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掲載日:2021年7月2日

住宅ローンの頭金の目安は?
自己資金を用意するメリット・デメリット

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「家を買うなら、まずは頭金を貯めなきゃ!」きっと、そんなふうに思う方も多いことでしょう。一般的に住宅ローンを組む際には、頭金を用意するケースが多く見られます。もちろん頭金を用意せずに住宅ローンを組む、「フルローン」を利用することもできますが、できれば、いくらかまとまった金額を頭金とする方が借入金額および、月々の支払額を減少させることにつながります。では、住宅ローンの頭金を検討する際には、一般的にはどの程度の金額を用意すれば良いのでしょう?この記事では頭金の目安金額と、自己資金を用意するメリット・デメリットをまとめました。

1. 住宅ローン利用時に頭金はいくら用意する?

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マイホーム購入の際には、多くの人が住宅ローンを利用します。しかし住宅ローンだけで購入するケースは少なく、頭金としてある程度のお金を準備しているようです。

頭金とは

住宅ローンの頭金とは、購入する住宅の代金の一部として最初に支払う費用のことです。そして頭金以外の金額については、ローンに組み入れられ月々返済していくことになります。頭金なしで住宅を購入することも可能ですが、借入額が増え返済が苦しくなるおそれがあります。

なお、売買契約時に不動産会社に現金で支払う手付金は、そのまま頭金の支払に充当されるのが一般的です。手付金に加えて頭金を増やしたいときは、売買契約時から物件引き渡しとなる融資実行日までの間にその差額を支払います。

頭金として用意する金額の目安

国土交通省が発表している「令和元年度 住宅市場動向調査」によると、建物の種類別の自己資金額および自己資金比率は以下の通りとなっています。

注文住宅(土地代を含む):自己資金1,254万円、自己資金比率27.2%
分譲戸建住宅:自己資金1,021万円、自己資金比率26.5%
分譲マンション:自己資金1,755万円、自己資金比率39.4%
中古戸建住宅:自己資金1,010万円、自己資金比率39.1%
中古マンション:自己資金1,194万円、自己資金比率43.5%

これを見ると、新築住宅では購入代金の25~40%弱を、そして中古住宅では40%前後の自己資金を用意していることが分かります。とはいえ、この値はあくまでも平均値ですので、実際の頭金の額については、世帯年収や今後のライフイベントにおける支出などを考慮しながら決めていく必要があります。

一般的な頭金の目安については、物件価格の2割程度といわれていますが、もし、現在賃貸住宅に住んでいるのであれば、まず、毎月の家賃を目安に毎月の返済額を設定し、その額の返済と合わせた月々の支出額などに影響のない範囲で頭金を設定してみましょう。

2. 住宅ローン利用時に頭金を入れるメリット・デメリット

頭金が多ければ借入額を減らすことができますし、逆に少なければ借入額が増加します。これを念頭に、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

頭金を入れるメリット

・借入額を減らせる
物件価格のうち頭金として現金で払う分には利息がかからないため、頭金を多く払えば総返済額は少なくなります。また、月々の返済額が低くなる分、毎月の出費が少なくなりますし、余裕ができた際には繰り上げ返済を行うことで返済期間を短縮することもできます。

住宅にかかる費用は、購入したら終わりではありません。購入後には、「不動産取得税」や「固定資産税」の支払が発生します。また戸建ての場合、新築マンションなどと違い建物のメンテナンスや修繕の費用はすべて自分で管理し、用意しなければなりません。住宅購入後にいつ、どのくらいの出費が予定されるのかをある程度把握しておき、無理のない資金計画を立てておくことが大切です。

・金利が低くなる
住宅金融支援機構の「フラット35」では、物件価格に対する借入金額が90%以下、つまり10%以上の頭金を用意した場合に低い金利が適用されます。その結果、月々の返済額の減少、そして総返済額の削減につなげることができます。

また、住宅ローンの審査では、年収に対する借入金額の上限が決められています。頭金を多めに用意して借入金額を低く抑えると、審査に通りやすくなる可能性があるでしょう。仮に年収が低くても、頭金分の貯蓄がある方や、親からの資金援助を受けられる方は、希望額どおりの住宅ローンを組める可能性が高くなります。

頭金を入れるデメリット

・一時的に貯蓄が減る
マイホームの購入時には、頭金だけではなく、ローン事務手数料や保証料、各種保険料、登記費用などの諸費用がかかります。さらに引越しの費用なども見込んでおく必要があり、それらの総額の目安は購入価格の1割といわれています。これらの諸費用については、住宅ローンに組み込むこともできる場合もありますので、金額的に厳しい場合は金融機関に確認してみましょう。

また、家族のケガや病気といった不測の事態における出費にも注意する必要があります。頭金の額を決める際には、貯金額から当面の生活費や不測の事態に備えた金額を残し、それ以外のお金を頭金に回すことを考えるようにしましょう。

具体的には生活費の3~6ヵ月分を目安とし、収入が下がった際にも家族が不安を感じることなく暮らせるだけのお金は確保しておくと安心です。また、近いうちに子どもの教育費などでまとまった支出が見込まれているのであれば、その金額については必ず手元に置いておくようにしてください。

・住宅ローン控除の恩恵が限定的になるおそれがある
住宅ローン控除は、所定の要件を満たす住宅を購入し、さらに所定の条件を満たした住宅ローンを組んだ場合に、年末時点のローン残高の1%を所得税から控除できる制度です。

契約した時期や入居時期によって適用期間が借り入れから10年または13年と異なる他、10年目までと11~13年目では控除額の計算方法が異なります。また、所得税から引き切れなかった部分については、上限までの範囲内で住民税から指し引くことができます。

住宅ローン控除の上限額は年間40万円までとなっています。頭金を多く入れることで借入金額を下げ、毎月の返済額を減らすことができますが、上限までの控除枠の利用ができなくなるおそれがあることに注意しておきましょう。

3. 住宅ローン利用時の頭金についてのよくある質問

住宅ローン利用時の頭金についてのよくある質問

頭金を考える際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

頭金が貯まるまで住宅購入は控えるべき?

頭金を用意することで返済負担につながることは上で述べた通りですが、必ずしも頭金が貯まるまで住宅購入を控えなければならないということではありません。住宅購入にはタイミングがあります。頭金が貯まるのを待っていると、希望する住宅を購入するタイミングを失うことになりかねません。

頭金なしで住宅を購入するリスクは?

頭金なしで住宅を購入することは可能ですが、それには多くの注意点が存在します。まずは頭金なしで住宅ローンを借り入れる場合、借入金額が増え、その分返済の負担につながることが考えられます。また、売却を考える際にも、売却価格よりも住宅ローンの残債が多ければ、その分を自己資金で補う必要があります。

頭金を親から支援してもらうと贈与税の対象になる?

頭金を親もしくは祖父母から支援してもらう際には、住宅取得等資金の非課税の特例を受けることができます。住宅取得等資金の非課税の特例とは、親子間または祖父母から孫に対して、住宅の取得や増改築にかかる資金を生前贈与する際に利用できる特例です。

この特例を利用することで、贈与税の基礎控除110万円に加え、最大1,500万円までの贈与にかかる贈与税が非課税となります。適用を受けることができる人は、贈与者の直系卑属(子供や孫)となっており、配偶者の両親からの贈与は適用対象外となります。

4. 複数の金融機関でシミュレーションしてみよう!

ほとんどの金融機関において、公式サイトで住宅ローンを借り入れる際のシミュレーションサイトが用意されています。できれば複数の金融機関でシミュレーションを行い、比較してみましょう。シミュレーションでは、借入金額を入力することで、どのくらいの諸費用が発生するか分かるものもあります。諸費用が分かれば、用意できる自己資金額からどのくらい頭金に回せるか判断できるでしょう。

また、金利プランを変動金利にするか固定金利にするかで最終的な総返済額は異なります。それぞれのプランの特徴や注意点を理解したうえで、用意する頭金の額や金利プランを決め、無理のない返済計画を立てていきましょう。

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新井 智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者/一級ファイナンシャルプラン二ング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談の他、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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