指して、長期(3年)、中期(2年)、短期(1年)における目標を設定し、それを達成するための計画書を作成します。
このとき、3年後、2年後、1年後、と遠い目標から順に考えてみましょう。未来から考えることで、やるべきことがだんだんと具体化されていくからです。
3年後だと、まだ漠然とした目標かもしれませんが、1年後となるとかなり具体的になってくると思います。さらに、この半年、この1ヵ月は何をすれば良いかと、ブレークダウンしていくと、「いま」やるべきことも具体的になっていきます。
周囲が驚くほどに可視化された目標数値や将来の鮮明な姿を意識することが、やり抜くためのポイントです。

計画書が一度完成したら、今度は逆に1年、2年、3年後・・・・・・と、未来に向かって「このときは、この目標で良いかどうか」を見直します。 ゴールからスタート、スタートからゴールという2つの方向から計画を確認することで、「これは現実的には難しいな」「これはいける」などの感覚を掴みつつ、妥当性のある計画書を作成することができます。

目標を現実に引き寄せるポイントは「PDCA」にあり

重要なのは、この計画書はこれで「完成」ではないということです。例えば、新たな事業が始まったときや新しいメンバーが入ってきたときなど、チームの方向性を再確認するタイミングで定期的に見直し、修正を加えます。
その際、「計画、実行、見返し・修正」(PDCA)というサイクルを回しつつ見直していくことが、目標を現実に変えるポイントになります。

ちなみに目標を設定する際は、1年後に“200%”など高い目標をめざすのではなく、少し頑張ればできそうな“130%”をめざすと、チャレンジングで楽しくなるでしょう。

チームに属する一人ひとりがこのようにして、時間の使い方を変え、自分の「行動哲学」を確立し、具体的な目標に落とし込んで行動できるようになれば、組織として怖いものはなくなります。
ぜひ、本稿を参考にして「目標を達成できる」組織となるべく、3つのステップにチャレンジしてみてください。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)

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