中国の外貨管理2023
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可 外貨カード分類 コーポレートカード個人外貨カード (出所)「銀行外貨カード管理の規範化についての通達」 (2)国外での国内外貨カードによる現金引出の制限 使用場所 中国国内 国内の銀行の営業窓口 カード発行金融機関の営業窓口 国内ATM 人民元現金引出 可 可 可 外貨現金引出 不可 カード発行銀行窓口不可 2018年1月1日以降,カード1枚につき1日1万元相当額となっており,また,「本人名義の銀行カード(家族カードを含む)による海外での現金引出金額は毎年累計10万元相当額を超えてはならない」へと変更されている。 (3)国外での国内銀行カードによる消費 「銀行外貨カード管理の規範化についての通達」(关于规范银行外币卡管理的通知)(匯発[2010]53号)の付属文書1「国内銀行カードを国外で使用する取扱店の分類コード」(境内银行卡在境外使用的商户类别码)では,カード取扱店分類コード(Merchant Category Code;MCC)は,「完全禁止」(完全禁止),「金額限度制限」(金额限制)及び「完全開放」(完全放开)の3種類に分かれた。 ① 完全禁止類に分類された取扱店ではカード決済での取引はできない。例えば金融機関での金融商品取引や賭博代などである。 ② 金額限度制限類に分類された取扱店は,主に酒類販売店などが含まれるが,1件当たりの取引金額が5千米ドル相当を超えてはならない。 ③ 完全開放類とは,取引金額に対する制限がないカード取扱店をいう。ホテル,交通機関等への支払,免税店,デパート,スーパーでの買物,雑貨店,医療,美容,学校学費の支払などにおけるほとんどの国外消費は金額制限なくカード決済ができる。 (4)国内外貨カードでの貸越の弁済 国内カードに国外での消費もしくは現金引出により貸越が発生したときは,カード保有者は自己保有の外貨資金で弁済するか,カード発行金融機関で外貨転して弁済に充当できる。カード発行金融機関が上記の外貨転業務を行うとき,外貨転の金額は外貨の貸越限度額を超えてはならず,且つ購入外貨は必ず貸越の弁済に充当しなければならない。 (5)国内銀行カードの国外取引に対するモニタリング・管理の強化 外貨管理局は2017年5月26日付で「金融機関による銀行カード国外取引情報の報告に関する通達」(关于金融机构报送银行卡境外交易信息的通知)(匯発[2017]15号)を公布し,国内の銀行カード発行金融機関が中国国内において発行した決済機関のマーク付きの各種銀行314

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