中国の外貨管理2023
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4.中国本土・香港地区の株式相互取引等の推移 時期 2015年4月 以降(続き) また,中国金融先物取引所は7月5日から,株価指数先物,特に中証500指数先物の取引を行う投資家に対し買建注文または売建注文の新規発注に制限を設けた。その後,中国金融先物取引所は,更なる抑制策として先物の証拠金比率の引上げや,新規注文上限を調整したりするなどした。 中国金融先物取引所は2017年2月16日,これまでの規制措置を緩和することを表明した。これにより,株価指数先物取引に関するルールはほぼ,15年の株式市場混乱前の水準に戻された。17年2月以降,中国金融先物取引所は,株価指数先物取引に対する規制を緩和しつつある。 2017年2月 以降 (出所)公開情報に基づき整理 時期 2014年6月 証監会は2014年6月13日,「上海・香港市場相互株取引制度の試行に関する若干の規定」を公布し,上海・香港の相互株取引に関するルールや,取引所及び証券会社等の役割・責任の所在を明確にした。 2014年11月 上海・香港株式相互取引(沪港通)は2014年11月17日から取引を開始した。マネーの急激な流出入を防ぐため香港から上海への投資額は1日当たり130億元,上海から香港には同105億元の上限を設けていたものの,開始当初の17日から21日までの5営業日で香港からの上海への買越額は236億元と,上限額の36%にとどまった。また,上海から香港への投資額は29億元と,上限額のわずか6%と低調であった。 2015年5月 証監会は2015年5月14日,「香港との相互認定ファンドの管理暫定規則」(香港互认基金管理规定)を公布し,7月1日より実施した。同規則は中国本土と香港地区の証券投資ファンドの相互販売を認め,ファンドの登録・販売,運用及び情報開示などに関する指針を定めた。中国本土の投資家が香港地区のファンドを,香港地区の投資家が中国本土のファンドをそれぞれ購入することが可能になった。 2016年8月 証監会は2016年8月16日,香港証券先物取引委員会(SFC)と北京で共同声明を発表し,深圳・香港株式相互取引(深港通)を原則承認した。対象銘柄について,深圳市場は,時価総額60億元以上の「深証成分指数」と「深証中小創新指数」の構成銘柄及び深圳・香港同時上場銘柄(A+H株)。香港市場は,「ハンセン総合大型株指数」と「ハンセン総合中型株指数」の構成銘柄,時価総額50億香港ドル以上の「ハンセン総合小型株指数」の構成銘柄及び本土・香港地区同時上場銘柄(A+H株)。上海・香港株式相互取引と同じく,香港から深圳への買越額に1日当たり130億元,深圳から香港への投資には105億元の上限を設けた。一方,深圳・香港株式相互取引には,累積の総額上限を設けない。上海・香港間で設けていた累積の総額上限(香港から上海への買越額で3,000億元,上海から香港への買越額で2,500億元)は撤廃された。 2016年12月 深圳と香港両証券取引所は12月5日,株式の売買注文を取り次ぐ相互取引を開始した。 (出所)公開情報に基づき整理 内容 内容 中国本土・香港地区の株式相互取引等の推移については下表の通り。 75

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