中国の外貨管理2023
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2.個人口座の支払決済等に関わる規制強化 Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類口座の開設申請方法 決済口座の用途・使用制限 デジタル チャネルでの申請 可 不可 可 可 可 可注1 可 可 不可 開設できる決済口座数上限 2016年12月1日以降同一人物が同一銀行(法人,以下同じ)で開設できるⅠ類口座は1件のみ 同一銀行が同一人物のために開設できるⅡ類,Ⅲ類口座数は原則それぞれ5件以下 可 限度額あり注2,注4 限度額あり注3,注4 限度額あり注1,注4 限度額あり注6 限度額あり注6 (注1)本人確認後(銀行の窓口やセルフサービス型端末+銀行員による現場での本人確認,以下同じ),現金の預入・引出,非紐付口座からの入金が認められた。非紐付口座からの入金と現金預入の合計金額は累計で1万元/日を上限とし,年間では20万元を上限とする(銀発[2016]302号)。 (注2)Ⅱ類口座と「紐付口座」(同Ⅱ類口座開設申請者と同一名義のⅠ類口座)との振替金額の限度額について,銀行は預金者と協議し確定する(銀発[2015]392号)。 (注3)消費・費用納付限度額については,銀行は預金者と約定し,上限は1万元/1日とする(銀発[2015]392号)。 (注4)消費・費用納付,非紐付口座への出金,現金引出の合計金額は累計で1万元/日を上限とし,年間では20万元を上限とする(銀発[2016]302号)。 (注5)預金残高は2,000元を超えてはならず,超過資金を元のルートで同一名義のⅠ類口座へ払戻さなければならない(銀発[2018]16号)。本人確認後,非紐付口座からの入金が可能となり,入金額の上限は累計で5,000元/日,年間では10万元を上限とする(銀発[2016]302号)。 (注6)消費・費用納付,非紐付口座への出金の合計金額は累計で2,000元/日を上限とし,年間では5万元を上限とする(銀発[2018]16号)。 (注7)Ⅲ類口座経由で銀行からの小口融資の受取・返済が可能である。 (出所)「個人銀行口座に係るサービスの改善,口座管理の強化に関する通達」「個人銀行口座の分類管理制度を着実に実施することに関する通達」「個人銀行口座分類管理の改善関連事項に関する通達」 口座 分類 窓口 申請 セルフサービス型端末での申請注1 Ⅰ類 可 Ⅱ類 可 Ⅲ類 可 (注1)口座開設申請に対して,セルフサービス型端末を通じ受理し,銀行員が現場で申請者身分情報の確認・チェックを実施することである。 (注2)安全性の高い本人認証方式(電子署名など)によるログインであれば,本人が保有する同一銀行のⅠ類口座あるいはクレジットカード口座に紐付けたⅡ類,Ⅲ類口座を開設する場合,身分情報などの個人情報に変更がなければ,身分情報の記入や身分証の提示は不要となった(「個人銀行口座分類管理の改善関連事項に関する通達」(中国人民银行关于改进个人银行账户分类管理有关事项的通知)(銀発[2018]16号))。 (出所)「個人銀行口座に係るサービスの改善,口座管理の強化に関する通達」「個人銀行口座分類管理の改善関連事項に関する通達」「支払決済管理の強化による電信ネットワーク新型違法犯罪防止の関連事項についての通達」 口座分類 預入(存款) 金融商品の購入 振込・振替 消費・費用納付 現金預入・引出 Ⅰ類 Ⅱ類 Ⅲ類 限度額あり注5 人民銀行は2016年12月1日より「支払決済管理の強化による電信ネットワーク新型違法犯罪防止の関連事項についての通達」(中国人民银行关于加强支付结算管理防范电信网络新型违法犯罪有关事项的通知)(銀発[2016]261号)を施行した。法人・個人を対象とした口座保有や支払決済等に関する管理強化を通じ,サイバー犯罪の防止を図るとしている。個人口座の開設について,16年12月1日以降は以下の規制を設けている。 可注2 可注2 可 可 不可 87

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