中国の外貨管理2023
94/393

第4節 個人預金 4.協定預金 1.個人決済口座の分類管理 手続 No. 1 預金者は銀行と「協定預金契約」(协定存款合同)を締結する。 協定預金口座は,基本口座あるいは一般口座をベースとして,決済口座(A)と協定預金口座(B)がサブアカウントとして設定される。 預金者の預金はすべてA口座を通じて出し入れされ,最低留保残高を超える部分は,銀行はB口座に自動振替預入する。A口座の残高が留保額を下回るとき,銀行はB口座から不足分を振替える。銀行は四半期ごとにA口座,B口座に付利をする。 契約期間が満了し期間を延長しないときは,預金者は協定預金口座の元本利息を清算し,その全額を基本口座あるいは一般口座に入金する。 2 3 4 (出所)『商业银行金融产品手册』107頁 中国金融出版社 2001年 入,一括払出,また分割払戻しも可能である。 通知期間は,1日前通知と7日前通知の2種類がある。預入時には,金利,預入期間を定めず,預金者名,金額,通知期間(1日または7日)のみ届け出る。預金利息は,払戻日の公定金利及び預入期間によって計算される。 協定預金(协定存款)とは,口座開設銀行と預金者との間で決済口座の毎日の保留残高を定め,銀行は営業終了後,その保留残高を超える金額を協定預金口座に自動振替することをいう。また,決済口座の残高が最低保留残高に満たないときは,協定預金口座から振替預入する。 協定預金の手続は,次の通りである。 適用金利について,A口座の金利は流動性預金金利とし,B口座の金利は人民銀行が公表する協定預金金利とする。協定預金金利のレベルは,原則として流動性預金金利よりも高く,期間6ヶ月の定期預金金利よりも低いものとされている。 人民銀行は2015年12月25日付で「個人銀行口座に係るサービスの改善,口座管理の強化に関する通達」(中国人民银行关于改进个人银行账户服务加强账户管理的通知)(銀発[2015]392号,人民銀行公告[2020]3号により改定)を公布し,銀行決済口座に係る分類管理メカニズムを明確にした。口座の用途制限に応じ,個人決済口座をⅠ類口座,Ⅱ類口座,Ⅲ類口座の3種類に区分して管理する。このうちⅡ類口座,Ⅲ類口座に対し用途や限度額に制限を設けている。 86

元のページ  ../index.html#94

このブックを見る