中国の外貨管理2023
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項目 国内機関が国外直接投資主管部門の認可/届出を経て,人民元資金による設立,合併・買収,持分出資などの方法で,国外で企業を新設すること,もしくは企業またはプロジェクトの全部あるいは一部所有権・支配権または経営権などの権益を取得することを指す。(匯律発[2018]10号) 国内機関が国外直接投資主管部門の認可/届出を経て,設立(独資・合弁・合作),合併・買収,持分出資などの方法で,国外で企業を新設すること,もしくは既存企業またはプロジェクトの所有権・支配権または経営権などの権益を取得する行為について,所在地の銀行で国外直接登記手続を行わなければならない。(匯律発[2018]10号) 人民元国外直接投資の定義 人民元 国外直接 投資登記 (出所)人民銀行など 項目 国外直接投資外貨登記 人民元国外直接投資の前期費用登記手続 前期費用 払出の制限 国外直接投資における外貨資金の同時 利用 国外直接投資振出資金の 内容 内容 行跨境人民币业务展业規範(2021版)が公布,実務について詳細の説明がなされた。関連法令のポイントは以下の通りである。 ①直接投資外貨(外貨預金(现汇)・人民元を含む,以下同)登記は,申請者が後続の直接投資に係る外貨業務を取り扱うための前提である。2015年6月1日より,申請主体が登録地の銀行で関連直接投資に係る外貨登記を行い,業務登記証憑(銀行業務印を捺印)を受領する。この業務登記証憑を以って直接投資関連口座の開設や資金の振替などの後続業務を行う。(匯発[2015]13号,匯発[2019]39号により改定) ②複数の国内機関が共同で1件の国外直接投資を行う場合,1社の国内機関に統一授権し,その登録地の銀行で国外直接投資に係る外貨登記を申請する。銀行は,外貨管理局資本項目情報システムを通じ,国外直接投資に係る外貨登記を行った後,そのほかの国内機関はそれぞれの登録地の銀行で業務登記証憑を受領する。(匯律発[2018]10号) 銀行による審査書類は以下の通りである。 ①営業許可証及び組織機構コード証(「三証合一」の場合,新しいバージョンの営業許可証を提供)。 ②国外直接投資外貨登記業務申請表。 ③国有企業の国外投資の場合,国有資産管理部門及び財政部門の許認可文書が必要。 ④注意先の顧客について,上記の書類のほかに,別途で規定されたほかの書類の提出が必要。(匯律発[2018]10号) 国内機関が払出した前期費用の累計額は,原則として国外直接投資主管部門に申告した中国側投資総額の15%を超えてはならない。国外での買収・合併などの業務により,上記の比率制限を超える必要がある場合,所在地の外貨管理局へ関連書類を提出し,説明しなければならない。(匯律発[2018]10号) 元建て国外直接投資関連業務につき,同時に外貨資金を利用する場合,国内機関及び銀行は外貨管理の関連規則に基づき,国外直接投資外貨資金の振込・振出手続を取り扱わなければならない。(人民銀行公告[2011]第1号第9条) ①銀行が国内機関のために振出した国外直接投資に係る元建て・外貨建て資金の合計は,国外直接投資主管部門が認可/届出した国外直接投資資349

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