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売上げの8割はリピーターから。看板メニューを作り出す3つの方法

掲載日:2019年5月20日 事業戦略

キービジュアル

競争の激しい現代、飲食店が他店との差別化を図るなら、やはりメニュー作りが肝心。とはいえ、単に「おいしい」だけでは、お客さまを引きつけることは難しいと言われています。もう一度店を訪れたくなるような、魅力的な看板メニューを用意する必要があるのです。

集客につながる「看板メニュー」の重要性

事業売上の8割はリピーターから生まれると言われています。初めて店を訪れる「初回客」を、定期的に店を訪れてくれる「優良客」に引き上げなければなりません。そのため、再度訪れたくなるような、インパクトの強いメニューを提供できるかがポイントになってきます。また、飲食店は複数の人数で訪れることが多いので、話題になるような1品があれば顧客が新たな顧客を誘いやすくなりますし、いわゆる口コミ効果も期待できます。こうした積み重ねでリピーターを増やすことが、店を長く経営していく鍵となるのです。

ウリになる看板メニューとは

飲食店であれば、まずは舌で顧客を満足させることが基本。さらに、目から入ってくる情報も外食ならではの楽しみの一つです。

味を追求したメニュー

味といえば、まずは食材。例えば「蝦夷鹿」など、近所のスーパーでは見かけない食材を選んでこだわりをアピールする方法があります。「40日間熟成」など、分かりやすく数字で付加価値を高めることもお勧めです。
また、ワインのお店なのに看板メニューは「おでん」。そんな意外な組み合わせを狙ってみるのも一つの手でしょう。「なぜ?」「味は?」と顧客の興味をどんどん掻き立てます。

見た目を追求したメニュー

「皿からはみ出る」「大盛り」といった、お得感がひと目で分かるビジュアルはSNSで拡散されやすく有効です。例えば、同じローストビーフでも、調理した大きな肉の塊を見せてからスライスすれば、インパクトは変えられます。女性客を狙うなら、色鮮やかなソースやクリームなど、プラスアルファの飾りつけで華やかに見せるのも効果的です。
また、調理が完了した状態で提供するのではなく、最後にお客さまの目の前であぶるなど、最後の仕上げをわざとお客さまの前で行うようなちょっとした一工夫でインパクトを与えることができます。舌で楽しむだけでなく、目で見て楽しむ、耳で楽しむメニューもインパクトが強いと言えるでしょう。

看板メニューの適正価格は

看板メニューは競合他店に加え、自分の店のメニューの中でも目立たせることが肝心です。価格も「高い」「安い」のメリハリをつけて存在を際立たせましょう。

あえて高めの設定

珍しい食材を使っていたり、郷土料理などをウリにしたりする場合は、他店との比較要素が少ないことが利点。希少価値を出すために若干高く設定してみるのも良いでしょう。ぎりぎり手が届く価格設定ならば、「一度頼んでみたい」という心理を突くことができますし、「高くても必ず満足させる」という店の自信を示すことにもなります。

通常より安く設定

イクラやマグロなど、一般的に高級食材と認識されている食材であれば、価格が安いこと自体が大きなウリになり、新規の顧客を取り込みやすくなります。また、「これがこんなに安くておいしいのなら、高いメニューはもっと期待できそう」と、次の来店への動機づけになり、リピート率の向上につながる可能性があります。

看板メニューの見た目、演出方法

看版メニューはどのメニューにも増して、顧客の目・耳に留まることが大切です。しかし、ただ全面的にPRしても大きな効果は望めません。「押し」と「引き」のアプローチがポイントです。

魅力的なネーミング

「1匹丸ごと伊豆産伊勢海老カレー」など、ウリがはっきりしているものであれば、覚えてもらいやすいストレートなネーミングがお勧めです。一方で、創作料理やデザートなどは、顧客が「これはどんなもの?」と、思わず聞きたくなるような造語や、あえて抽象的な名前を付けることも効果があります。

ビジュアルの使い分け

見た目勝負のメニューは、もちろん写真を全面的に出したポスターなどで顧客を取り込みますが、どんなものか期待感をあおりたい場合は、あえてその全貌を見せないというのも手です。珍しいメニューなら、イラストで食べ方を伝授したり、その背景にあるストーリーをメニューに添えたりして、立体的なアプローチを心がけましょう。

看板メニューを作る際の注意点

看板メニューを作ることによって、店に興味を持ってもらうことにつなげられますが、その看板メニューの方針がぶれていては、逆に経営を圧迫しかねないので注意が必要です。看板メニューを作る際には、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。注意点を詳しく見ていきましょう。

価格の安さだけをウリにしない

「ここのお店の看板メニューの○○はこんな値段でこんなにお得」とSNSや口コミによる集客率の向上を期待できても、そればかり頼まれてしまっては、採算が取れなくなります。
そのため、看板メニューだけに注力するのではなく、原価率を考慮したバランス重視の経営体制を整えていくことが重要です。
もし、主力となる価格の安さをウリにした看板メニューを作成する場合は、先着○名さま限定にするなどの工夫を行うことで、採算を取ることができます。また、数量を限定にすることにより特別感を出すことができるため、リピーターの増加も期待ができます。
集客率の向上だけでなく、採算がとれるようバランスの良い経営体制を築くための工夫が必要であると言えるでしょう。

手をかけすぎない

看板メニューを五感で楽しむことができるような特別な演出を伴うメニューにする場合も注意が必要です。「こんなパフォーマンスをやってくれるよ」と、SNSで情報が拡散されることによって、高い集客率につながることが期待できます。
しかし、その看板メニューを採用したことで厨房の1人が手を取られてしまうなど、業務効率が下がってしまう場合、業務に大きな支障が生じてしまう可能性があります。穴を埋めるためにもう一人従業員を雇うとなると、人件費が増えてしまいます。また、その看板メニューのために新たな機材を使うことなどによっても、さらに諸費用が増えてしまう可能性があります。
このようなパフォーマンスを重視した看板メニューを掲げる場合には、上記の場合と同様、先着○名さまに限定するか、採算度外視で、他のメニューで利益率を高めるなどの対策が必要となってくるでしょう。

あくまでも看板メニューはきっかけ作り

看板メニューができたとしても、それで安心してはいけません。看板メニューはあくまでもお客さまに「これはなんだ?」と興味を持って足を運んでもらうためのきっかけ作りにすぎません。そのためリピートにつなげるには、他のメニューもしっかりとしている必要があります。「看板メニューはおいしいけど他が微妙だよね」と言われてしまうと、看板メニューを食べに来てくれたお客さまに満足してもらえず、リピーターを獲得することはできません。「ここのお店は看板メニューもいいけど他のメニューもおいしい」「この店は接客がいいからまた来たくなる」と言ってもらえるようなファンを増やしていくことが、リピーターの獲得、さらには経営を安定させる秘訣と言えるでしょう。

本コンテンツは株式会社USENが運営するサイト「canaeru」(https://canaeru.usen.com/)内の記事「売上げの8割はリピーターから。看板メニューを作り出す3つの方法(https://canaeru.usen.com/diy/p94/)」を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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