中国の外貨管理2023
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第1節 個人外貨取引の分類及び管理 中国では個人保有の外貨は現金のほか,外貨預金への預入や人民元への両替をすることができる。外貨預金からの払出は一部を除き制限を受けない。なお,外貨転枠は2007年2月1日からは年間1人当たり2万米ドルから5万米ドルにまで拡大された。 2018年1月1日より,海外での銀行カード(人民元カード,外貨カード)による現金引出の上限は,カード1枚につき1日1万元相当額に統一され,「本人名義の銀行カード(家族カードを含む)による海外での現金引出金額は毎年累計10万元相当額を超えてはならない」となった。 2020年5月20日付で公布された「貿易の新業態の発展支持に関する通達」(匯発[2020]11号)では,国内個人の越境ECに係る元転・外貨転,国内個人・国外個人の市場仕入貿易に係る元転について,取引額掲載の証明書類あるいは取引の電子情報が提供できれば,その個人の年度総額に計上されないとした。また,20年8月31日付で公布された『「経常項目外貨業務手引(2020年版)」の印刷・公布に関する通達』(匯発[2020]14号)では,個人の外貨管理に係る一部実務の細則を明確にした。 個人外貨に対する管理に係る主な規定には,2007年2月1日から施行された「個人外貨管理規則」(个人外汇管理办法)(中国人民銀行令[2006]第3号,以下「規則」という)及び「個人外貨管理規則実施細則」(个人外汇管理办法实施细则)(匯発[2007]1号,以下「細則」という),20年8月31日に公布された『「経常項目外貨業務手引(2020年版)」の印刷・公布に関する通達』(国家外汇管理局关于印发<经常项目外汇业务指引(2020年版)>的通知)(匯発[2020]14号,以下「経常項目手引(2020年版)」という),21年1月22日公布の資本項目外貨業務手引(国家外汇管理局综合司关于印发《资本项目外汇业务指引(2020年版)》的通知)(匯綜発[2020]89号,以下「資本項目手引(2020年版)」という)などがある。 「規則」及び「細則」は個人外貨取引を次の通り区分している。 300*** Point ***! 第16章 個人の外貨管理

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