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日報を上司と部下のコミュニケーションツールにするには

掲載日:2020年1月22日事業戦略

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1日の活動記録を紙やメールなどで提出する「日報」を従業員に課している企業は多いようです。しかし、報告する部下は漫然と書き続けていて、受け取る上司も何となく流し読みしている、といったことになっていないでしょうか。日報の狙いは、上司であれば現場の進捗を確認したり、部下の成長に生かしたりすることに、部下であれば自己の振り返りや行うべき業務の確認に役立てることにあります。本稿では、この点を意識して日報を「使えるツール」にするためのポイントを紹介します。

日報を「使えるツール」にするポイント

ポイントは以下の通りです。

  1. 1.日報の目的や書き方を部下に丁寧に説明する
  2. 2.フィードバックを必ず実施する
  3. 3.効果が出るまで、長期戦を覚悟する

1.日報の目的や書き方を部下に丁寧に説明する

まず、日報の目的と意義を説明することが大切です。

日報は、上司と部下とのコミュニケーションツールであると同時に、書く本人の業務効率化や生産性向上のための手段です。その日の業務内容を改めて文字で整理することで、自分の仕事ぶりや顧客の反応などを振り返ることができ、良かった点や反省点を自然と確認することができます。さらに上司もその情報を共有できるので、有効な指導やアドバイスができるようになるでしょう。このような目的・意義を理解し、納得感を持つことが日報の習慣化に欠かせないと考えられます。
日報を習慣化するためにも、書き方で迷わないように、書くべき項目や、具体的な書き方についても部下にアドバイスすると効果的です。例えば、その日の業務を時系列で、5W1Hで記載するのを基本として、自分の気づいたことや反省点なども適宜書き込むようにすると良いでしょう。ただし、最初の段階から「あれもこれも書いてほしい」と欲張ると、書く項目や分量が多くなり、部下が日報を書きたがらなくなり逆効果となるので、控えたほうが良いかもしれません。

2.フィードバックを必ず実施する

上司は提出された報告はきちんと読み込み、部下へ必ずフィードバックするようにしましょう。「読んでもらえている」「自分の仕事ぶりをちゃんと見てくれている」と感じると、部下の承認欲求を満たし、関係性やモチベーションの向上につながります。逆に、せっかく提出したものを無視されたと感じれば、部下はやる気を失ってしまうでしょう。
部下の報告に物足りなさを感じると、「こんな書き方ではダメだ」と言いたくなってしまうかもしれませんが、日報の浸透を目的とするならダメ出しは控えて、「まずは褒める」姿勢が必要です。毎日、すべての内容に具体的なアドバイスやコメントをするのは容易ではありませんが、できるだけ相手の良いところを見つけ、そこについてコメントをすると良いでしょう。そのうえで、その良いところを伸ばすようなアドバイスを加えられると、なお効果的でしょう。

3.効果が出るまで、長期戦を覚悟する

日報を通じて、現場の小さな業務改善のようなアイデアが上がってくることもあるでしょう。実行できる内容であれば、すぐに採用してみましょう。自分の意見が形になれば、従業員のモチベーションも高まっていくでしょう。また、採用した業務改善の取り組みは全社で情報共有し、部門ごとに仕組みが異なることがないようにすると同時に、全社の生産性向上につなげていくことが重要です。

一方、経営方針に反映すべき重大な問題や社員の重要な気づきは、なかなか短期間では得られません。日報でこうした報告を継続して受け取っていくためには、長期的な日報の運用と信頼関係の醸成が欠かせないでしょう。日報で報告する習慣を続けていくうちに、従業員の考える力が少しずつ育っていくのを、腰を据えて待つ覚悟が必要となるといえます。

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–Net21(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)」内の記事「経営ハンドブック(https://j-net21.smrj.go.jp/handbook/org/reporting.html)」を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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