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今から取り組むべき、α世代へのマーケティング戦略

掲載日:2024年1月5日事業戦略

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ビジネスのトレンドが目まぐるしく変化し、テクノロジーが進化し続ける近年、「Z世代」をターゲットにしたマーケティングを重視する傾向がより強くなってきました。Z世代とは、1990年代半ば~2010年代前半に生まれた人を指します。
さらにZ世代の次の世代である2010年~2020年代に生まれた「α世代」と呼ばれるニュージェネレーションを、いかに取り込んでいくかに着目する企業も増加しているようです。2023年時点で13歳以下であるα世代を、今からベンチマークしておくべき理由は何なのでしょうか。
本稿では、α世代の特徴とともに、今後予測される彼らの消費行動に迫ります。

Z世代以上にデジタルとの親和性が高い、α世代の特徴

α世代が生まれた2010年代以降、スマホやタブレットなどデジタルデバイスは既に一般家庭にも普及していました。このため、幼少期から家庭の中などでスマホ等に接する機会が日常だったのが、α世代の大きな特徴です。
デジタルネイティブと言われているZ世代でさえ、スマホ、ダブレットデビューは中高生ですから、α世代はZ世代以上に早い時期からデジタル機器に触れる環境にあったことが分かります。

スマホやタブレットのみならず、スマートウォッチのように身に着けるウエアラブルなデバイスがより身近になり、α世代にとっては、将来的には体へ埋め込むタイプのITデバイスを活用することも当たり前になるかもしれません。
オンラインでのコミュニケーションや、デジタルを介したサービスの享受はもちろん、バーチャル空間でのやり取りがどの世代よりも日常的なものとして用いられるはずです。

日本では、2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されました。
プログラミングを学んだα世代にとって、デジタルデバイスは動画コンテンツを見て楽しんだり、写真を撮ってSNSでシェアしたりするだけのツールではなくなっているのです。

α世代にとって、画像編集、動画編集に加えて、自らプログラミングをしてコンテンツを作るのは特別なことではありません。作ったコンテンツを披露するのが、リアルの空間ではなくバーチャルの世界であるのも普通のこと。一度も顔を合わせたことがないような全世界の人とつながって、作ったコンテンツを一緒に楽しむことができるのです。
α世代は、オンラインだからこそできる楽しみを見出すことに長けているとも言えるでしょう。

このことは価値観の形成に大きく作用しています。「モノ」を消費することよりも、新しい体験や斬新なアイデアに興味を抱き、「コト」に対してお金を使うことに抵抗がありません。
むしろ、どれだけ価値ある「コト」が体験できるかが、彼らにとっての消費欲の源泉なのです。

デジタルデバイスを介して得られる情報やコンテンツ、サービスがあふれかえる中で、限られた時間でなるべく多くのことを受容し、消費しようという意欲が高いのもα世代の特徴です。
既に、Z世代にコスパよりも「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が見られますが、α世代はその傾向がより加速していくことでしょう。動画コンテンツの倍速視聴、映画や本はまず要約サービスを見る、音声コンテンツの“ながら聞き”などが、タイパ行動の代表的な例です。

また、SDGsや、多様性を尊重する社会の動きが当たり前のように広まっている時代で育つ世代であるため、α世代の行動の根底には常にサステナブル意識があるとも言えるでしょう。オンライン上で世代や人種、属性の異なる人と簡単にコミュニケーションを取ることに慣れているため、「人と違うこと」に対して抵抗が少なく、多様性に寛容な世代でもあります。

α世代に向けた、マーケティング手法 4つのヒント

なぜ、今後α世代の特質や動向を押さえておく必要があるのでしょうか。それは、時代の流れが過去とは比べものにならないほど速くなっていることが関係しています。

新しいデジタル技術が次々に誕生し、マーケティングに用いる手法の多様化が止まりません。
その移り変わりを注視し続けなければ、α世代が主要な消費世代になったとき、企業はそこで最適な手法を選ぶことができなくなる恐れがあります。
1年前、半年前の流行でさえ、古いと言われるような環境下で、α世代がそのときに飛びつくものは何なのか。選択を間違えないためにも、常に動向や興味関心に注意を払い、そしてデジタルツールやサービスの進化から目をそらしてはなりません。

では、現時点において、α世代に有効であると考えられているマーケティング手法とは、どのようなものなのでしょうか。4つの観点から見ていきましょう。

1.リアルよりバーチャル

例えば、小売業ならば実店舗を充実させるよりも、ECサイトの見せ方や導線に注力する方が、意味があるでしょう。
メタバース上に店舗を構えて、アバターを介して接客する「バーチャル接客」など、新しい売り場の設計について検討してみるのもよいでしょう。

2.文字より動画

次から次へと情報が目の前に流れていくことが当たり前。このようなα世代に、じっくりと文字を読むようなサービスは、今後、広がる可能性は少なくなりそうです。
製品やサービスの訴求は、TikTokやYouTubeのショート動画、Instagramのリールなど、動画で展開していく方が、閲覧率は上がるでしょう。動画を介した直感的なアプローチの重要性が、より高まることは確実です。

3.じっくりよりスピーディー

先述したように、α世代はとにかく短時間で多くの価値を得ること、「タイパ」を重視しています。
短く、端的に理解できる伝え方、何かをしながらでも無理なく受け取れる音声コンテンツなどがより好まれるはずです。途中離脱者が出ないよう、ECサイトで購入に至るまでの工程を極力減らすなどの努力も必要でしょう。

4.画一よりも個別

多様性が尊重され、自身の嗜好を表に出すことに抵抗がなくなれば、「みんなと一緒」のプロダクトより、自分用にカスタマイズされたものを手に入れたい意識が増すでしょう。カラーバリエーションや柄を増やす、セミオーダーシステムを導入するなど、選択肢を増やすのもおすすめです。誰にでも好まれるユニセックスなデザインを増やすといった工夫も必要となります。

常にデジタルテクノロジーと触れながら成長するα世代は、オンライン上で情報を共有し合いながら、様々な体験を積んでいきます。
そしてこの世代のコミュニティは細分化され、そして複雑化していくことが予想されます。このようなα世代の特性に合わせたアプローチを考えていくことが、より重要になります。

おわりに

デジタルネイティブで「タイパ」重視と言われるα世代は、Z世代の次にマーケットの中心を担うようになると年々注目を集めています。
サステナブル、ダイバーシティなど、この世代が当たり前となっている考え方をベースにするのはもちろん、今後数年は実際にα世代のためにお金を払う親世代にアピールできるかどうかも重要なポイントとなります。
「コト消費」を重視するα世代の価値観を意識しながら、常に時代の先を読む意識をもって、戦略をアップデートしていきましょう。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)
※記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。
※上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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