中国の外貨管理2023
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No. 「上海証券取引所とロンドン証券取引所預託証券相互上場業務監督管理規定(試行)」や,「預託証券発行及び取引管理規則(試行)」(存托凭证发行与交易管理办法(试行))が定めた発行要件に適合し,証監会の承認を取得すること。 海外発行者の時価総額は200億元を下回らないこと。時価総額は,申請日前120営業日の平均値を使用する。為替レートは人民銀行が発表した申請日前日の中間値を使用する。 ロンドン証券取引所での上場後経過年数は3年以上,かつメインマーケットでのプライマリー上場後経過年数は1年以上であること。 発行するCDRは5,000万枚を下回らない,かつCDRの時価総額は5億元を下回らないこと。 1 2 3 4 5 上海証券取引所が定めた他の要件。 内容 末決算,中間決算,四半期決算(発表している場合)を中国本土内で開示することも義務付けている。 CDRをクロスボーダーで原株式に転換する制度も設けられ,中国の証券会社が転換業務に参加する場合の条件などを規定。上海上場企業がロンドン証券取引所で取引されるグローバル預託証券(GDR)を発行する場合についての監督制度,発行条件,発行価格なども定められた。 一方,上海証券取引所は2018年11月2日,「上海証券取引所とロンドン証券取引所との預託証券の相互上場取引暫定規則」(上海证券交易所与伦敦证券交易所互联互通存托凭证上市交易暂行办法)等一連の業務規則を公布した。業務規則は,CDRの発行,原株との交換を受け付ける「クロスボーダー交換機関」が上海・ロンドン預託証券相互上場のマーケットメイク業務資格を取得しなければならないとしているほか,マーケット・メーカーの資格要件も明確にした 。また,CDRを発行する企業の要件について以下の5点を挙げている。 さらに,CDRを売買する個人投資家については,「申請前20営業日の証券口座及び資金口座での資産残高が1日平均で300万元を下回らない(信用取引で借り入れた資金と証券を含まない)」等の要件を設けている。 2019年6月17日,上海・ロンドン預託証券の相互上場,いわゆる「滬倫通」が正式に開始され,華泰証券(江蘇省南京市)が発行するグローバル預託証券(GDR)が,滬倫通で取引されるDRの第1号になった。 その後,中国保険大手の中国太平洋保険(CPIC)が2020年6月,水力発電大手の長江電力が同年9月,国投電力(SDICパワー・ホールディングス)が同年10月,明陽智能が2022年7月にGDRを発行,ロンドン証取に上場した。 しかし,現時点では,ロンドン証取上場企業によるCDR発行は未だスタートしていない。 また,証監会は2022年2月11日,「域内外証券取引所預託証券相互上場業務監督77

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