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オンリーワンを生み出す「発想」の極意

掲載日:2023年2月1日事業戦略

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現代のビジネスにおいては、新たなサービスが次々と生み出されていきます。
数多くの競合他社の中から、自社が選ばれるための戦略として注目を集めているのが、他社にないオリジナリティー溢れる価値を提供する「オンリーワン戦略」です。
そして、自社にしかない「オンリーワン」を実現していくために欠かせないのが、「ひらめき」を生み出す発想力でしょう。
実は、こうした「ひらめき」は特別な才能がある人だけのものではなく、習慣によって得ることができるといいます。

本稿では、オンリーワンのアイデアを生み出すために必要な、発想力を養う術を紹介します。

オンリーワン戦略とは?

オンリーワン戦略というのは、他社にないその企業独自の価値を提供し、商品やサービスを選んでもらうための戦略です。
独自の視点で顧客の不安や不満を解決できるような仕組みや、今まで世の中になかった利便性が高い商品、革新的なサービス等によって、他社との差別化を図ることで、マーケットで安定したポジションを獲得していくことができます。

「オンリーワン戦略」に対して、他社と同じ条件で、自社を選んでもらうための戦略のことを「ナンバーワン戦略」といいます。
価格の安さ、広告宣伝効果による知名度、規模等によって、特定の業界でナンバーワンになるための戦略のことです。

現在では、インターネットの普及やライフスタイルの変化に伴い、ビジネスの流行り廃りが加速しています。

一度その業界でナンバーワンの地位を獲得したとしても、ライバルは次々と生まれてくるため、トップの地位を守り続けるのは至難の業でしょう。

特に、価格競争や規模で大手企業に太刀打ちするのが難しい中小企業にとって、ナンバーワン戦略をとるよりは、ライバルが真似することのできない独自のサービスや商品を作っていくオンリーワン戦略をめざしていくほうが、市場を生き抜くうえで効果的だといえるでしょう。

「ひらめき」は習慣から引き出せる

オンリーワンを生み出すために欠かせない要素の一つが、優れた「ひらめき」を生み出す発想力です。
ビジネスパーソンが新しいサービスや製品の開発、プロモーション企画を考えたり、顧客の問題を新たな視点から捉えることで改善につなげたり、企業の価値を高めるために重要な能力です。

とはいえ、今までにないようなアイデアを生み出すのは容易ではありません。
「優れたアイデアは、天才肌のクリエーターや才能に溢れる人にしか生み出せない」と思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。

しかし、発想力は日頃の習慣や心掛けで伸ばすことができる能力なのです。
また、アイデアを思い付くためにはいくつかの実践的なノウハウがあり、優れたビジネスパーソンの中には、日常的にそうした発想術を仕事に取り入れ、「ひらめき」を生み出している人も多くいます。

「発想力」を鍛える5つの習慣

発想力を鍛えるために行いたい習慣や、日常的に身に付けたい有効な思考法を紹介します。

1.好奇心を持ち続ける

レオナルド・ダ・ヴィンチは、「歴史上、最も強烈な好奇心を持った男」と評されています。
その興味の範囲は幅広く、絵画をはじめ、音楽や彫刻、植物学、地質学、物理学、幾何学、天文学、解剖学、乗り物や機械類の発明等、実に多岐に渡っていました。
そして、ダ・ヴィンチがそれらの分野におけるアイデアを書き留めていたインスピレーション・メモ等は、おおよそ8,000ページともいわれています。

こうしたメモから分かるのは、ダ・ヴィンチが普段からあらゆる物事に興味を抱き、旺盛な好奇心を持ち続けていたことです。
そして、感度の高い自らのアンテナで集めた情報を“アイデアの種”として記録してきました。
これら“アイデアの種”が、ダ・ヴィンチの創作が生まれる元となっていたのです。

発想力は、こうした幅広い物事に対する好奇心から生まれます。
自らが属している業界に関連することはもちろんですが、街でよく見かけるものやネットで得た情報について深く調べてみる、好きなものを追求していく等、好奇心を養うことで、新しい視点が生まれてきます。

2.「遊び」にアイデアの種を求める

前述の「好奇心を持ち続ける」という内容にも通じますが、良いアイデアというのは、職場にいるときより、街でぶらぶらしたり、書店で売れている本を眺めたりしているときにひらめくことも多いものです。
これは、仕事モードのときには、気づかないうちに「思考の枠」にはまってしまうからと考えられています。

「遊び」もひらめきには大切です。
事実、「遊び」が大事という考え方は、多くの企業にも取り入れられています。
例えば、検索エンジンとして最大手のGoogle(グーグル)には「20%ルール」と呼ばれる規約があり、それは業務時間の20%を自分の好きなことに使っていいというものです。
好きな事柄に時間を充てることで、仕事という「思考の枠」を一時的に外すことにつながるのでしょう。
事実、この「20%ルール」から生まれたとされるプロジェクトの中には、現在の主要サービスにつながったものも少なくありません。
イノベーションを生み出す企業ほど、遊びや新たな挑戦を重要だと考えているという一つの例といえるでしょう。
仕事という「思考の枠」を外すことで、自由な発想が生まれてくるのです。

3.遠くのものからアイデアを借りる

新しい事業やサービスを考えるときに、よく行われるのが模範です。
今世の中にあるものを真似て、自分の企画やサービスに置き換えていくことを指します。

この方法は、成功例があるため比較的リスクが少ないものの、結局は「二番煎じ」になってしまうというデメリットがあります。
新規性を欠くため、もとの事例に比べると社会からの注目や評価が下がり、大きな成功を収めることもなかなか難しいでしょう。

それに対して、これから進めようとする事業とかけ離れた、遠い業界のアイデアを借りる方法を「アナロジー思考」といいます。
物事を抽象化して、一見無関係な事柄から共通項を見出し、関連させていく方法です。

例えば、顧客に寄り添ったオリジナルの旅行プランを打ち出している会社が新しいビジネスを考えるときに、オーダーメイドの靴づくりで大成功している靴屋のサービスや顧客応対の方法、ホームページの作り、集客の仕方等を調査・分析して、成功パターンを取り入れる、等の方法を指します。
自社とはかけ離れた、異なる業界のサービスや商品から共通項を探し出し、ヒントやアイデアを得ることで、既存の事業にはないオリジナリティーを持った仕組みを生み出すことができるのです。

4.メモで発想を膨らませる

前述したように、「ひらめき」は、通勤の途中や本屋で雑誌を読んでいるとき、朝起きたとき等、ふとした瞬間に生まれることがあります。
そうした浮かんだアイデアが、ときに宝になることも。

まずは、ひらめいたときに必ずメモをする習慣をつけましょう。
そのときに心掛けたいのが、メモは一ヵ所にまとめるということです。
いつも決まったところにメモを書くことで、アイデアを一元化することができて、後から見返しやすくなります。

メモの書き方にもコツがあります。
革新的なサービスというのは、世の中の人の不満や欲求から生まれることも多く、そうした、課題を思い付いてメモを書くときに、同時に解決策も書き出していくのです。
そして後からでも良いので、その解決策が自分だけではなく、まわりの人のメリットになるかも合わせて考えてみてください。
想定する人は、同僚や家族など身近な人で大丈夫です。
そのようにして解決策を検証することで、利己的なアイデアに留まらない内容にしていくことができます。

5.インプットしたものをアイデアのヒントにする

アイデアは、何もない状態から湧いてくることより、インプットしたものから思い付くというケースが多いものです。
本や記事等からインプットしたときに、すぐに整理することで自分のアイデアのヒントにしていくことができます。
整理の方法としておすすめなのが、瀬田崇仁(せた・たかひと)さんの提唱する「A4マトリクス・ノート術」です。
まずノートを用意し、ページに十字線を引き、4等分にします。
そして、左上を「実行すること」、右上を「思いついたこと」、左下を「衝撃を受けたこと」、右下を「その他、重要なこと」と区分けしておきます。
例えば本を読んだときは、得た事柄を4つに分類しながら書き込んでいくのです。
そして「実行する」に区分けしたことは、少しずつでも必ずやる習慣をつけましょう。

このノート術は、本を読んだとき以外にも、旅行に行ったとき、映画を見たとき、誰かと話しをしているときなど、色々なシーンで使えます。
ノートにまとめておくことで、自分の考えを整理することができますし、ヒントが必要なときに、それに適したアイデアを見つけ出しやすくなります。
つまり、自分だけのアイデアの源となるのです。

おわりに

将来、企業が成長していくために重要とされる「オンリーワン戦略」を実践していくために必要な、「ひらめき」を生み出すための習慣についてご紹介してきました。

誰にでも「ひらめき」を生み出す発想力は備わっています。
ご紹介した習慣の中から一つでも良いので、自分に合ったものを実践していくことで、あなただけの「オンリーワン」を生み出していきましょう。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)
※記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。
※上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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