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3歩先へ! 「ビジネスSNS」活用術

掲載日:2023年7月3日事業戦略

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日本におけるインターネット広告費は、2021年に初めて、新聞・雑誌・ラジオ・テレビの「マスコミ4媒体」を上回りました。なかでも、幅広い世代が日常的に閲覧しているスマホを介した、SNSを活用する広告やPRには、多くの企業が力を入れ始めています。
もはや、SNSは友人同士で情報をシェアし合うツールの域を超え、企業と顧客の重要なコミュニケーションツールになったといえるでしょう。本稿では、様々な種類があるSNSそれぞれの特徴や、ビジネスで活用する場合の注意点などを紹介します。

幅広い世代が使う、代表的な3つのツール

今やSNSは乱立状態で、1人が複数のアプリをダウンロードしているのは当たり前。
なぜなら、それぞれに特徴が異なって、使い分けをしている人が多いからです。
まずは、3大SNSともいえる「Twitter(ツイッター)」「Instagram(インスタグラム)」「LINE(ライン)」の、特徴や好まれているユーザー層、どのような活用に向いているかについて、見ていきましょう。

●Twitter
<ユーザー層>
令和2年度総務省の調査によると、年代別で最も多く利用しているのは20代で79.8%。次いで、10代の67.6%が使っており、30代では48.4%です。
トレンドに敏感な若年層との接点創出に、適したSNSであるといえるでしょう。
男女比は、およそ半々となっています。

<特徴・向いている内容>
1回の投稿で全角140文字、半角280文字までのテキストをアップできるSNSです。
2023年2月(日本では3月)からは、有料プランである「Twitter Blue」に加入していれば、1回の投稿で最大4,000文字まで投稿できるようになりました。
文章に加え、写真や動画を投稿することもできます。

Twitterにはリツイート機能があり、フォロワーが自身のアカウントで投稿を拡散してくれれば、多くの人に情報を届けることが可能です。
リツイートされた投稿は、投稿元のアカウントをフォローしていない人の目にも触れることになります。
そうして、「いいね」やリプライ(返信)、さらなるリツイートが増えていき、いわゆる「バズる」という状態になれば、注目度はかなりあがるでしょう。

また、リプライを使って、直接フォロワーとコミュニケーションを取ったり、アンケート機能を使って複数の選択肢からフォロワーに選んでもらうことで、生活者の意識や傾向のリサーチをしたりすることもできます。

多くの投稿が常に流れていきますから、企業としては、期間限定のキャンペーン情報や最新のニュースなど、タイムリーな話題を提供することに向いているといえるでしょう。

●Instagram
<ユーザー層>
10代と20代が利用者全体の約70%を占めており、その内訳はほぼ同数。(※令和2年度総務省調査)
Twitterと同様に、若年層のユーザーが多いです。
男性は3人に1人、女性は2人に1人が利用しており、女性ユーザーの方が多い傾向にあります。

<特徴・向いている内容>
画像や動画に、テキストを添えて投稿できるSNSです。
ビジュアルがメインで表示されるため、写真や映像の美しさやインパクトが問われます。
また、24時間で自動的に消去されるストーリーズという機能があり、すき間時間に流し見する人が多いようです。
ちょっとしたお知らせやおすすめ商品の画像、限定感のあるコンテンツなどを投稿するのに向いているでしょう。

ライブ配信を行うことができるのも特徴の1つ。
アパレル企業などは新作をスタッフが着用して、丈感や色味、素材の雰囲気をリアルに伝えるのに活用していますし、商品のコンセプトや背景にあるストーリーなどを、開発者が直接フォロワーに伝える場所として、利用している企業もあります。

若い層、とりわけ女性をターゲットにビジュアルで訴求したい、ライブ配信でフォロワーとリアルタイムのコミュニケーションが取りたい、という企業に向いているのではないでしょうか。

●LINE
<ユーザー層>
10代~40代では9割以上が、50代も9割弱、60代も7割以上と、全世代でユーザーが多くいます。(※令和2年度総務省調査)
年齢を問わず、幅広く訴求したい場合に、適しているといえるでしょう。

<特徴・向いている内容>
テキストメッセージや通話で、コミュニケーションを取ることができるSNSです。
トーク一覧の最上部や、アプリ上でショート動画が楽しめる「LINE VOOM」、様々なメディアの情報が掲載される「LINE NEWS」などに広告を掲載することができ、自社アカウントを「友だち追加」していないユーザーにも情報を届けることができます。
また、自社アカウントを「友だち追加」すると、トーク画面でメッセージはもちろん、クーポンを届けるなどのコミュニケーションをとることも可能です。

トーク画面に表示される情報は、メルマガなどに比べて開封率が良いといわれており、キャンペーン情報や新商品発表などを効果的に届けることができるでしょう。
飲食店や小売店などでは、店頭で「友だち追加」をしたら割引を適用するなど、自社アカウントを友だちに追加してもらうための施策を様々に打ち出しています。

以上の3つは、わが国でもっとも多くのユーザーを抱えるSNSといっても過言ではありません。
それはつまり、日本中の広いターゲットとつながる可能性があるということ。
それぞれの特徴や機能を理解したうえで、目的や自社の商品、サービスに合ったものを選んで、チャレンジしてみると良いでしょう。

  1. 総務省調査「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より

動画投稿で、ブランディングやファン作り

最近は、企業が独自に動画を制作して、SNSを使って配信するケースも増えています。
動画投稿はどちらかというと、エンタメ要素が強く、企業のイメージアップやファンづくりに適しているといえるでしょう。
動画を投稿できるSNSは様々ありますが、ここでは「YouTube(ユーチューブ)」と「TikTok(ティックトック)」の2つを紹介します。

●YouTube
<ユーザー層>
総務省の調査によると、10代~40代は各年代の9割以上、50代でも8割以上が利用しています。
男女ともに8割を超える利用率で、幅広い人気がうかがえるでしょう。

<特徴・向いている内容>
様々な動画を投稿できるSNSです。
商品やサービスを動画で視覚的にわかりやすく紹介できることが、一番のメリットでしょう。
自社アカウントを開設して動画を投稿する方法以外に、広告を出稿することも可能です。

ただ、自社アカウントから動画を配信するにしても、一般ユーザーや芸能人、ユーチューバー、企業アカウントなど多くの動画が毎日投稿されていますから、差別化を図り、目に留めてもらう動画を制作するには、企画力と編集力が必要となります。
ユニークな内容を用意したり、テロップや効果音を使って工夫したり、労力がかかることは間違いありません。

オリジナルのマスコットキャラクターがいる企業では、アニメーション化したり、歌やダンスをする動画を制作したりして、自社のファンづくりに励んでいるようです。

●TikTok
<ユーザー層>
総務省の調査によると、全年代での利用率は17%ほどですが、10代では60%以上が利用しており、若い世代に圧倒的な人気を誇っています。

<特徴・向いている内容>
15秒から1分ほどの、短い動画を投稿できるSNSです。
AIを用いたレコメンド機能の精度が高く、関連深いと判断されたユーザーにおすすめの動画が表示されます。

そのため、フォロワー以外にも投稿が表示されやすく、多くの人から注目を浴びることも可能です。
また、動画の編集に利用できるエフェクトが、アプリ内で豊富に用意されているため、スマートフォン1つで撮影・編集をすることができ、YouTubeよりも手間がかからないといえるでしょう。

ハッシュタグ機能を使った「ハッシュタグチャレンジ」と称して、プロモーションキャンペーンを展開する企業も増えています。
企業がお題をユーザーに提示し、ユーザーはお題に沿って動画を撮影。そして指定のハッシュタグをつけて投稿するのです。

ある小売店では、人気TikTokクリエイターとコラボレーションして、店舗に設置する「POPを作ってみた」動画を募集。
ユーザーを巻き込む参加型キャンペーンで、若い世代を中心にファンづくりを実施しています。

これらのSNSは、動画をメインとしているため、企業の色が出やすいのも特徴です。
その企業の色こそがブランドイメージですから、それを出しやすい動画投稿型のSNSは、TwitterやInstagram、LINEと比べると、よりブランディングをしやすいかもしれません。
また、どちらも人気のクリエイターがいるため、コラボ動画を出すことで、計画的にリーチするターゲットを拡大することもできるでしょう。

ビジネスネットワークの拡大にも活用できる

最近は、顧客とのコミュニケーションだけでなく、ビジネスチャンスの拡大のためにSNSを活用する企業も増えているようです。
ビジネスに特化したSNSで代表的なものとして、「Linkedin(リンクトイン)」と「WANTEDLY(ウォンテッドリー)」を紹介します。

●Linkedin
原則としてユーザーは、実名で顔出し登録をする、ビジネス領域に特化したSNSです。
マーケティング、営業、ネットワーク構築などを目的として、幅広く利用されています。

また、中途採用の求人として活用している事例も少なくありません。
なぜなら、採用担当者はLinkedinで学歴・職歴・資格などを詳細に記載したユーザーのプロフィールを閲覧し、個別にアプローチすることができるからです。

●WANTEDLY
自身のキャリアプロフィールを作成し、興味を持った人同士がマッチングするSNSです。
転職希望者はもちろん、学生が就活で利用することも増えています。

過去の経歴だけでなく、「この先やってみたいこと」といった将来の展望をアピールすることができるので、志を同じくする、人や企業とつながりやすいのが特徴です。
記事を投稿することもできるので、社風や社内の魅力的な人材をアピールしたい場合に、適しているといえるでしょう。
それを見て興味を持ってくれた人は、自社とカルチャーフィットする可能性が高いはずです。

加えてこのサービスは、名刺管理やビジネスチャットなど、新機能の導入にも積極的なので、今後、活用の幅は増えるかもしれません。

必ず心得ておきたい注意点

SNSはすぐに始めることができ、ものによっては手軽に投稿できます。
一方で、不特定多数の人が閲覧できるため、企業として使う場合は、しっかりとルール決めをして取り組まなければなりません。

総務省は、社員が個人として所属会社の名前を明らかにしたうえでSNSを利用する場合や、SNSを業務で利用する場合において、留意すべき点を次のようにあげています。

  • 企業や組織のブランドイメージを損なう発言をしない。
  • 第三者にアカウントを乗っ取られないよう、アカウント情報(IDやパスワードなど)の適切な管理を行う。
  • 利用するサービスの規約を遵守する。
  • メンテナンスなどで、サービスが利用できない場合の運用を決めておく。

さらに、これらを意識したうえで、投稿に対して批判コメントなどが殺到する、いわゆる「炎上」の状態になってしまうリスクを念頭に置いておく必要があるでしょう。

既にSNSをビジネスで活用している多くの企業が、「ソーシャルメディアポリシー」などを作成し、ガイドラインを設けてブランドのイメージダウンなどを回避する対策を講じています。

加えて頭に入れておきたいのは、SNSはすぐに効果が出るものではないということ。
定期的に投稿を重ね、少しずつフォロワーを増やして、あらゆるステークホルダーと関係構築をしていくツールであると心得ておきましょう。

おわりに

SNSは、幅広い世代とつながることができる便利なツールです。
企業自らが好きなタイミングで情報発信をできるため、自由度も高く、認知度をあげる、ブランドイメージを訴求するなど、目的によっては大きなチャンスがあるといえます。
しかし、その分、使い方を一歩間違えれば、多大な損害へとつながるリスクがあるということも、忘れてはいけません。

どんな情報を、どのSNSを使って、どのように発信していくのか。
複数のプラットフォームに、ただアカウントを作って、とりあえず始めてみるのでは、高い効果は望めないでしょう。
リーチしたいターゲットやゴールとなる目的を定めるなど、戦略を立てたうえで、適切なSNSに注力する。
社内でじっくりと話し合い、自社に合った活用方法を模索しながら、しっかりとした規定のもと、使うことが肝要です。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)
※記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。
※上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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