中国の外貨管理2023
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3.株価指数先物取引 時期 2015年7月~ 8月 2016年~ 2019年 2019年8月 上海,深圳証券取引所は改定後の「信用取引実施細則」を公布し,担保物の範囲を拡大し,追証の柔軟性を高めた。ロスカットライン(平仓线)が130%を下回らないとの制限を撤廃し,証券会社が顧客の信用状況,担保物の質及びリスク許容度等に基づき,顧客と話し合って最低保証金維持率を決めることに切り替えた。 (出所)公開情報に基づき整理 時期 2010年4月 2015年4月 以降 (出所)公開情報に基づき整理 内容 内容 証監会はパニック状態に歯止めをかけるため,15年7月1日に「証券会社信用取引業務管理規則」を公布し,同日より実施した。同規則に基づき,証券会社は顧客の信用状況に基づき,返済期限を適度に延ばすことが可能になった。また,証券会社は追証の期限や保証金維持率を自由に決めることも可能にした。 同日,上海証券取引所は「上海証券取引所信用取引実施細則(2015年改定)」に関する通達を発表し,これまで借株の返済は当日でも可能であったが,これにより,投資家は同一銘柄の売却と買戻を同じ日に執行することができなくなった。深圳証券取引所も同様の改定を行った。貸株を利用して1日に売買を繰り返す行為を制限することが狙いである。これを受け,一部の証券会社は貸株業務の停止を公表した。 7月9日,銀監会(現銀保監会,以下同じ)は銀行に対して信用取引関連の株式担保融資の規制緩和を発表し,株価下落で銀行への借入金返済が難しくなった信用取引の顧客を金融面から支援した。さらに,保監会(現銀保監会,以下同じ)も同様に,保険会社に対し証券会社との信用取引関連の返済期間の延長を要請した。8月3日,上海,深圳証券取引所は,信用取引規定を一部見直し,信用売りの決済期間を「T+0」(当日決済)から「T+1」(翌日決済)に変更すると発表した。 株式市場が落ち着きを取り戻したことに伴い,貸株業務は相次ぎ再開されていた。 株価指数先物は2010年4月16日から取引がスタートし,当初取引された指数は「滬深300指数」(沪深300指数,CSI300)であった。また個人投資家は指数先物取引に際しては取引口座に最低50万元を入金することが要求されている。 2015年4月16日,上証50指数(SSE 50),中証500指数(CSI 500)の先物取引が中国金融先物取引所で開始された。その後,株価指数先物取引や信用取引の過熱化により,同年6月から株式相場が混乱局面に入った。中国金融先物取引所は投機筋の過度な売りを抑制するために,中証500指数先物の空売りについて,7月8日から証拠金比率を10%から20%に,9日から更に30%に引き上げた。ヘッジ取引は除外された。 742010年1月,株式市場の改革措置の一つとして国務院は株価指数先物(股指期货交易,Stock index futures)の導入を承認した。株価指数先物は,06年9月に上海に設立された中国金融先物取引所 (CFFEX)を通じて取引される。 株価指数先物取引に関する出来事は下表の通り。

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