中国の外貨管理2023
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(2)国外個人 A.経常項目に係る元転の取扱 国外個人の経常項目受取外貨(事業性資金を除く)の銀行への売渡額が年度総額の5万米ドルを超える場合は,本人身分証明書及び取引に対応する証明資料を銀行に提出する。取引種類と提出証明資料は次の通りである。なお,1件当たりの金額が5万米ドル相当を超えるときは,元転後の人民元資金を取引相手方の国内人民元口座に直接振込入金しなければならない(「細則」第11条)。 また,「経常項目手引(2020年版)」第58条では,国外個人は本人の有効な身分証明書類及び取引金額を記載した元転後人民元資金使途の関係資料に基づき,銀行で経常項目に係る元転を取り扱う場合,年度総額を費消しない形でできる旨を定めた。なお,1件当たりの金額が5万米ドル相当を超える場合,元転後の人民元資金を取引相手方の国内人民元口座に直接振込入金しなければならないとした。 B.資本項目に係る元転の取扱 「細則」第3章では,国外個人の資本項目の外貨収入に関する具体的取引に応じた取扱を次の通り定めた。 「経常項目手引(2020年版)」第88条では次の通り定めた。 取引種類 家賃類の支出 生活消費類の支出 治療,学習等の支出 その他 (出所)「個人外貨管理規則実施細則」 取引種類 国内での不動産売買に係る外貨の受取・支払 B株への投資,国内金融商品への投資に係る外貨の受取・支払 (出所)「個人外貨管理規則実施細則」, (3)個人の手持ち外国通貨現金の元転の取扱 年度総額の費消 年度総額を 費消する 証明資料 証明資料 規定の内容 本人の有効な身分証明書類に基づき銀行で取り扱う。 本人の有効な身分証明書類,税関が捺印した「税関申告書」,あるいは本人のもとの預金先の銀行での家屋管理部門で登記した家屋賃借契約書,インボイスあるいは請求書 契約書あるいはインボイス 国内の病院(学校)の料金証明 関係証明及び支払証憑 「不動産市場の外貨管理を規範化することに関する問題についての通達」(关于规范房地产市场外汇管理有关问题的通知)などの関係規定に基づき取り扱う(「細則」第21条)。具体的な手続きは「資本項目手引(2020年版)」6.10に基づく 国外個人は関係規定に基づき国内B株へ投資が可能である。その他の国内で発行,流通している各種金融商品は,適格海外機関投資家(QFII)を通じて取り扱われなければならない。(「細則」第22条) 取引内容 当日の外貨現金の元転累計額が1万米ドル相当以下の場合 当日の累計額が 1万米ドル相当を超える場合 308

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