中国の外貨管理2023
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7.日中ETF相互上場 管理規定」(境内外证券交易所互联互通存托凭证业务监管规定)を公布し,上海・ロンドン預託証券の相互上場という制度の適用対象につき,現在の上海証取に加え,深圳証取を追加した他,ロンドン証取からスイス,ドイツなど欧州の証券取引所まで広げ,従来の「滬倫通」を「中欧通」に拡大した。 これにより,科達製造,杉杉股份,格林美,国軒高科の4社は22年7月に相次ぎGDRを発行,スイス証取に上場した。現時点,三一重工や楽普医療,方大炭素,韋尓股份,杭可科技などはスイス証取に上場する計画である。 日本と中国は2019年4月下旬,ETFの相互上場で合意した。東京と上海の各証券取引所に,相手国の株価指数に連動したETF商品をそれぞれ上場させる。中国投資家の対日投資はQDII,日本投資家の対中投資はQFII制度を利用する仕組みである。 証監会は2019年5月,日中ETF相互上場における日本株ETFの登録申請を認可した。東京証券取引所は同月に,「MAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信」「One ETF南方中国A株CSI500」の上場を承認した。前者は上海証券取引所に上場する代表的な180社を構成銘柄とする「SSE180」の値動きに連動する商品,後者は,中国の中小型株式の代表的な株価指数であるCSIスモールキャップ500指数に連動する商品である。このほか,野村アセットマネジメントが華夏基金(チャイナ・アセットマネジメント),日興アセットマネジメントが易方達基金(Eファンドマネジメント)とETFの相互上場で提携しており,また華安基金や,南方基金,易方達基金,華夏基金4社は5月28日,自社が管理する日本株ETFの販売を開始した。 2021年1月,「第2回中日資本市場フォーラム」がオンライン形式で開催された。上海証券取引所はフォーラムで日本取引所と19年に合意した協定の更新・締結を行い,相互上場ETFの対象銘柄や規模の拡大で合意した。また,深圳証券取引所も日本取引所と相互上場ETFの展開などに関する協力覚書を交わした。 78

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