中国の外貨管理2023
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(3)外国投資家のクロスボーダー元建て直接投資(FDI) A.クロスボーダー元建て直接投資 2011年10月,商務部は外国投資家がクロスボーダー元建てによる中国国内での外資系企業の設立を許可した。13年12月3日付で公布された「クロスボーダー人民元国外貸付資金の使途 人民元・ 外貨一体化のマクロプルーデンス管理 国外貸付の 資金源 (出所)人民銀行など 項目 国外貸付の 金利及び期限 貸付資金の 回収 国外貸付のロールオーバー 関連情報の 報告・送付 (出所)人民銀行など 内容 ④貸付協議(外国語文書の場合,申請者の印鑑を捺印した中国語訳文を添付)。 ⑤国内貸付人の最近1期の監査済財務諸表。 ⑥国内貸付企業と国外借入企業の間の株式支配関係を証明する書類。 ⑦銀行が審査の職責を尽くすために必要とする追加書類。 【国外貸付専用口座閉鎖時の銀行による審査書類】 申請書。主な内容には,国外貸付金の元利金返済状況,貸付残高の処理状況(元利返済が終わっていない場合)が含まれるが,それらに限定されるものではない。(匯律発[2018]10号) 取扱銀行は,国外借入人の経営規模が借入規模と相応しいか否か,及び国外貸付資金の実際の使途を厳格に審査し,国外貸付使途の真実性及び合理性を確保しなければならない。(銀発[2016]306号第4条) 国外貸付業務に対し,人民元・外貨一体化のマクロプルーデンス管理を実行する。国内機関の国外貸付業務について,元建て国外貸付の残高及び外貨建て国外貸付の残高の合計は,最高でその前年度の監査済財務諸表における所有者権益の30%を超えてはならない。(匯発[2017]3号第9条) 貸付人は個人の資金を利用して借入人に対し国外貸付を行ってはならず,自身の債務融資を利用して国外貸付のために資金源を提供してはならない。(銀発[2016]306号第6条) 貸付人の国外貸付の金利は商業原則に合致し合理的な範囲内で協議して確定しなければならない。ただし,ゼロを上回らなければならない。貸付期間は原則として6ヶ月から5年未満でなければならず,5年以上の場合は当地の人民銀行分行・支行に報告・届出しなければならない。(銀発[2016]306号第7条) 取扱銀行は貸付人に遅滞なく貸付資金を回収することを注意喚起しなければならない。借入人が期限を超えても返済しない,かつ貸付人が説明することを拒否,もしくは説明の合理性が欠ける場合,取扱銀行はそれのために新たな国外貸付業務の取扱を一時停止しなければならず,かつ遅滞なく所在地の人民銀行分行・支行に報告しなければならない。(銀発[2016]306号第8条) 国外貸付はロールオーバーすることができるが,原則として同一の国外貸付のロールオーバーは1回を超えてはならない。(銀発[2016]306号第8条) 取扱銀行は遅滞なく,正確に人民元クロスボーダー受取・支払情報管理システムに関連口座情報,クロスボーダー収支情報,クロスボーダー融資情報を報告し,かつ収支情報の取引備考欄に「国内貸付」の文字説明を追記しなければならない。(銀発[2016]306号第11条) 352

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