中国の外貨管理2023
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第1節 対外送金手続の簡素化 取・支払との一致性(交易单证的真实性及其与外汇收支的一致性)に対し合理的な審査を行わなければならない」としている。また第14条では「経常項目の支払外貨は,国務院の外国為替管理部門による外貨支払及び外貨購入に関する規定にしたがって,有効な証憑(有效单证)に基づき,自己保有外貨によるか,元転・外貨転業務を営む金融機関から外貨を購入し支払わなければならない」としている。即ち,経常取引の対外支払については関係書類の真実性及び外貨の受取・支払との一致性を銀行が厳格に審査することが求められている。なお,一部取引については外貨管理局の承認が必要な場合もある。 この章では主にサービス貿易に係る対外送金について解説する。 外貨管理局は,2013年9月から、外貨転・対外支払に係る許認可を廃止し,すべてのサービス貿易項目について金融機関で直接,支払手続を行えるようになった。サービス貿易における1件当たり5万米ドル相当以下の外貨受取・支払は,原則として銀行の書類審査を不要としたほか,5万米ドル相当超の外貨受取・支払時に必要となる審査書類を大幅に簡素化した。 また,2013年9月1日に,外貨管理局と国家税務総局は「サービス貿易等項目の対外支払に係る税務届出に関連する問題についての公告」(关于服务贸易等项目对外支付税务备案有关问题的公告)(国家税務総局国家外貨管理局公告2013年第40号,以下「40号公告」という)により,サービス貿易に係る5万米ドル相当超の対外支払を行う場合,原則として事前に主管税務機関で「サービス貿易等項目の対外支払に係る税務届出表」(服务贸易等项目对外支付税务备案表)(以下「届出表」という)の手続を行い,対外支払時にこの「届出表」を銀行に提出することが必要となった。なお,「40号公告」については,「税収に係る一部規範性文書の改定についての公告」(国家税务总局关于修改部分税收规范性文件的公告)(国家税務総局公告2018年第31号)により改定された。 さらに,2021年7月2日に「サービス貿易等項目の対外支払に係る税務届出に関連する問題についての補充公告」(关于服务贸易等项目对外支付税务备案有关问题的补充公告)(国家税務総局国家外貨管理局公告2021年第19号,以下「19号補足公告」という)により,税務届書類は電子国税局などのオンライン手段,税務局の公式ホームページ,所轄税務機関の窓口から入手し記入できるようになった。 292

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