中国の外貨管理2023
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① 経常項目の人民元の国境を越えた使用をさらに拡大する。経常項目の人民元クロスボーダー使用は人民元国際化の重要な基礎である。地域包括的経② 人民元の国境を越えた投融資ルートはさらに拡大する。人民銀行は引き続き金融市場の高水準の双方向開放を推進し,リスクヘッジ手段を充実させ,③ 二国間の通貨協力は引き続き二国間の通貨スワップを着実に推進し、通貨スワップの枠組みを最適化し,スワップがオフショア人民元市場の発展と④ 人民元国際化インフラはさらに整備される。域外人民元清算行制度を最適2.人民元国際化への見通し 2020年末時点で,CIPSには42の直接参加者,1,050の間接参加者が参加し,世界99の国と地域をカバーしており,業務ベースでは171の国と地域の3,300の法人金融機関をカバーしている。人民元業務の処理能力も大幅に向上し,19年のCIPSの業務量は人民元クロスボーダー業務全体量の54%を占め,20年末までの累計業務処理量は751.35万件,合計125.04兆元に達し,人民元のクロスボーダー決済の主要なルートとなっている。 人民元の国際化への展望について,「2021年人民元国際化報告」では以下の通りまとめている。 済連携協定(RCEP)の締結は,アジア太平洋地域の貿易発展を一層推進し,貿易投資活動における人民元の使用空間を広げていく。大口商品貿易の人民元決済はすでに一定の基礎があり,引き続き人民元のクロスボーダー使用の成長点となる見込みである。クロスボーダー電子商取引などの貿易新業態は人民元の使用シーンを豊かにし,対外貿易における人民元の使用を増加させる。 国外主体の人民元金融資産の配置の便利化レベルを高め,国外の中央銀行,通貨当局と準備管理部門の人民元準備資産の配置を支持し,人民元準備と投資貨幣機能を開拓する。自由貿易試験区(自由貿易港),粤港澳大湾区および上海国際金融センターの建設をめぐって,人民元の国境を越えた投融資業務の革新を推進する。 貿易投資の円滑化を支援する役割を果たす。「一帯一路」沿線国を重点に,中央銀行間の人民元決済協力を強化し,国外の人民元使用環境を最適化する。引き続き「条件が備わってからスタートする」との原則に基づき,人民元の関連国家通貨との直接取引を推進し,域外国の現地人民元外国為替市場の発展を支持する。 365 (一期)成功上线运行))

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