第１節 中国のインターバンク外国為替市場の概要 §第４章 外国為替市場と人民元 １．外国為替市場の仕組み 取引種類2 取引種類 No 1 人民元/外貨直物為替取引（人民币外汇即期）（RMB/FX Spot） 2 人民元/外貨先物為替取引（人民币外汇远期）（RMB/FX Forward） 3 人民元/外貨為替スワップ取引（人民币外汇掉期）（RMB/FX Swap） 4 人民元/外貨通貨スワップ取引（人民币外汇货币掉期）（RMB/FX Cross Currency Swap） 5 人民元/外貨オプション取引（人民币外汇期权）（RMB/FX Option） 6 外貨ペア取引（外币对） 7 外貨コール取引（外币拆借）（Foreign Currency Lending） （出所）CFETSウェブサイト No 中国のインターバンク外国為替市場は人民銀行の直属事業単位である中国外貨取引センター（中国外汇交易中心，略称「CFETS」）のシステムにより組成されている1。CFETSは本部が上海におかれ，1994年4月4日より正式な運営が始まった。本部と全国18都市（広州，深圳，天津，済南，大連，南京，厦門，青島，武漢，重慶，成都，珠海，汕頭，福州，寧波，西安，瀋陽，海口）のセンターの出先（分中心）とはコンピュータ・ネットワークで結ばれ，北京にはバックアップセンター（备份中心）が設置されている。 CFETSは会員制を採っており，直物市場の会員資格は銀行，ノンバンク金融機関，非金融企業が一定の条件を満たす場合に与えられ，インターバンク市場取引には会員のみが参加できる。 取引方式には，会員が価格をオファーし，コンピュータ・システムで成約させていく競争入札方式(Electronic Matching System，匿名取引なのでAnonymousともいう)に加え，OTC取引方式（OTC Trading System，相対取引なのでBilateralともいう）が2006年導入。現在は，ほとんどの成約はOTC取引による。 インターバンク外国為替市場での取引種類（2022年9月現在） 38 1 中国外貨取引センターの正式名称は中国語では「中国外汇交易中心暨全国银行间同业拆借中心」英文では「China Foreign Exchange Trade System & National Interbank Funding Center」と呼ばれているように，人民元のインターバンク資金・債券取引市場でもある。 2「人民幣」の日本語表記は「人民元」とし，英文表記にはRMB（Renminbi）とCNY（Chinese yuan）があるが，本書では引用先の英文表記をそのまま使用した。
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