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掲載日:2020年11月2日

事業戦略

デキる経営者の「自己肯定感」アップ術

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企業経営や組織運営をしていると、リーダーには様々な苦難が降りかかります。特に、重要な判断をするときや取引先との複雑な問題を解決するためには、強い精神力が必要となるでしょう。
そんな経営者のメンタルに必要な要素の一つに、「自己肯定感」があります。
本稿では、不安な感情を払拭し、前向きに進んでいくために大切な自己肯定感を高める方法を解説します。

困難に直面しても、やり抜く力を身に付けるために

経営者や組織を率いるリーダーの仕事は、実に多岐にわたるものです。日々驚くような量の判断を求められ、その責任はすべて自分に重くのしかかります。決断が遅れたり、間違った判断を続けたりすれば、会社経営が行き詰まってしまうことがあるかもしれません。

例えば、売上や利益が減少し、このままでは経営が立ち行かなくなるという状況に追い込まれたとき、「経営が悪化しているのは自分のせいではない」「今回はツキがなかった」「国の政策が悪いからだ」と他責思考に陥ってしまう経営者もいることでしょう。
一方で、「自分にもっとできることがあるのではないか」「新しいビジネスを試すチャンスではないか」と考え、冷静に現状分析を行い、創意工夫をして環境の変化に対応しようとする経営者もいます。
その差を生み、リーダーの資質を決定づけているものこそが「自己肯定感」です。
これは文字通り「自己を肯定する感覚」、つまり、ありのままの自分を認め、“価値ある存在”として受け入れることを指します。

“自己肯定感が高い”とは、能力、見た目や所有している物などに関わらず、「無条件」に自分を認めることができ、自身の存在意義を揺るがないものにしている状態のことです。
ビジネスで考えれば、どんな困難に直面しても「自分はこの仕事を成し遂げることができる!」と思える心理状況が、自己肯定感の高い状態だといえるでしょう。

そんな気持ちを持っていれば、たとえ失敗したとしても、また、周囲から批判されたとしても、軸がブレることはありません。何かトラブルが起きたとしても、気持ちを切り替えて解決策を模索し、行動に移すことができます。
重要な判断をしなければならない立場にあるからこそ、経営者は自己肯定感を高めるようにしたいものです。

経営者・管理職が自己否定をしていると?

一方、“自己肯定感が低い”とは、ありのままの自分を認めることができていない状態です。
「ビジネスが成功しなければ自分には価値がない」「お金を稼げない自分には意味がない」などと、常に、自身に対してダメ出し(自己否定)をするようになります。すると、他者に対しても否定的になり、ひいては人間関係を悪化させてしまうこともあるでしょう。

以下に心あたりがあれば、自己肯定感が低くなっていると考えるべきかもしれません。

  • 課題を目の前にするとネガティブな感情が沸き起こり、対応が後手に回る。
  • 部下を信頼することができず、感情的に怒ったり否定したりしてしまう。
  • 他人の言動に振り回され、正しい経営判断ができない。

自己肯定感の低下によるネガティブな感情を放っておくと、負のループに陥ってしまう可能性があります。
また、負の感情を払拭しようと無理をすればするほど、心身ともに疲弊してしまい、正しい経営判断を行うことが難しくなってしまうこともあるでしょう。
経営不振が、リーダーの自己肯定感の低さに起因している場合、目の前の課題と複雑に絡み合って、さらに根深い問題になっていくこともあるかもしれません。

なぜ、自己肯定感が低くなってしまうのか?

では、自己肯定感を高めるためには、どうしたらいいのでしょうか?
まず、自己肯定感が低くなってしまった原因を探る必要があります。当然ですが、生まれたときから自己肯定感が低いという人はいません。自身の成長とともに、親や周囲からの影響を受けて、だんだんと低くなってしまうのです。

親が過保護・過干渉(あるいはネグレクト)であったり、感情的なタイプだったりした場合、子どもは親の顔色を伺うようになり、自分の意見を尊重できなくなっていきます。
たとえテストで90点を取っても「100点じゃなければ意味がない」と否定されて育てば、「自分には能力がない」などと自身を否定することが多くなるでしょう。
また、思春期以降の対人関係、失恋、受験・就職の挫折なども大きな影響を及ぼします。自分の学生時代を振り返り、ショックだった、あるいは恥ずかしかった出来事を思い出してみてください。その一つひとつが自己肯定感を低くした要因かもしれないのです。

自己肯定感を高めるためには、このように、過去を振り返ることから始める必要があります。まずは、今までの人生を客観的に見つめながら、いつ、どんなときに、どんなことで、ネガティブな感情を持ったのかを考えてみてください。
そして、そのときに沸き起こった感情を具体的に思い返し、なぜ、そのような気持ちになったのかを分析してみましょう。
そのなかで、当時とは別の角度から、そのときの感情を分析すると、「確かに、これでは自己肯定感が低くなっても仕方ない」とか、「あのとき、母親の気持ちはこうだったのではないか」というように、それらの出来事を自分自身でしっかりと理解できるようになるかもしれません。
ネガティブな感情を避けるのではなく、“受け止める”ことが、自己肯定感を高めるためには大切です。

“ポジティブな言葉”を自分自身に植え付ける方法

さらに自己肯定感を高めるためには、「私は私、他人は他人」という意識を持つことも重要だといえます。つまり“自分軸”を確立する必要があるのです。
自分を肯定できなければ、自分の軸を固めることは難しいでしょう。結果として、常に人の意見に流され、「自分はダメだ」と自己を否定してしまう可能性があります。

それを避けるためには、常に、自分の長所はどこかと考えてみることが重要です。そして、その長所を声に出して唱えてみたり、書き出してみたりするといいかもしれません。
また、短所についても見つめ直し、それを言い換えてみることも自己肯定感を高めることにつながります。
例えば、「短気」だったら「情熱的で動きが早い」、「心配性」だったら「慎重派で確認を怠らない」というように捉え方を変えてみるのです。
自分の長所を考え、短所も長所として捉えてみるということを繰り返すことによって、自己を肯定する気持ちが高まり、周りに流されることが少なくなって、確固たる自分軸が築かれていくことでしょう。

もうひとつ、自己肯定感を高める方法として「アファメーション」があります。これは肯定的な言葉を自分自身に語りかけるという方法です。
例えば、「私は経営者として十分な成果を上げている、社員もそれを実感している。それがなによりの生きがいだ」「私は今の仕事で、社会貢献をしつつ、家族を養うこともできている。これは誇らしいことだ」といったものになります。
このように、“ポジティブな言葉”を折に触れて、唱えたり、書いたり、見たりすることで、自分自身にプラスの「思い込み」をつくることができるでしょう。すると、その言葉が自身の考え方、思考として根付いていくかもしれません。
思考が変われば、行動が変わります。目標に向かって自然と行動する「クセ」が身に付くことでしょう。
つまり、アファメーションによって自己肯定感を高めれば、行動が変わり、結果が変わることも十分にあり得るのです。

経営者ならば、リーダーとして部下に厳しいことを言わざるを得ないときや、取引先とシビアな交渉をする場面があるはずです。また今後、苦境を乗り越え、よりいっそう強い組織をつくっていくためには、経営者自身の自己肯定感が大切になってきます。
そのためにも経営者は、自身の内面とじっくり向き合い、日頃から自己肯定感を高めるように努め、常に己の意思を貫けるようにしていきたいものです。

(記事提供元/株式会社プレジデント社 企画編集部)

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