中国の外貨管理2023
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第3節 個人の外貨売買業務 1.個人の経常取引に係る外貨転 国内個人の外貨転に対して年度総額管理が実施され,年度総額は1人当たり毎年5万米ドル相当である(「細則」)。 (1)非事業性の外貨転 「非事業性の外貨転」とは貿易決済以外の経常項目の外貨転を指す(「個人外貨管理規則」(銀行令[2006]第3号))。 A.年度総額内での外貨転 個人は本人の有効な身分証明書類に基づき銀行で年度総額内での元転・外貨転を取り扱う。身分証明書番号が明記された戸籍簿,臨時身分証明書は国内個人の有効な身分証明書類とすることができる。個人は銀行の窓口あるいはEバンクを通じて元転・外貨転を取り扱うことができる(「経常項目手引(2020年版)」第55条)。個人は近親者に,年度総額内での元転・外貨転の代行を依頼することができる(「経常項目手引(2020年版)」第61条)。 なお,個人のオンラインショッピングに係る元転・外貨転について,クロスボーダー外貨支払業務試行対象の決済機関あるいは個人の決済口座を通じて行う場合,年度総額の枠を占用しない。(「経常項目手引(2020年版)」第66条) また,外国人永久居留証を所持する国外個人にも年度総額の規定が適用される(「経常項目手引(2020年版)」第59条)。 両替後未使用の人民元を外貨へ逆両替するときは,本人の有効な身分証明書類及びもとの外貨交換計算書(兑换水单)に基づき取り扱う。もとの外貨交換計算書による逆両替の有效期間は交換日から起算し24ヶ月とする。当日の累計交換額が500米ドル相当以下,及び出国前の国内関税地域外での当日累計額が1,000米ドル相当以下の交換は,本人の有効な身分証明書類のみで取り扱うことができる(「経常項目手引(2020年版)」第60条)。 B.年度総額を超える場合の外貨転 年間総額5万米ドル相当を超える場合でも「本人の有効な身分証明書類」及び「取引金額の記載された関係証明資料(有交易额的相关证明材料)」に基づき銀行で取り扱う(「細則」第12条)。 (2)事業性の外貨転 国内個人は本人の有効な身分証明書類及び取引金額を記載した外貨転後外貨資金使途の関係資料に基づき,銀行で経常項目に係る外貨転を取り扱う場合,個人の年度総額を費消しない(「経常項目手引(2020年版)」第56条)。個人は他人(近親者を含む)に,個人の年度総305

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