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在宅勤務に役立つ“孤独”解放のメンタルトレーニング

掲載日:2020年5月15日事業戦略

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多くの企業では新型コロナウィルスの影響で、長期間の「在宅勤務」を導入されています。それにより、不便さはもちろん、ライフスタイルの大幅な変化による家族との軋轢、そして、味わったことのない孤独感など、思いもよらない経験をしている方もいることでしょう。
「在宅勤務」という不慣れな環境であっても、ビジネスパーソンであるからには、これを「成長の糧」にできるメンタルスキルを身につけたいものです。さらに、経営者や管理職の方々は、社員が孤独感などの思いを抱えていることを理解した上で、それを実践できるような指導をすることができると良いでしょう。
本稿では、在宅勤務時に役立つメンタルトレーニング方法を紹介します。

問いかけ力を磨くエクササイズ

まず大切なことは、「在宅勤務」で味わっている苦難を、「何かを気づき、学びに変えるチャンスだ……」と捉えることです。こうすると、物事の見え方が変わり、人生をも変えるきっかけになるかもしれません。
そして、困難な出来事から何に気づくことができるのか、どんな学びにすることができるのかは、自分への「問いかけ力」が重要な鍵となります。
ここでは、自分への「問いかけ力」を磨くために、効果的な方法を紹介します。

  1. 心臓の辺りに手をあてて、呼吸に意識を向けながら呼吸を続け、気持ちを鎮めます。
  2. 自分のハートに問いかけてみます。
  3. 「この問題や困難から学べることや、気づくべきことは何だろうか?」
    「この問題や困難を経験して、得られるものは何だろうか?」
    「どうすればこの問題を、解決することができるだろうか?
    「そしてそのためには、どのようなステップを踏めばいいだろうか?」
    「今、何をする必要があるだろうか?」
    「今、すぐできることは何だろうか?」
    このように自分自身に問いかけて、あなたのハートからの答えを待ちます。
    また、あなたの気持ちや考え、感じていることにも意識を向けてみましょう。
  4. ③で答えを受け取ったら、それをノートに書き記します。その答えを見て感じたことや考えたこと、気づいたことを書き記し、それを見ながら、さらに考えを深めます。

自分自身への問いかけは、「気づき」のきっかけになります。今の気づきと明日の気づきは違うものです。問いかけを続けると、一年後はもっと違う気づきを得られますし、気づきの力は高まっていくのです。
このエクササイズを「在宅勤務」での日常生活の習慣にしていくことで、どんなことが起きたとしても感情に振り回されることなく、問題解決力が格段と身につくと考えられます。ぜひ、実践してみましょう。

ポジティブな未来を描く力をエクササイズ

次には、「在宅勤務」の中でも、自分の明るい未来を創造していくトレーニングを学びましょう。
オックスフォード大学の脳科学者であるエレーヌ・フォックスは、物事をどう見るか、どのように考えるかという心の姿勢を「アクティブ・マインドセット」と呼び、アクティブ・マインドセットが世界の見え方を決め、現実に起こることを左右し、幸せにも大きくかかわっているといいます。
つまり同じものを見ても、それによって何を認識するか、何を記憶するかは、アフェクティブ・マインドセットの影響によって違ってくるのです。また、物事をどう見るか、それにどう反応するかにより、実際に起こることも変わるとしてています。

悲観主義者は
すべての好機の中に困難を見つけるが
楽観主義者は
すべての困難の中に好機を見つける

ウィンストン・チャーチル

楽観的な人は物事の明るい面に、悲観的な人は暗い面に向かうといった捉え方の癖があります。ネガティブな心の動きとポジティブな心の動きは、それぞれ別の回路が担当していて、ネガティブなものに注意を向ける脳の回路を「悲観脳(レイニーブレイン)」といい、ポジティブなものに意識を向ける脳の回路を「楽観脳(サニーブレイン)」と呼びます。
どちらも人間にとってなくてはならないものですが、この2つのバランスこそが、生きる上で重要なことに気づかせ、生きることに意味を与えてくれます。

物事を悲観的に見るか楽観的に見るかで、同じ出来事をどう経験するかは大きく変わります。楽観脳と悲観脳の影響は生涯にわたって続きますが、脳はトレーニングすることで、脳回路の働き方を変えることができるといわれています。
楽観脳を手に入れるトレーニングをすれば、ポジティブな捉え方ができるようになっていきます。現在の「在宅勤務」の中における、楽観脳を鍛えるトレーニングを以下に3つ紹介しますので、実践してみてください。

― 楽観脳を鍛えるトレーニング ―

  1. 1.今日の良かったことを、毎日3つ見つける。
  2. 2.新型コロナウィルスの影響で良かったことがあるとすれば、それは何かを3つ見つける。
  3. 3.新型コロナウィルスの終息後に、何をしたいのかを考える。

孤独感を解消するメンタルスキル・エクササイズ

そして、いよいよ「孤独感」の解放です。孤独感については、同じ状況でも、感じる人と感じない人がいます。物事の捉え方は、人それぞれで違うからです。ただ、今までに味わったことのない「在宅勤務」の中で、会社の仲間に会えず、また、お客さまとも面談交渉ができないことによって、日に日に孤独感が増しているビジネスパーソンが多いのも事実です。
ここでは、孤独感を解消するために効果的なイメージトレーニングを3つ紹介しましょう。

1.応援されているところをイメージする!

多くの人が、応援の気持ちをこめて拍手しているところをイメージしてみましょう。そして、その応援が自分に送られているとイメージしてください。
目に見えない多くの存在が、あなたを応援していることをイメージするのです。孤独を感じるたびに、これをイメージしてみましょう。

2.同僚や上司から認められているところをイメージする!

職場にいる上司や同僚が、自分の仕事について、肯定的なリアクションをしてくれているところをイメージしましょう。

3.助言してほしいメンターを3人イメージして、助言をもらう!

アメリカ発祥の心理学「NLP」のスキルの中に、「3人のメンター」という手法があります。助言してほしいことを決めて、それに対してポジティブな助言をしてくれそうな人を3人選び、その人をイメージしながら、その人になりきって自分に対して助言をするというものです。これも実践してみましょう。

たとえば、「在宅勤務」で悩んでいることに関して、助言をもらえるとしたら、誰から助言をもらいたいでしょうか。会ったことがない人でも、すでにこの世に存在しない人でも、イメージすることができれば大丈夫です。3人をイメージしたら、どの位置から助言してほしいのか、3人の配置を決めます。そして、その位置に動き、その人になりきって自分に助言してみるのです。さらに、自分の位置に戻って、その助言を受け取るようにします。

その後、3人のメッセージの共通点を考えて、ワンメッセージにします。そして再び3人から、そのメッセージを言ってもらうところをイメージするのです。この手法を使うと、今の自分に必要なメッセージを受け取ることができるようになります。

新型コロナウィルスによる「在宅勤務」が、しばらく続く会社もあるでしょう。ただ、どこで勤務していても、心を一つにするために、本稿で紹介したメンタルトレーニングを活用して、ご自身や社員の「心の危機」にしっかりと向き合い、乗り越えていきましょう。

(文・メンタルトレーナー 加藤史子)

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