中国の外貨管理2023
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5.外国人に対するA株規制緩和 6.上海・ロンドン預託証券相互上場等 時期 2018年4月 証監会は2018年4月11日,香港証券先物取引委員会(SFC)と中国本土・香港株式相互取引の限度額を拡大することで合意した。香港を通じた上海,深圳の株式売買を行う「滬股通」と「深股通」の取引限度額は現在の1日当たり130億元から520億元に,上海,深圳を通じた香港株式の売買を行う「港股通」は,同1日当たり105億元から420億元に引き上げられた。 2020年11月 上海証券取引所,深圳証券取引所と香港証券取引所の3所は2020年11月,上海・深圳と香港の株式相互取引の対象銘柄を拡大することで合意した。具体的には,科創板上場銘柄(上証180,上証380指数の構成銘柄またはA株・H株同時上場銘柄),香港メインボードのバイオテック企業銘柄(ハンセン総合指数構成銘柄またはA株・H株同時上場銘柄)を相互取引の対象銘柄に追加するとした。 2022年6月 証監会は2022年6月24日,ETFを上海・深圳と香港の株式相互取引の適用対(出所)公開情報に基づき整理 内容 象に盛り込むとした。 76証監会は2018年9月15日,「『証券登記決済管理規則』の改定に関する決定」(关于修改《证券登记结算管理办法》的决定)を施行。同規定により,A株口座を開設できる投資家の範囲に「中国の個人,法人及び合名・合同会社」に加え,「規定を満たす外国人」(中国本土での外国人就労者,A株上場企業におけるストックオプションの付与対象となる本土外の外国人従業員)を追加された。また,同日に公布した「『上場企業株式報酬管理規則』の改定に関する決定」(关于修改《上市公司股权激励管理办法》的决定)(9月15日施行)により,A株上場企業のストックオプションの付与対象となる外国人の範囲について,中国本土での外国人就労者から,本土外の外国人従業員まで拡大された。8月16日付証券日報によると,A株口座を開設できる本土内就労の外国人は,証券監督当局が証監会と監督管理の協力体制を確立している国の国籍を持つ者に限られ,18年6月時点で証監会と協力体制を構築しているのは61ヵ国・地域である。 本土内で就労する外国人がA株口座を開設するには,口座開設の申請書やパスポートとコピー,勤務先からの就業証明,勤務先の営業許可証などが必要である。 証監会は2018年10月12日,「上海証券取引所とロンドン証券取引所預託証券相互上場業務監督管理規定(試行)」(关于上海证券交易所与伦敦证券交易所互联互通存托凭证业务的监管规定(试行))を公布し,同日より施行した。 同規定は,ロンドン上場の海外企業がCDRを発行して上海証券取引所に上場する場合の審査制度を制定。審査手続や申請必要書類のリスト,保証推薦人が果たすべき職責と義務,会計監査,認可を得られるCDRの発行数上限などを定めたほか,期

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