中国の外貨管理2023
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項目 国内企業(放款人,以下「貸付人」という)が決済銀行(经办行,以下「取扱銀行」という)を通じて,人民元資金を国外企業(借款人,以下「借入人」という)へ貸し付ける行為,もしくは企業グループ内のファイナンス・カンパニーを経て,委託貸付の形で決済銀行を通じて人民元資金を国外企業へ貸し付ける行為をいう。 本通達がいう国内企業とは,中国国内(中国香港,マカオ及び台湾地域を除く)で登録・設立した非金融機関を指す。(銀発[2016]306号第1条) 元建て 国外貸付業務 (出所)人民銀行など 項目 人民元 プーリングによる国外貸付の決済業務 貸付人に対する要求 所在地の外貨管理部門における登記手続 人民元 専用預金口座 内容 内容 民元貸出を奨励(第2条)。また,国内銀行が実行する国外貸出は原則として国外企業の経営範囲内の関連支出に限定する(第7条)。このほかに,匯律発[2018]10号では,国外貸付の実務の取扱についても,詳しく説明している。関連法令の概要は以下の通りである。 株式支配関係もしくは同一の親会社によって最終支配し,かつ1社のメンバー機関によって地域本部もしくは投資管理機能を行使する国内の非金融機関は,人民元プーリングモデルを利用し,国内銀行へ人民元プーリングによる国外貸付決済業務の展開を申請することができる。(銀発[2013]168号第3条第1項) 貸付人は登録・設立して1年以上で,借入人との間に持分関連関係を有していなければならない。(銀発[2016]306号第3条) 取扱銀行は貸付人が元建て国外貸付業務を取り扱う前に,所在地の外貨管理部門にて関連登記手続を行うよう要求し,企業の国外貸付残高の上限内でそれのために業務を取り扱わなければならない。(銀発[2016]306号第2条) 元建て国外貸付業務を展開する国内の非金融機関は,国内銀行へ人民元専用預金口座の開設を申請し,元建て国外貸付のみに利用しなければならない。 同時に,元建て国外貸付は必ず,貸付人の人民元専用預金口座を経由して元建てで回収しなければならず,且つ還流金額が貸付金額及び利息,国内所得税,関連費用などを含む合理的な収入の合計を超えてはならない。(銀発[2013]168号第3条第3,5項,銀発[2016]306号第9条) なお,国内企業は国外から元建て借入1件に対して複数の人民元専用預金口座を開設することができ,また複数の国外人民元借入に対して同一の人民元専用預金口座を通じて資金の受取・支払を行うことができる。人民元専用預金口座は原則上借入企業の登録地の銀行で開設すべきであるが,実需がある場合,遠隔地で開設してもいい。(銀発[2020]330号) 【国外貸付専用口座開設時の銀行による審査書類】 ①申請書。主な内容には国外貸付の基本状況,国外貸付の限度額の登記状況,口座開設際の通貨種類などが含まれるが,それらに限定されるものではない。 ②銀行による人民元口座開設時の基本的な審査書類。主に営業許可証,法定代表者の有効な証明書など。 ③業務登記証憑。 351

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