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掲載日:2022年3月28日

住宅購入

今年お子さまが誕生予定。教育資金はどう貯める?住宅は買う?買わない?

フィナンシャルプランナー(FP)に相談してみた! 今年お子さまが誕生予定。教育資金はどう貯める?住宅は買う?買わない?

今回のご相談者(Tさん) 33歳男性(東京都) 年収:1,200万円(手取り856万円) 会社員(業種:IT系、勤続1年。通算では社会人12年目) 家族構成:妻(35歳、妊娠4ヵ月。昨年、妊活を機に退社) 住まい:賃貸マンション 金融資産:880万円

家計の状況と現在の貯蓄

FP豊田:Tさんは結婚3年目なのですね。ご夫婦でどのように家計管理をされていますか?

Tさん:給料が入ると、食費と日用雑貨、妻の小遣い分を引き出します。食費と日用雑貨は共有のサイフに入れて管理します。他は口座引き落としになっているので。

FP豊田:奥さまは昨年、お仕事をやめられたのですね。現在は専業主婦をされているのでしょうか?

Tさん:今は業務委託で事務系の仕事を始めたところです。収入は月3~4万円ですが、今後仕事をもう少し増やすかもしれません。子供は2人と考えているので、2人目が誕生したら残業のない会社に再就職をしてフルタイム勤務する、という話になっています。

FP豊田:奥さまの収入が減ったことに加え、お子さまが誕生すると、子供に関する支出が月2~3万円程増えるので、家計のバランスを取っていくことが大事な時期です。

Tさん:実は私も1年前に転職をして、収入がアップしました。妻が仕事をやめて減った分は補えています。

FP豊田:ボーナス支出の「消費財の購入」は一時的なものでしょうから、今後は一部を養育費に回せますね。2人目のお子さまが誕生して養育費が増えても、貯蓄額を減らすか、奥さまの収入を増やすことでコントロールできるので問題はなさそうですね。

Tさん:よかったです。

FP豊田:金融資産はどのように管理されているのでしょう。

Tさん:夫婦それぞれが個々に金融資産を管理している他、共有の貯蓄を妻名義の口座で貯めています。私の口座の預金300万円は特別支出用、30万円は赤字になったときの補填用です。

FP豊田:Tさんは持ち株の積立購入とつみたてNISAをされているのですね。

Tさん:はい。特に使途は設けていませんが、積立投信をしています。昨年末、特別支出用の預金を貯め終えたので、これからはボーナスから年200万円を投資に回していく予定です。ボーナスで積立投信や株式投資にチャレンジしてみたいと考えています。iDeCoは途中引き出しができないので、40代になったら始めたいと思っています。

FP豊田:投資信託の積み立てはつみたてNISAで体験されているので、始めやすそうですね。個別株投資は銘柄研究をしっかり行う必要があります。奥さまも少額でいいので、つみたてNISAを始めておかれるのもいいですね。

Tさん:確かにそうですね。相談してみます。

<収支>

  • *太字部分は貯蓄等の資産になる項目

毎月の収支

(円)

月間収入
手取り(夫) 430,000
手取り(妻) 30,000
月間収入合計① 460,000
月間支出・貯蓄
住宅費(家賃) 130,000
食費 40,000
水道光熱費 20,000
通信費 14,000
日用雑貨 10,000
被服費 10,000
小遣い(夫)ランチ・飲み会含む 50,000
小遣い(妻) 20,000
保険料(生命保険等) 14,000
持ち株会(給与天引き) 83,000
つみたてNISA 33,000
貯蓄(賃貸更新・火災保険)*1 6,000
月間支出合計② 430,000
毎月の収支
①-② 30,000
  • *124ヵ月で更新のため、この表では6,000円ずつを繰入

ボーナス収支(1年分)

(円)

年間のボーナス
年間のボーナス手取り(夫) 3,400,000
ボーナス合計③ 3,400,000
ボーナス支出・貯蓄(1年分)
特別支出(消費財の購入や旅行) 900,000
持ち株会(給与天引き) 500,000
貯蓄(投資に回す予定) 2,000,000
ボーナス支出合計④ 3,400,000
ボーナスの収支
③-④ 0

<金融資産>

(円)

名義 妻(共有財産) 夫と妻の合計
預貯金 3,300,000 1,500,000 2,000,000  
株式(持ち株会)* 1,500,000      
投資信託(つみたてNISA) 500,000      
合計 5,300,000 1,500,000 2,000,000 8,800,000
  • *転職後の会社で給与天引きで行っている

(円)

名義
預貯金 3,300,000
株式(持ち株会)* 1,500,000
投資信託(つみたてNISA) 500,000
合計 5,300,000
  • *転職後の会社で給与天引きで行っている

(円)

名義
預貯金 1,500,000
合計 1,500,000

(円)

名義
(共有財産)
預貯金 2,000,000
合計 2,000,000

(円)

名義 合計
5,300,000
1,500,000
妻(共有財産) 2,000,000
夫と妻の合計 8,800,000

出産・育児で受けられる支援等と教育資金

FP豊田:もうじきお子さま誕生で楽しみですね。予定は何月ですか?

Tさん:8月です。出産費用は、夫婦の共有財産から支払う予定ですが、自治体から支援等はありますか。

FP豊田:自治体で異なりますが、妊婦健診は原則14回無償です。出産費用も、Tさんの健康保険から出産育児一時金が42万円出るので、自己負担はさほど大きくないと思います。

Tさん:そうなのですね。今通っている産院は、出産で60万円以上かかるようなのですが。

FP豊田:出産育児一時金は、事前に病院で手続きをすることで、病院へ直接支払ってもらうことができます。そのため42万円との差額分だけ支払えばいいのです。

Tさん:そうなのですね。ちょっと安心しました。

FP豊田:お子さまが誕生したら、児童手当の手続きはお早めに。出生届を出しに行ったら、その足で手続きを済ませてしまいましょう。

Tさん:そういえば、児童手当の特例給付が廃止されると聞きました。

FP豊田:2022年10月以降は、主たる働き手の年収がおおむね1,200万円以上の世帯は廃止されます。実際は住民税で判定されるので、前年の所得や控除次第です。ちなみに、マイナンバーカードはお持ちですか?

Tさん:まだです。

FP豊田:自治体にもよりますが、「マイナポータル」で児童手当の申請や現況届などの手続きをオンラインでできるところが増えています。保育園の手続きをはじめ、子育て関係の行政手続きはマイナポータルが利用できるとラクですので、これを機に作られてはいかがでしょうか。条件によってはポイントももらえます。

出典元:総務省「マイナポイント第2弾

Tさん:いずれ作らなくてはと思っていたので検討してみます。

FP豊田:それと、お子さまの医療費が軽減される乳幼児医療費助成の手続きも早めに行いましょう。まずはお子さまが健康保険に加入する必要がありますので、誕生後速やかに会社で手続きを。お子さまの健康保険証が届いたら、役所で手続きをします。

Tさん:分かりました。

FP豊田:まだ生まれていませんが、お子さまの将来の進路などは考えていますか?

Tさん:大学まで国公立中心で行って欲しいと思っています。中学から公立の中高一貫校という選択肢も考えています。

FP豊田:幼稚園から大学まで、オール国公立で約1,000万円、オール私立で約1,800万円(大学は自宅通学、FP豊田試算)かかりますが、教育資金の準備はどう考えていますか?

Tさん:今後、投資に回す予定の年200万円+αの中から充てたいと思います。

FP豊田:国公立中心の進路の場合、貯めるべきは大学時代(19~22歳)の分です。目安としてお子さま一人あたり500万円程度を教育資金として準備しておけば、後は家計から補うことでまかなえますね。大学が私立になったり、大学院まで行くなど、進路変更の可能性もあるので、教育資金という枠で余裕を持って貯めておくことも大事だと思います。

Tさん:他の資金と分けて、枠を設けることも大事ですね。

FP豊田:現在、つみたてNISA口座で貯めている分を教育資金に充てる、というのも一つの方法です。リスク資産だけでなく、安全資産の定期預金や個人向け国債、財形貯蓄などと組み合わせて準備をしたいところです。

Tさん:参考にさせていただきます。

賃貸か購入か?住宅をどうする?

FP豊田:現在、何かお悩みがあるようですね。

Tさん:住宅に関してです。生涯住み続ける家を買うべきか、賃貸で過ごすべきか。双方にメリット・デメリットはあると思うのですが、どう選択したらいいか分からないのです。

FP豊田:それは悩ましいですね。

Tさん:持ち家はローンが終われば支払いは発生しませんが、住み替えの自由度がありません。賃貸だと家族構成や勤務地に応じて柔軟に選択できますが、老後も家賃を払い続けると考えると不安です。

FP豊田:まずはご夫婦にとってのメリット・デメリットを書き出し、さらに優先順位が高い要素は何かを整理してみると、何か見えてくるかもしれません。

Tさん:確かにそうかもしれません。

FP豊田:また、以下の表は、5,000万円のマンション(住宅ローン+管理費・修繕積立金+固定資産税で月平均約15.6万円)を新築で買った場合と、家賃15万円(更新料含め約15.6万円)のマンションを借り続けた場合の比較です。

Tさん:ほぼ同じ支払いということですね。

FP豊田:35年後はマンションの価値が「リフォーム費用+1,026万円」以上残れば購入した方が有利となります。50年後は購入の方が有利になりますが、建て替え期に入ります。あくまでシミュレーションですので、賃貸は何回引っ越すのかで礼金などのかかり方も違うでしょうし、お子さまが独立した後の老後は安い部屋に引っ越すこともあると思いますが。

Tさん:確かにそうですね!でも考え方の参考になります。

住宅購入と賃貸のシミュレーション

条件 5,000万円のマンションを購入 家賃15万円のマンションを借りる
一時金 頭金800万円+諸費用280万円 敷金・礼金 45万円
毎月
  • 住宅ローン124,522円(借入4,200万円、元利均等払い、ボーナス払いなし、全期間固定1.3%、35年返済)
月約15.6万円 家賃15万円 更新料含め
月約15.6万円
  • 管理費・修繕積立金 月2.3万円
その他
  • 固定資産税 10万円/年
2年ごとに 更新料1ヵ月
35年間の
支出合計
約7,626万円+リフォーム費用 約6,600万円
支出差 マンション購入の方が、1,026万円+リフォーム費用の支出が多い
資産 購入したマンション なし
条件 5,000万円のマンションを購入
一時金 頭金800万円+諸費用280万円
毎月
  • 住宅ローン124,522円(借入4,200万円、元利均等払い、ボーナス払いなし、全期間固定1.3%、35年返済)
月約
15.6万円
  • 管理費・修繕積立金 月2.3万円
その他
  • 固定資産税 10万円/年
35年間の支出合計 約7,626万円+リフォーム費用
支出差 マンション購入の方が、1,026万円+リフォーム費用の支出が多い
資産 購入したマンション
条件 家賃15万円のマンションを借りる
一時金 敷金・礼金 45万円
毎月 家賃15万円 更新料含め
月約15.6万円
その他 2年ごとに 更新料1ヵ月
35年間の支出合計 約6,600万円
支出差 マンション購入の方が、1,026万円+リフォーム費用の支出が多い
資産 なし
  • *住宅ローン控除額は加味せず
  • *固定資産税は翌年から支払い想定

FP豊田:住宅購入は、資産形成の側面と、満足度に集約されると思います。買った住宅が値上がりしていくか、上がらなくても同じ価値が保たれるのであれば、資産形成としての効果があると言えます。

Tさん:値上がりして、満足度も高いマイホームを見つけられればいいですね(笑)。

FP豊田:今、首都圏の不動産が高騰していて、物件探しが大変かもしれません。子育て環境を求めるなら郊外で探すという選択肢もあります。いずれにしても、常に物件ウォッチはしておいて損はないと思います。

Tさん:購入のタイミングはどう考えればいいでしょう。

FP豊田:お子さまが小学校に入学する前などに購入されるケースが多いように思います。環境面やお子さまの進路なども踏まえて選択できるからです。ただ、保育園激戦区だと、買ったけれど保育園に空きがないということもあるので注意が必要です。中学校入学に合わせて買うケースもありますね。

Tさん:金利が上がりそうなのも気になります。

FP豊田:税制や金利動向など環境的なタイミングで考えるなら、今は低金利期で住宅ローン控除も大きい(要件*を満たせば、一定額までの残債の0.7%が、新築で13年間、中古で10年間受けられる)ので良い時期ではあります。しかし、結局のところ、良い物件と出合えるかどうかになります。

  • *適用になる住宅ローン控除の内容について、詳しくはお近くの税務署または税理士等にご相談ください。
  • *出典元:国土交通省

Tさん:そうですね。物件も見ながら、もう少し考えてみます。

まとめ

結婚3年目で、もうすぐお子さまが誕生するTさん。奥さまが退社して在宅でできる仕事に切り替えたものの、一方でご主人が転職で収入増になったため、家計には特に問題はなさそうです。Tさん同様、奥さまも少額で良いのでつみたてNISAを始められるといいでしょう。

住宅に関してのお悩みは、メリット・デメリットや住宅に求めるものなどを整理していただくと見えてくるものがあるかもしれません。いつか良い物件と出合ったら、購入する前にキャッシュフロー表を作成することをおすすめします。

みずほ銀行内にはセルフでできるライフデザイン・ナビゲーションがあります。詳細なデータを入れて、自分の将来の資産をリアルにシミュレーションもできるので、ぜひ活用してみてください。住宅ローン額によって家計にどのような影響があるかをシミュレーションすることもでき、物件の価格帯や借入金額を検討する際の材料にもなります。

参照:ライフデザイン・ナビゲーション

豊田 眞弓さんの写真

豊田 眞弓

AFP、住宅ローンアドバイザー、相続診断士

マネー誌等のライターを経て、1994年よりFPとして活動。「人生の3.5大支出」(教育・住宅・老後+介護)に備え、ハッピーで持続可能な家計の実現をサポート。大学・短大で非常勤講師も務める。「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)など著書多数。趣味は講談、投資。

  • *記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。

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