ページの先頭です

掲載日:2021年1月28日

基礎編

実はみんなやっている?資産形成をしている人としていない人の違いとは

キービジュアル

最近、「資産形成」という言葉を耳にしませんか?人生100年時代ともいわれ、現役を退いた後の時間が延びつつあります。寿命が延びるのは望ましいことでもありますが、公的年金だけでは生活費が不足しがちだという現実もあります。そのため、老後に向けたお金の備えへの自助努力が求められているのです。
またお金を効率的に増やすには、運用を中心とした資産形成は欠かせないともいわれます。運用は、リスクを伴うから避けたいと感じる方がいるかもしれません。しかし、リスクを抑えつつ資産形成をおこなうこともできます。漠然と怖いから、分からないからといった理由で運用を避けていると、将来、後悔する可能性もありますし、若いうちから始めた方が時間を味方につけやすくなります。
それでは、どのような理由で、あるいはどのような手段で資産形成をされているのか、その実態を見ていきましょう。全国の20~50代の皆さんに回答いただいたアンケートを基に明らかにしていきます。

<アンケート概要>
調査名:資産形成に関するアンケート
調査方法:リサーチ会社を利用したWEBアンケート
調査期間:2020年12月8日 火曜日~2020年12月17日 木曜日
調査対象:20歳~59歳/400サンプル
本調査設問数:6問

資産形成をしている人が、全体の約6割

アンケート「資産形成をしていますか?」

「資産形成をしていますか?」という質問には、どの年代でも6割弱の方が「はい」と回答しています。すべての年代で、半数以上の方が資産形成に取り組んでいるようです。
注目すべきは、「はい(資産形成をしている)」と答えた方の割合が、すべての年代でほぼ同じということ。ファイナンシャルプランナーとして活動している筆者は、資産形成は年齢が高くなるほど、している割合が高くなる傾向があると感じています。今回のアンケート結果では、20~30代でも、40~50代の方と同じように、半数以上の方が資産形成をしていると回答しています。

これは、若い世代ほど、年金制度を始めとする社会保障制度の先細りへの危機感が大きいためではないでしょうか。自助努力が求められていることを強く認識して、自分の将来を自分の力で守るために資産形成をおこなおう、という覚悟がみえる結果といえそうです。

資産形成をしている理由、していない理由は?

資産形成をしている理由、していない理由

資産形成をしている理由の1位は「預金だけだと金利が少ないため」。確かに現在の預金金利は1%を大きく下回っており、預金だけで、「お金を増やす」のは難しい現実があります。もちろん預金も必要ですが、資産の一定割合は運用に回して、お金に働いてもらうことも必要になっています。
また2位には「やっておかないと将来が不安だから」、3位には「長期的な値上がりが期待できるから」が続いています。将来に備えて、長期的な視点で資産形成をおこなっているようです。

資産形成をしていない方の理由の1位は、「必要な資金が無いから」です。毎月数千円程度の積み立てでも資産形成は可能ですが、必要な資金がないからと回答された方の中には、100万円単位など、まとまったお金がないと資産形成は無理だと感じる方が少なくないようです。
一方で、資産形成をしている理由の4位に「少額でも取り組めるから」が入っています。資産形成をしている人は、少額でも資産形成ができることを理解しているようです。

また、資産形成をしていない理由には、「何をすればいいか分からないから」「漠然と怖いから」「面倒だから」という回答もあります。たしかに、例えば投資信託だけでも数千もの本数が運用されているため、何を選べばいいのか分からないというのも、無理もないことです。
ただ、分からないことを理由に資産形成を先送りしても、後々資産形成ができるようになる保証はありません。「必要な資金がないから」という問題をクリアするためにも、1日も早く、少額ずつの積み立てを始めてはいかがでしょう。みずほ銀行のつみたてNISAなら、長期の積立や分散投資に適した金融商品に対して、毎月1,000円からの積み立ても可能です。一度にまとまった金額での投資が難しくても、積立であれば、時間を味方につけて将来に備えることができます。

資産形成の目的は「老後資金」「将来の備え」

資産形成をしている人の目的

資産形成をしている人はどういった目的を持っているのでしょうか。1位は、「老後資金」を貯めるため。続く2位は、「将来への備え」でした。ここには「余裕資金を作りたい」という目的も含まれているので、多くの方が「長期的な視点で資産形成をおこなうこと」に関心があるようです。
3位、4位、5位には「マイホーム購入」、「教育資金」、「結婚生活や育児への備え」という回答が続いていることから、家族を持つことで必要になったお金を、計画的に準備しようとする姿勢も読み取れます。

資産形成の方法は? 最も多いのは「定期預金」

資産形成の方法

資産形成の方法の1位は、「定期預金」でした。資産形成をしている人の3人中2人が、定期預金を資産形成の手段にしていることが、アンケート結果から分かりました。続く2位は、「株式投資」。3位は「NISA・つみたてNISA」と続いています。

2位の「株式投資」は、約44%の方がおこなっていると回答しています。株式投資は自分で投資する銘柄を選定したうえで、売買をおこないます。経済状況や株式相場の動きなどに敏感になる必要もありますし、売買のタイミングを自分で考えなければなりません。「個別銘柄の選定を自らおこなう株式投資には苦手意識を持つ方が多いのでは?」と予想していましたが、アンケート結果では株式投資をおこなっている人が半数近くにのぼりました。

3位は「NISA・つみたてNISA」です。筆者はNISAやつみたてNISAを利用する際は、投資信託で運用する方が多いように感じています。つみたてNISAであれば少額での積立投資が可能なため、時間を味方につけられる若い世代の方や、教育資金などで家計に負担がかかりながらも将来に備えたい30~40代の世代にもおすすめです。特に投資信託の場合は、少額ずつでも投資対象を分散できるメリットがあります。NISAやつみたてNISAは年間の投資額に上限はあるものの、配当金や売却時の値上がり益が非課税になるのも、見逃せないメリットといえるでしょう。

もしかしたら、皆さまが想像しているより資産形成を積極的におこなう方が多いという現実が、アンケートの結果から浮かびあがったといえるのではないでしょうか。

まとめ

資産形成をしている人は、どの年代でも半数以上にのぼることが分かりました。また、資産形成の目的の1位は「老後資金」で、2位が「将来への備え」という回答から分かるように、長期的な視点で資産形成をおこなっている方が多いという現実も読み取れました。

実際の資産形成の方法は、定期預金、投資信託、株式投資を利用する方が多くなっています。投資信託や株式投資を利用している人の割合は、皆さんが想像しているよりも多かったのではないでしょうか。

そのような現実を踏まえますと、資産形成を怖いから、面倒だからと避けていると、10年後、20年後には、している人としていない人の差が、今よりも広がってしまいそうです。まだ資産形成をしていない人は、今回のアンケート結果が資産形成に関心を向けるきっかけになると良いですね。

畠中雅子さんの写真

畠中雅子さん

ファイナンシャルプランナー。新聞・雑誌・ウエブなどに多数の連載をもつほか、セミナー講師、講演、相談業務などをおこなう。ひきこもりのお子さんがいるご家庭に向けた生活設計アドバイスを行う「働けない子どものお金を考える会」、高齢者施設への住み替え資金アドバイスをおこなう「高齢期のお金を考える会」などを主宰。著書・監修書は、「ラクに楽しくお金を貯めている私の『貯金簿』」(ぱる出版)ほか、70冊を超える。

  • *記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。

関連記事

【初めての資産形成】つみたてNISAとiDeCoはどう違う?選び方を解説

「つみたてNISA」と「イデコ:iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、どちらも将来へ向けてお金を積み立てる制度で、税金面のメリットがあります。

【初めての資産形成】投資信託って何?株の売買との違いは?

資産形成を考えて、投資に興味を持つ方も多いのでは。「投資」というと、自身の知識と勘に頼って行う「株の売買」をイメージしやすいもの。

投資信託とは?なぜ資産運用をする必要があるのかをご紹介!

最近ではいわゆる「2,000万円問題」が話題となり、老後資金について不安を感じる方が増えているようです。

ご注意事項

  • 投資信託は預金・金融債・保険契約ではありません。また、預金保険の対象ではありません。
  • 投資信託については元本の保証はありません。元本割れのリスクや手数料などのコスト等、ご注意点がございます。
ページの先頭へ