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経営計画策定に必要なポイントとは

掲載日:2020年8月5日事業戦略

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「経営計画」を立ててみても、計画倒れに終わってしまうという例をよく聞きます。失敗するケースでは、もっともらしい数字やキーワードばかりが並んでいることが多いようです。そのような経営計画の場合は、経営者自身も、目標数字が指しているところなどについてきちんと把握していないケースが多く、これでは意味を成さないといえるでしょう。

経営計画とは経営者のビジョンを実現し、その結果、会社を良くしていく「社風づくりの道具」となります。従って、経営計画づくりは、人任せにせず、経営者自らが責任を持って策定する必要があるのです。そして経営者が進捗の責任者とならなければ実現はおぼつかないでしょう。
本稿では、経営計画策定にあたってのポイントを解説します。

経営計画策定の3つのポイント

経営計画策定において重要なポイントは以下の通りです。

  1. 1.経営者自らが、計画の実現を本気で信じる
  2. 2.細かく進捗を管理し、問題に早く気づけるようにする
  3. 3.思想と技術の両面で策定する

1. 経営者自らが、計画の実現を本気で信じる

経営計画が計画倒れに終わる最大の理由は、経営者が本気になって作っていない点にあるといえます。「作ったのはコンサルタントや会計事務所だから、この経営計画は自社の実態に即していない」と経営者が考えているようでは、とても達成はできないでしょう。

中小企業では、経営者が本気でやっていると分かったときに、初めて社員も本気で動くものだといわれています。経営者の行動が変わることで、社員も変わり、そこに良い社風が生まれるからです。経営計画の策定は、会社の体質の変革につながる一大事だという認識を持ちましょう。

経営計画の作成に当たっては、最終責任者が経営者自身であると強く意識して臨みましょう。中小企業の経営の未来は、経営者の双肩にかかっているといっても過言ではないからです。未来へ向けて計画を立てて会社を変革するということは、経営者自身が変わることであるといえ、その姿勢を社員に見せることが肝心です。そういった意味でも、トップダウンで、主要メンバーに指示を出しながら経営計画を作成すると良いでしょう。そして先述の通り、まずは自身が文章と数字を書いていくことが大切です。経営計画書は、社長の決意を文章にしたものであり、そこに経営環境の分析や評価が加味されれば、実現性が高い経営計画となると考えられます。

2. 細かく進捗を管理し、問題に早く気づけるようにする

経営計画書では、必ず具体的な到達点を設定しましょう。曖昧な目標ではダメです。経営計画の目標を基にして、部署ごとにより細かい行動計画が定まっていきます。そのため、根幹である経営計画の目標は具体的で誤解を生じない目標でなければなりません。

作成された経営計画書は、毎年、毎月、毎週、毎日という単位で必要に応じてブレークダウンし、経営者と従業員で共有してチェックしていきましょう。こうすることで、経営計画と実績のズレが分かり、なぜズレが発生したのかを調べることで、問題を素早く見つけ出して対策を打てるようになるでしょう。

また、1回目から優れた経営計画書ができるとも考えないほうが良いでしょう。実際に運用し、外部要因なども加味しながら、必要に応じて目標を修正していく必要があります。何年にもわたって経営計画を書き換えていくことで、初めて書いてあることが浸透し、社風になっていくのです。よって、経営計画の期間や粒度に悩んでいるならば、まずは長期のビジョンを描き、3年先の目標を設定した中期経営計画を作成しましょう。それを1年単位の行動計画に落とし込んでいくのが良いでしょう。

3. 思想と技術の両面で策定する

策定に際しては、内容として思想(経営理念、夢、使命感、ロマンなど)と技術(戦略・戦術、数字による売り上げ、粗利、人員、資金運用など)の両面に留意しましょう。

まずは、経営者が何のために会社を創業したのか、夢、使命感やロマン、理念を掲げていきます。次に、これらを達成する期限を長期事業構想書にまとめましょう。この長期構想は毎年、客観情勢の変化と社長のビジョンの発展により、絶えず書き換えられていくことになります。

この長期事業構想書を単年度に落とし込んだ行動計画書には、基本方針と個別方針を盛り込みます。

基本方針には、自分の会社を発展・繁栄させる方針を書きましょう。

(例)

  1. 1.業界日本一になる
  2. 2.社内の仕事のすべてにわたり、その良否の判断基準は「お客さまの立場になっているか」に置く
  3. 3.お客さまの数を増やす

このように、基本となる方針を明確にします。

さらに、より具体的な部門に関係する個別方針を考えていきます。

(例)

  1. 1.環境整備に関する方針
  2. 2.商品に関する方針
  3. 3.仕入れに関する方針
  4. 4.お客さまに関する方針
  5. 5.販売に関する方針
  6. 6.競合に関する方針
  7. 7.新規開拓に関する方針…

これらの個別方針について、それぞれどのように実現していくかを具体的に盛り込んでいきます。この段階では、トップの考えだけでなく、社員とのコミュニケーションを図りながら、現場の意見を反映していきます。そうすることで、計画がトップの独断ではなく、会社の総意となり、実現性が高まっていくためです。

以上のように、実効性のある経営計画策定にあたっては、経営者自らが責任を持って策定する必要があります。上記ポイントも参考に、社員も巻き込みながら、自社の経営計画を策定し直してみてはいかがでしょうか。

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–net21(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)」内の記事「経営ハンドブック(https://j-net21.smrj.go.jp/handbook/org/strategy.html)」を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

当初作成日:2019年9月30日

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